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JR東日本・仙台地区のジョイフルトレイン「こがね」(1)~外観編

2010-08-03 | 鉄道[東北]

 

先月20日から今年夏の青春18きっぷ利用期間が始まり、時期が夏休みという事もあって、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、青春18きっぷを利用し、JR線の普通列車を乗り継いで各地へ出向かれている方も多いかと思います。

MAKIKYUは仕事持ちの身で、猛暑の最中とはいえ長期休暇とは行かないのですが、先月末には青春18きっぷを利用し、「MAKIKYUのページ」更新が途絶えた数日間、仙台周辺へ出向いていました。

仙台周辺へ出向いた理由の一つとしては、気仙沼[Kesennuma]線を走る全車座席指定制の臨時快速列車「こがねふかひれ」号(仙台~気仙沼線経由~気仙沼)への乗車も目的の一つでしたが、今日はこの列車に用いられている「こがね」と呼ばれるジョイフルトレインに関して取り上げたいと思います。

「こがね」は2003年に営業開始して今日に至っていますが、「こがね」として営業開始する前は「グラシア」と呼ばれるジョイフルトレインとして活躍していた事でも知られています。

「グラシア」時代も車両形状自体は現在の「こがね」とは大差ないのですが、ライトグレーとチェリーレッド(ピンク色に近い赤色)の装いだった事もあり、現在とはやや雰囲気が異なっており、登場当時はグリーン車扱いだった事も大きな特徴でした。

「グラシア」は1989年に当時多数が活躍していたキハ58系列の気動車3両を改造し、「モダン」「ソフト エレガント」を改造コンセプトとしているだけあって、前面形状などは種車とは大きく異なるデザインに改められると共に、改造当初には改造車ながらも「キロ59」という専用の形式が与えられたのも特徴です。

その後「グラシア」時代末期に普通車扱いに格下げとなった後も「キロ」→「キハ」へ改められただけでキハ58形には戻らず、「キハ59」という希少形式(他にはかつて北海道で活躍したキハ56形改造のリゾート気動車・「アルファ・コンチネンタル・エクスプレス」が該当)として今日まで活躍しています。

しかしながら種車がキハ58系列という事もあり、窓回りやドア形状、屋上の空調などは種車のキハ58系列の雰囲気が強く残っています。

キハ58系列自体が大幅に数を減らし、希少な骨董気動車とも言える状況においては、改造から20年以上の年月が経過した今日、改造コンセプトの「モダン」とは大きく離れ、古参車という雰囲気が否めない状況で、大幅な改造が行われているとはいえ、希少なキハ58系列として注目される存在にもなっています。

そのためいよいよ今年限りで引退と言う事が発表されても驚かず、さほど古くない車両ですら次々と引退に追い込まれているJR東日本にしては、むしろよく「こがね」は今日まで走り続けたと感心する程ですが、古参車だけあって車体には素人目にも痛みなどが見受けられる状況でした。

また「こがね」は元々1編成しか存在しないジョイフルトレインである上に、特徴的な前面形状も目を引くものですが、中間に組み込まれるキハ29形1両も、今日のJR東日本で活躍するキハ40系列改造気動車とは異なり、運転台を完全に撤去して中間車としているのも大きな特徴です。

MAKIKYUが「こがねふかひれ」号に乗車した際は、この中間に組み込まれているキハ29形に当たったのですが、運転台を撤去した気仙沼方は客ドアを撤去した部分だけ、幕板も下に張り出しています。

おまけに屋上の冷房装置も、良く見ると気仙沼方の1台だけ編成内の他の冷房装置とは異なるものを載せており、後から適当な部品を取り付けたという雰囲気が強く感じられ、如何にも改造車と言う雰囲気を強く感じたのも興味深いものでした。

「こがね」は車内に足を踏み入れると、こちらも外観以上に独特で興味深い車両ですが、こちらに関しては続編記事として近日中に別記事で公開したいと思います。