おすすめ度 ☆☆☆☆
162分と大作なのと、全編シリアスなつくりなので、気合を入れて見ないと
この原作は、すでに。篠田監督により映画化されている。
今回は、スコセシ監督の作品というところに目新しさがある。
スコセシは、この小説を読んで映画化しようと考えたが、紆余曲折し28年が過ぎた。すごい執念である。
遠藤の小説は海外でも評判だが、賛否があるという。
仏教国日本で、キリスト教を描くのは、実は難しい。
だが、一方で、神か死かという究極の選択を選ばせる命題は、実に複雑。
その点、前半の処刑シーンは、かなりリアリティに富んで描かれていて、痛い気持ちが高揚する。
この辺は、スコセシの腕か。
後半は、主人公のロドリゴ宣教師が、自分が転ばなければ、人々が難を受ける。この究極の選択だ。
幾度も踏み絵を繰り返すキチジローや先に棄教したフェレイラ宣教師。
巧みに説得する筑後守や通辞の存在。
そして語られる、仏教の考え方。
中々奥の深い映画だ。
外国映画でありながら、日本人俳優が主体のためぎこちなさを感じさせず、かといって外国人宣教師の苦悩を描くという命題にもきっちりと答えている。
演技陣は、オーディションなどで選ばれたらしいが、みな達者な演技だ。