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JR北海道・バーベキューカーに遭遇~5両編成で純粋な気動車は…

2011-11-13 | 鉄道[北海道]

先月末にMAKIKYUが北海道へ足を運び、上野駅から乗車した寝台特急・北斗星号を苫小牧駅で下車すると、反対側ホームには気動車列車の姿がありました。

苫小牧周辺の普通列車は、非電化の日高本線や室蘭本線岩見沢方面をはじめ、電化区間となっている室蘭本線苫小牧以西でも、非電化となっている東室蘭以西での運用も兼ね、一部列車が気動車で運転されていますので、気動車列車自体は非常にありふれた存在です。


使用車両も旧国鉄から継承したキハ40形が主力を占めており、MAKIKYUが反対側ホームで目撃した気動車列車も、キハ40形が先頭(室蘭方)に立っていましたが、2両程度での運転が多い苫小牧周辺のローカル気動車にしては妙に編成が長く、この時点で異様な雰囲気を感じたものでした。


中間には色や形が大きく異なる車両が連結されており、良く見ると釧路所属の貨車改造付随車・ナハ29000形が組み込まれていました。

この車両はバーベキューカーとして、道内各地の団体列車などで用いられるのですが、定期列車で運用される事はまずありえない神出鬼没の車両で、旅の始まりでいきなり凄い車両に偶然遭遇する事になったものでした。

ナハ29000形はキハ40形の後部に、ナハ29001とナハ29002の2両が連結され、この2両は貨車改造車である事や、こげ茶色の装いこそ共通するものの、良く見ると窓割などは異なっており、如何にも改造車といった雰囲気を漂わせていたものでした。

道外の訪問者が偶然こんな車両に遭遇する機会は滅多になく、貴重な機会とばかりにその後この列車が停車している反対側ホームへ出向き、車内へ立ち入る事は叶わなかったものの、窓越しにその様子を見る事も出来たものでした。


ナハ29000形の客室内は木製座席がボックス配置で並び、各ボックスには木製の固定式テーブルが設置されていましたが、貨車改造車で木製座席となると、乗り心地は凄まじいのでは…と感じたものです。


ちなみに木製テーブル上にはホットプレートと、焼肉のタレが用意されており、苫小牧駅から団体客を乗せた後は、恐らく車内で焼肉かジンギスカンでも…といった雰囲気でした。

苫小牧駅ホームで停車している列車の車内には、食材が入っていると思われる発泡スチロールの箱などが搬入されている姿も目撃したものの、この日はどの様なメニューが提供され、何処へ向けて走っていたのかも気になる所です。

またナハ29000形2両は貨車改造の付随車で、動力を持たない事もあってか、牽引はディーゼル機関車でも良さそうな気がしますが、先頭のキハ40形は機関車代わりの役割も果たしており、付随車牽引でパワーが要求される事もあってか、良く見ると苫小牧周辺のローカル輸送で使われる700番台車(北海道仕様車をワンマン改造した車両)などではなく、札沼線(学園都市線)で活躍している道内のキハ40系列では少数派の冷房改造車で、非ワンマン車の300番台でした。

この車両はエンジン換装を行い、出力向上を果たしている事も、バーベキューカーの牽引役に抜擢される要因かと思いますが、バーベキューカーは運転台もない事から、反対の札幌方にも気動車が連結されていました。

札幌方もキハ40系列で問題ない気もするのですが、こちらは苫小牧周辺では定期列車で充当される機会のない学園都市線用の客車改造気動車・キハ141形2両が充てられており、このお陰で5両編成中純粋な気動車は1両だけ、その後ろは貨車改造車と客車改造車と言う、どちらも元々は機関車に牽引される車両で編成構成されていたのも興味深いものです。

学園都市線は一部複線区間を含み、札幌近郊では各駅に自動改札機を設置してICカード利用にも対応しており、通勤時間帯には10分程度の運転間隔で都市型輸送を行っている路線にしては珍しい非電化線区として知られていますが、国内で同種の路線は、他には関東鉄道常総線位しか思い当たらない独特な路線です。

ただ来年の電化が確定しており、既に工事はほぼ終了して電化線区さながらの様相になっていますので、来年に電車運転が開始されると、名物とも言える主力の客車改造気動車も経年車である事から、かなりの数が淘汰される公算が高く、現在バーベキューカーではキハ141系列を含む5両編成での運転が定番となっている様ですが、今後もこの編成での運転が継続されるのかも気になる所です。