これまで山中市長は、かなりの時間を割き、横浜市18区連合町内会自治会連絡協議会(区連会)を回って、特別市制度の法制化の必要性を説いてきました。港南区にも来たのかもしれません。私達住民は何も知りません。山中市長の構想をここでまとめておきたいと思います。
次に山中市長が、指定都市市長会で説明した内容をご紹介します。
1. 指定都市がになえる役割は指定都市が果たし、道府県は他の市町村の支援に注力するという、地方自治体の役割分担の再構築が必要な時期に来ていると強く感じる。(注)横浜市は指定都市。
2. 今こそ、大都市が果たすべき役割にふさわしい権限と財源を併せ持ち、存分に力を発揮することができる「特別市」制度の創設が不可欠である。
3. 制度創設に向けて、横浜市民に、「特別市」制度の必要性を十分に理解してもらうことが最も重要である。そこで、私(山中市長)自身、横浜の各地域に足を運び、意見交換を進めている。
4. 引き続き、指定都市市長会の皆様と力を結集し、「特別市」の法制化に向けた動きを加速させるとともに、道府県との二重行政解消に向けて、権限や財源の移譲が進むよう全力で取り組む。
「特別市」については、現在は法律はありません。山中市長は、行政サービスの向上を図りたいと言ってます。しかし権限と財源重視で、肝心の産業論はありません。
指定都市とは、地方自治法で「政令で指定する人口50万以上の市」と規定されている都市のことです。指定都市は道府県と同等の行財政能力などを有していることが求められています。そこで、現在、横浜市を含む、だいたい人口70万人以上の20の都市が指定都市です。その居住人口は全人口の約2割を占めています。指定都市は、地方自治法の中の「大都市に関する特例」という規定によって、一般の市では都道府県が行っている事務のうち、児童福祉・生活保護・母子保健・食品衛生・結核予防など市民の健康や福祉に関する事務や、都市計画や区画整理事業に関する事務を担っています。
また、市域を複数の行政区に分けて区役所を設置しているのも指定都市の特徴です。区役所では住民票の交付や国民健康保険、地域振興など、日常生活に密着した多くの行政サービスを提供しています。
東京都には特別区という「区」があります。特別区は独立した法人格を持つ「特別地方公共団体」となっています。したがって、特別区は市と同様に固有の事務処理権限を有し、議会をもっています。
これまでに説明を受けた区連会の会長たちは、どうも横浜市が「特別市」になる必要性が理解できないようで、山中市長が、直接、区民に、わかりやすく説明してほしいと言っています。また、法制化には、国への働きかけ、神奈川県および県下の各市町村との調整が必要ではないかと心配しています。
山中市長は、行政サービス向上に役立つ選択肢と市民が理解することが大切と述べ、丁寧に市民への説明を続けると言っています。
私は、横浜市だけではバランスのとれた独立地域になれないと見ています。現状は市内生産が弱く、「夜寝る」都市になっています。横浜港はクレーンが動いていません。東京に労働サービスに行く都市では横浜の現状打開にならないと思います。権限と財源があれば横浜市低迷が解決する訳ではありません。産業論がないことが低迷の原因と見ています。(注)林文子前横浜市長は、カジノ論で失脚しました。
神奈川県の生産振興をはかり、県と一体化して横浜市の発展を考えた方が可能性が大きいと思っていたのでちょっと山中市長の論に違和感を感じています。
本格的議論はこれからです。本当に「特別市」制度で横浜市が発展するかまだわかりません。動向をよく見、ときどきこのブログで感想を書きたいと思います。
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