おすすめ度 ☆☆☆☆ (劇場鑑賞)
PG12 テロの映画ですから
第70回カンヌ国際映画祭で女優賞、ゴールデングローブの外国語映画賞受賞
トルコ移民のヌーリと結婚したカティヤは幸せな家庭を築いていたが、ある日、白昼に起こった爆発事件に巻き込まれ、ヌーリと息子のロッコが犠牲になってしまう。
やがて、ネオナチの男女が捜査線上に浮かびあがり、逮捕されるが、推定無罪で釈放される。
裁判で、夫ヌーリの人種的偏見と、過去に犯した麻薬がらみの罪が暴かれ、犯人は有罪の確信があったが、裁判官はあくまで法の下で、確たる証拠がなければ無罪とせざるを得ない。
そして一度は自殺を考えるも、煮えたぎる憎悪は収まらない。
この映画は、犯人側の信条とか、犯行に至った動機などは描かれず、あくまで被害者の立場が描かれる。
手持ちカメラを使うなど、随所に鮮烈な映像が挟まれ、カティアの心理を描いていく。
カティアに感情移入していくが、果たしてラストは?
カティアを演じるのはダイアン・クルーガー、その演技の的確さが目を引く。
監督は、トルコ人の血を引くファティ・アキン。
ネオナチが起こし、警察が失態を演じた事件が、この映画のモチーフだ。
ヨーロッパにおける移民問題を浮かび上がらせる。