ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「沈黙 サイレンス」、遠藤周作の小説をマーティン・スコセッシが映画化!

2017-01-24 19:27:25 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆☆☆

162分と大作なのと、全編シリアスなつくりなので、気合を入れて見ないと

この原作は、すでに。篠田監督により映画化されている。

今回は、スコセシ監督の作品というところに目新しさがある。

スコセシは、この小説を読んで映画化しようと考えたが、紆余曲折し28年が過ぎた。すごい執念である。

遠藤の小説は海外でも評判だが、賛否があるという。

仏教国日本で、キリスト教を描くのは、実は難しい。

だが、一方で、神か死かという究極の選択を選ばせる命題は、実に複雑。

その点、前半の処刑シーンは、かなりリアリティに富んで描かれていて、痛い気持ちが高揚する。

この辺は、スコセシの腕か。

後半は、主人公のロドリゴ宣教師が、自分が転ばなければ、人々が難を受ける。この究極の選択だ。

幾度も踏み絵を繰り返すキチジローや先に棄教したフェレイラ宣教師。

巧みに説得する筑後守や通辞の存在。

そして語られる、仏教の考え方。

中々奥の深い映画だ。

外国映画でありながら、日本人俳優が主体のためぎこちなさを感じさせず、かといって外国人宣教師の苦悩を描くという命題にもきっちりと答えている。

演技陣は、オーディションなどで選ばれたらしいが、みな達者な演技だ。

 

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「ゲルニカ」、かのピカソの絵で知られるゲルニカを背景にしたラブロマンス!

2017-01-23 17:34:08 | ヨーロッパ映画

おすすめ度 ☆☆☆

スペイン映画 劇場未公開

ピカソの絵を知っている人には、ある程度の知識はあるだろうが、日本ではあまりなじみがない。

1937年のスペインは内戦状態にあった。政府軍と反乱軍。

これが、他の国を巻き込んで争いになったのが悲劇だ。

政府軍側のソ連、反乱軍側のドイツ他。

その戦争を取材しようと、いろんな国から報道陣が派遣されていた。

政府報道局のテレサ、ソ連人の監視下、記事の検閲を担当。

ニューヨークからやってきたヘンリーは、本を出すほどの売れっ子。

この二人が愛をはぐくみながら、前線取材などを行い、危ない目にあう。

そして、ドイツ軍によるゲルニカの無差別爆撃。

初めて焼夷弾を使った都市攻撃で、街を焼き尽くした。

ちょっと、ゲルニカの爆撃描写があっさり目のため、不満が残る。

国民同士のいがみ合いが他国の介入を許し、悲劇を招いたことは、残念なことだ。

スペインだからこそ描けるテーマなのだが。

 

 

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「ミモザの島に消えた母」、30年前の母の謎の死を追い詰める息子!

2017-01-23 13:22:45 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆★

ノワールムティエ島 は、フランス・ヴァンデ県に属する大西洋岸の島。冬に咲くミモザの花から『ミモザの島』とも呼ばれる。

本土と島をつなぐ全長4.5キロメートルの砂州・海の中道、パサージュ・デュ・ゴワで有名である。砂州は日に2度の満潮で海面下に沈む。

その島で起こった悲しい事故。

主人公アントワーヌは、妻とも別れ、子供たちともしっくりいかずやや、精神異常気味。

そんな彼が、妻と同僚である妹とドライブ中、事故ってしまう。

その病院で、死化粧師アンジェルと知り合い、恋に落ちる。

そんな、アントワーヌが引っかかっているのが、30年前ミモザ島でなくなった母のこと。

後半、徐々に明らかとなる母の死。

幼いころの記憶がフラッシュバックし、ネーム入りの腕時計が見つかったり、核心に迫る。

祖母と父が頑なに秘密にするところが、ミステリアス。

祖母の死後、真相が明らかにされ、やっと、解放される。

「サラの鍵」の原作者タチアナ・ド・ロネの小説を映画化。

ミステリアスなタッチが、フランス的。

 

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「サスペクツ・ダイアリー すり替えられた記憶」、自分の記憶は正しいのか?

2017-01-22 17:56:01 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆

劇場未公開 WOWOWで公開

作家スティーブン・エリオットが自らの体験をつづった回想録を映画化。

スティーブン、自らの体験を綴った作品の発表会に父親が登場、作品の父からの虐待は嘘だったと告発される。

並行して、妻殺害の容疑で逮捕された実業家の事件の裁判にかかわっていく。

その過程で、女性記者と関係を持つように。

スティーブンは、アンフェタミン(注意欠陥多動性障害を改善:覚せい剤の一種)を常用しています。

そして、父との接触を重ねるにつれ、その話から自らの記憶が一方的であることを自覚します。

記憶というものがいかに主体性のものであるかが暴かれていきます。

ミステリアスな映画ではなく、社会派のドラマです。

ジェームズ・フランコ、エド・ハリス、アンバー・ハード等キャストは一流です。



 

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「森山中教習所」、大学生とやくざの組員が、非公認の教習所で過ごす一夏!

