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東海汽船・大型客船「橘丸」(1)~6月に運航開始した新造貨客船

2014-11-24 | 船舶[日本国内]

今月MAKIKYUは東京都八丈町(八丈島)を初訪問する機会があり、日頃首都圏に居る身でありながらも、ようやく晴れて都内全区市町訪問達成となりました。
(東京の「村」は非常に足を運びにくい所が幾つもあり、これも含めた全自治体訪問ともなれば、国内各都道府県の中でも5本の指に入る程厄介なのですが…)←もし「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中で、東京都の全区市町村訪問を達成されている方が居られましたら、是非その感想等をコメント頂けると幸いです。

八丈町は一応東京都内ながらも、本土とは300km近くも離れた「離島」で、「村」を除く東京の各自治体の中では、本土在住者にとっては最も足を運び難い所です。

MAKIKYUが八丈町へ足を運ぶ際には、浜松町駅近くの竹芝桟橋から出航し、三宅島・御蔵島を経由して八丈島へ至る東海汽船の大型客船を利用したのですが、都内本土と八丈島間の足としては最もありふれた存在かと思います。


この航路では主に6月に導入されたばかりの新造船「橘丸」が配船され、時折既存の大型客船「さるびあ丸」が配船される事もある状況ですが、MAKIKYUが八丈島発着の大型客船に乗船した際には、往復共に新鋭の橘丸配船でした。

さるびあ丸は以前乗船し、「MAKIKYUのページ」でも取り上げた事がありますが、橘丸は6月に運航開始したばかりの新造船だけあって、MAKIKYUは今月が初乗船でした。
(以前公開したさるびあ丸に関する記事をご覧になりたい方は、以下の記事名部分をクリックして下さい)
東海汽船のフラッグシップ「さるびあ丸」(1)~フェリーではない貨客船だけあって…(2012年7月5日公開)
東海汽船のフラッグシップ「さるびあ丸」(2)~多様な船内設備(2012年7月7日公開)


橘丸の外観は黄色を主体とした装いが非常に独創的で、見た目のインパクトが非常に強いと感じたものでしたが、今まで東海汽船が導入してきた大型客船と同様に、フェリーではない「貨客船」となっている辺りは、東海汽船の船らしいと感じるものです。
(国内を就航している東海汽船系列以外の大型客船は、大半が自動車を船内へ自走させて積載する事が可能な「フェリー」となっており、東海汽船系でも来月神新汽船で就航する新造船は、自動車積載可能な「フェリーあぜりあ」です)

スーパーエコシップと大々的に告知しているだけあり、メカ的にも1エンジン+電動駆動プロペラによるハイブリッド方式を採用しているのが大きな特徴で、大きな騒音や振動の源となるエンジン数が減少した事も影響してか、静かで振動の少ない客船と感じたものでした。

また八丈島航路は、竹芝発は夜行運航となり、時間を有効に使える反面、今の時期だと途中寄港地の島々などを眺めるのは厳しく、一方八丈島発だと景色を堪能するには絶好の運航時間帯に就航している反面、昼間の明るい時間を丸々費やす状況ですので、どちらも一長一短と言った所です。


ちなみにMAKIKYUが八丈島からの復路で乗船した日には、空模様は決して悪くなく、底土港(八丈島)出航時には八丈富士も綺麗に見渡せたものの、風が強い上に波が高く、うねりもあって海上は時化模様でしたので、外洋航海中は少々辛い船旅と感じたものでした。
(八丈島到着時は、海況はそこそこだったものの、曇り空で八丈富士には雲がかかる状況でしたので、八丈富士が綺麗に見渡せるか否かは運次第です)

底土港出航直後から船体は大きく揺れ、出航前にも「本日は大きく揺れる航海となる事が予想されます。船旅に自信のない方は早めに船室でお休みになられる事をおススメします」と案内放送が流れる程で、八丈島の島影から外れたら相当な揺れが…という有様でした。

出航時には途中寄港地の御蔵島・三宅島の2島共に「条件付」での運航となっており、条件付ではない方が珍しいと感じる御蔵島はともかく、三宅島の条件付は珍しいと感じたものでした。

出航から1時間程度で「本日の御蔵島行きは港内状況が悪く、欠航となりました」と案内放送が流れ、欠航が頻発する御蔵島だけに「やっぱり」と感じたものでした。


船室で暫くゴロゴロしていて揺れが弱まったと思ったら、程なく東海汽船ではお馴染みの「我は海の子」のメロディと共に、三宅島・三池港入港の案内放送が流れる状況でした。
(写真は三宅島・三池港入港時に船内から撮影した御蔵島です)

三宅島から乗り込み、八丈島航路を時折利用するという島出身者の方も、台風などを除くと、この時期(11月)でこれだけ揺れるのは珍しく、波が高く荒れた海の状況を見て驚く程でした。

MAKIKYUが以前三宅島へジェット船試験就航→復路欠航でさるびあ丸に乗船した際も、新島沖などは結構な揺れと感じたものでしたが、先日の橘丸はそれ以上の揺れ方で、東海汽船の関係者からも「完全に冬型の気圧配置」「欠航ギリギリ」という話を伺ったものでした。


三宅島の島影が途絶えた後も、大島の沖合い辺りまで結構な揺れが続きましたが、その後は内海に入るため揺れも大分収まり、船上から眺める夕暮れ時の富士山などは絶景と感じたものでした。


日没後も、竹芝桟橋到着前のレインボーブリッジ下を通過する際の夜景などは注目で、レインボーブリッジ通過前にはわざわざ船内放送まで流れる程でした。

船自体は新鋭だけあって比較的快適ながらも、大時化で揺れる外洋航海中は「人間地に足が着いているのが一番」と感じてしまう状況だったのは少々残念と感じ、もう少し海況が穏やかで御蔵島入港を見届けられる航海だったら…と感じたものでした。
(八丈島~東京都心間の移動であれば、一応他の交通手段も存在しますが、余程の急用などで止むを得ない事由がある場合を除けば、東京都内を移動する程度でこちらを利用する気にはなれず、大時化で船体が大きく揺れる航海となり、移動時間が少々長くなっても、個人的には東海汽船利用の方が断然と感じています)

船内の様子に関しては、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。