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遠鉄バスで中部天竜駅へ~佐久間レールパークへの穴場ルート

2009-09-04 | バス[東海]

MAKIKYUが先月末に浜松市にある「佐久間レールパーク」を訪れた際には、前日夜に浜松入りして駅近くのホテルに宿泊し、朝出発して佐久間レールパークへ向かったものでした。

佐久間レールパークは近年の市町村合併で浜松市に編入されたエリアで、浜松と言っても浜松駅などがある中心部からは、50km以上離れた山中に位置します。

そのため浜松市という実感は薄く、まして鉄道利用ともなればJR飯田線は愛知県の豊橋駅を基点に、長野県方面へ向かいますので、浜松市はおろか静岡県内を通る事すら実感が…という方も居られるかと思いますが、一応浜松市内という事もあってか、市外へ出ずに浜松駅周辺~中部天竜駅間を公共交通機関で結ぶルートも存在しています。

このルートはMAKIKYUが先日佐久間レールパークへ出向いた際にも利用したのですが、遠鉄(遠州鉄道)電車の終点で、天竜浜名湖鉄道との乗換駅にもなっている西鹿島駅(新浜松から約30分:遠鉄電車の便は昼間12分毎と頻発していますので、時刻表要らずです)からの遠鉄バス路線で、西鹿島~水窪[Misakubo]間の北遠本線と、浜松市佐久間自主運行バス(旧佐久間町営バス)を乗り継ぐ行程となります。

そのため浜松駅周辺から中部天竜駅までアクセスする場合は、新浜松~西鹿島間で遠鉄電車を利用し、その後バスに乗り継ぐ行程となります。
(西鹿島~浜松市内中心部へ直接向かうバス便は僅少ですが、山東~磐田間のバス便(磐田天竜線)はそこそこの本数があり、浜松駅周辺~磐田間のバス便もそれなりの便数がありますので、その気になれば遠鉄バスだけでの移動も可能です)

北遠本線は国鉄バス~JR東海バスが運行していた路線を、同社撤退後に遠州鉄道が引き受けた路線で、閑散とした山中を進む長大路線は、全国版の時刻表にも時刻が掲載されている程ですので、ご存知の方も多いかと思います。

遠鉄バスの一般路線は、現在630円の上限運賃を設定している事もあり、北遠本線は約100分かけて全区間を乗り通しても630円で乗車できますので、距離や土地柄を考えると、非常にお値打ち感のある路線とも言えます。

 
車両もオムニバス(ノンステップ車:遠鉄では独自の呼び名で他車両と識別しています)で運行する便が設定されており、MAKIKYUが乗車した便もオムニバス、それも遠鉄バスだけあって背もたれの大きい座席を装備しているなど、ハイグレードな印象を受ける車両を使用しているなど、サービスレベルは比較的高いですが、土地柄故に運行本数がかなり少ないのは難点です。

西鹿島駅を出ると旧天竜市の中心・二俣地区を経て山東(天竜営業所)に至り、ここまでは市街地だけあってバスの便も頻発しています。

山東を過ぎると山中を進み、天竜川沿いの長閑な景色の中を進んで行きますが、途中では脇道に入り、結構狭い箇所もありますので、よく長いバス(日野HRですので、車幅はさほどでもないですが…)を通すものと感心してしまう所もあります。

   
西鹿島駅から1時間程で西渡[Nishido]という停留所に到着し、ここは山中の小さな集落ですが道が二手に分岐し、一方が水窪方面、もう一方が中部天竜駅方面となるのですが、北遠本線は水窪方面へ進むのに対し、MAKIKYUは中部天竜駅(佐久間レールパーク)へ向かうため、ここで北遠本線のバスを下車し、中部天竜駅方面へのバスに乗り換えです。
(ちなみに西鹿島駅~西渡間でも運賃は上限の630円ですが、距離や土地柄を考えると割安感を感じる程です)

西渡~中部天竜駅間の路線は、浜松市佐久間自主運行バス(旧佐久間町営バス)と呼ばれる廃止代替路線で、運行主体は自治体となっているものの、遠鉄の車両を用いて運行しており、ナイスパス(遠州鉄道が発行するICカード乗車券)も通用しますので、実質的には遠鉄の一路線と言っても過言ではありません。

佐久間自主運行バスは、MAKIKYUが乗車した際には行先幕の表示がないのか、遠州鉄道の方向幕を掲示し、行先のプレートを掲出した平成2年式の三菱ふそう製中型車(P-MK117J)が充当されていました。


比較的洗練された印象が強い遠鉄バスも、山中に入ると結構古い車を走らせていると少々驚いたもの(もっと新しい年式の車両でも退役し、地方の他事業者で第2の活躍をしている車もありますので…)です。

この年式の車は大都市圏では何年も前に退役を余儀なくされていますので、MAKIKYUとしてはこの手の車両に当ると嬉しい限りですが、古参車ながらも高級感のある内装などは遠鉄ならではで、北遠本線のオム二バスとの乗り比べも面白いものでした。

こちらも土地柄故に北遠本線と同じく運行本数が限られ、その上日祝日運休便も存在している点は要注意ですが、概ね西鹿島方面の北遠本線と西渡で接続するダイヤが組まれ、浜松市中心部・西鹿島~中部天竜駅方面を移動する際の便宜が図られています。

そのため閉園が迫る佐久間レールパーク(中部天竜駅構内)へのアクセス手段としても有用で、遠州鉄道では西鹿島駅のバス停ポールにも、遠鉄バスでのアクセスを紹介していた程です。


とはいえ飯田線でのアクセス(JR東海は自社以外の公共交通機関でのアクセス方法を案内していない事も一因ですが…)に比べると、知名度は極めて低いものです。

土地の人間以外はこのルートの存在自体を知っている人物が限られる事もあってか、多数の乗客で大混雑している飯田線とは異なり、MAKIKYUが乗車したバスは西渡で乗り継いだ乗客は指の数も…という状況で、比較的空いていて快適に移動できましたので、佐久間レールパーク訪問の際の穴場ルートとも言えます。

また北遠本線は佐久間レールパーク訪問に限らず、浜松市内中心部~長野県内の飯田線沿線などを、水窪などでJRと乗り継いで安く移動するにもうってつけです。

本数が少なく、やや利用しにくい感もありますが、ローカルムード溢れるバスの旅を、630円の上限運賃設定もあって比較的割安に移動できますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非乗車してみては如何でしょうか?