2017-01-22 09:34:30 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆

「月刊!スピリッツ」にて連載された真造圭伍のコミックが原作。

ノー天気な大学生清高(野村周平)、自転車に乗っていて、車にはねられる。はねたのがやくざ。

幸い一命をとりとめ、やくざの親分に慰謝料代わりに非公認の自動車教習所の講習料を負担するということで、教習所に通うことに。

山中の廃校となった校舎が教習所。

教えてくれるのが、わけありだが、魅力的な女性サキ(麻生久美子)。清高は恋してしまう。

やくざの子分の驫木(賀来賢人)も講習を受けるが、彼は高校の同級生。

かくして始まる、のほほんとした一夏。

大した事件もないが、教習所の家族がなんともユニーク。

やくざが絡むことで、非日常が醸し出される。

免許取得までの一夏の物語。いかにも日本的。





 

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「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」、検事長フリッツ・バウアーの活躍!

2017-01-21 19:26:49 | ドイツ映画

おすすめ度 ☆☆☆★

先にDVD鑑賞した「検事フリッツ・バウアー ナチスを追い詰めた男」と内容が重なる。

こちらの方が、2015年製作で1年前の作品だ。ドイツ映画賞を6部門で受賞している。

私の感じでは、こちらの方が映画の作りがうまい。したがって映画に引き込まれる。

ゲイの問題も正面から取り上げており、ドラマチックだ。

バウアーを演じるブルクハルト・クラウスナーに花がある。

モサドに会う場面などミステリアスだ。

ナチスの残影については、「検事フリッツバウアー」に軍配が。

だが、昨今のドイツ映画で、これらナチス時代の犯罪が取り上げられるのは、ドイツの特色だ。

日本では、こうはいかない。

保守派の人たちに消されてしまう。

戦争に向き合う姿勢の違いか?


 

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「沈黙の包囲網 アジアン・コネクション」、スティーブン・セガール様のお出ましです!

2017-01-20 19:06:48 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆

スチーブンセガール好き ☆☆☆

主役ではありませんが、大ボスの役で結構暴れています。

舞台は、カンボジアか、アジアの一角。

二人組の銀行強盗。成功する。

だが、その金は、セガールボスの預金だ。

そこで、強盗を探させる。

だが、その部下がセガール親分を裏切って、強盗をそそのかす。

強盗のボスの女が結構やる気。

三つ巴の合戦で、ドンパチ。

セガールは、女を囲ったり余裕をかましている。

そしていいとこどり。

B級の域は出ないのだが。

 

 

 

 

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「ザ・クルー」、悪党対悪党 フランスノアールアクション!

2017-01-20 10:59:40 | フランス映画

おすすめ度 ☆☆★

フランスアクション映画好き ☆☆☆

「フランス特殊部隊GIGN エールフランス8969便ハイジャック事件」のジュリアン・ルクレール監督作品。

周到に計画し、強奪に成功していた武装強盗団のヤニス。

弟が、拳銃を流してしまったことでギャングに目をつけられ、家族ごと脅され、新たな犯罪に手を染める。

だが、仲間たちが一人また一人とかけていく。

そして、警察にも追われることに。

家族愛を含んだ、アクション映画で、終わりまで引き込まれる。上映時間は、82分と短い。

 

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「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」、テロに対する攻撃はドローンの時代に!

2017-01-19 18:05:08 | イギリス映画

おすすめ度 ☆☆☆☆

舞台は、アフリカ、ケニアのナイロビ。

ここは国際機関などがあるアフリカの中心都市だ。

そこで、テロが頻発。

アメリカ、イギリス軍共同で、テロ対策をすすめる。

今や、ドローンが武器の主役だ。

ドローンから、ミサイルを発射すれば、的確に敵陣を破壊できる。

生死の確認さえ、ドローンの仕事だ。

一方、現場では、鳥型と虫型のドローンで室内に侵入、その映像が、アメリカ、イギリス作戦本部に写される。

で、この映画のポイントは、パン売りの少女が、隠れ家のすぐ外で売り始め、ミサイル攻撃で間違いなく死ぬ。

その少女の死ぬ確率、テロで失う命の確率、こんな計算をして攻撃する理不尽さ。

それをめぐって繰り広げられる、軍、政界、財界らの思惑。

タイトル通り世界一安全な戦場での戦いは、殺人の実感が薄いだけに余計辛らつだ。

来るべき戦争の先取りで、倫理を問う問題作。

ヘレンミレンはじめ、芸達者の競演だ。

 

 

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「国選弁護人ユン・ジンウォン」、コネも学歴もない三流弁護士が国家権力と対峙!

2017-01-18 18:11:05 | 韓国映画

おすすめ度 ☆☆☆

2009年に韓国ソウル市ヨンサン区で、再開発に伴う強制撤去現場に立てこもっていた住民5人が死亡した事件をヒントに映画化された。

国選弁護人のユン・ジンウォンは、暴動のさなかに起こった警官殺しの罪で逮捕されたパク・ジェホの弁護を担当することになる。しかしパクは、同じ現場で命を落とした息子を守ろうとしただけと主張。ユンはパクの言葉を疑うものの、捜査記録の矛盾点に気が付く。あらゆる国家権力が事件の真相を握り潰そうとするなか、ユンは先輩弁護士とともに賠償請求額わずか100ウォン(約10円)という、真実のみを求める前代未聞の訴訟を起こす。

貴重な検事の取り調べを録音したメディアをめぐって、スリリングな展開。

ただ、前半、弁護士のエピソードが紹介されるが、話が前後してわかりにくい。

韓国の法廷事情が垣間見れて面白い。

熱血弁護士に、ユン・ゲサン、その他、ユ・ヘジン、イ・ギョンヨンらベテランが出演。

 

 

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