先日「MAKIKYUのページ」では、カンボジアを走る長距離バスに関して取り上げましたが、カンボジアは公共交通機関の整備がまだ不充分な事もあり、長距離バス乗車中には、農村部でトラクターの荷台に大勢の乗客が乗車している姿も見かける程でした。
さすがに首都・プノンペンの中心部ではトラクターによる旅客輸送車両は見かけなかったものの、路線バスも8月現在で3路線と非常に少なく、日本の地方都市と比べても…と感じる程でした。
路線バスは中心部~空港方面などの路線があるものの、MAKIKYUが宿泊した日系ホテル近くには路線が通っておらず、プノンペン駅周辺などで何度か姿を見かける程度でした。
見かけた車両は中国でもよく見かける中国・宇通(Yutong)製の低床冷房車、車体側面には漢字と英語で「中国援助CHINA AID」と記された中国の支援で導入された車両を用いていますので、車両自体は割合近代的な部類に入ります。
運賃は日本円で数十円程度とかなり割安、目的地へ向かうのに適当な路線があれば是非利用したいと感じたものでしたが、首都の都市内交通機関としては決して多いとは言い難い15分毎程度の運行にも関わらず、プノンペン駅周辺でも空席が多数見受けられるなど、地元の足としては余り定着していない様にも感じられたものでした。
軌道系交通機関が充実しているのであれば、市内中心部を走る路線バスが3路線でも問題ないと思いますが、都市鉄道の類は皆無で長距離輸送を行っている鉄道も週末などに限定した運行(それも往復合計で1~4本程度)という状況ですので、乗合の公共交通機関自体が殆ど運行していない街と言っても過言ではない状況になっています。
地元住民は自前でバイク(原付)を持ち、バイクで移動するのが主流となっている様で、街中の至る所でバイクが行き交う姿を見る状況でした。
旅行者の移動もタクシーなどの利用が主体となっている状況ですので、単独での旅行ともなると市内移動費だけでも結構嵩む状況で、近隣諸国はおろかアジアの中では物価が突出して割高な日本の都市交通と比べても…という有様でしたが、他に移動手段がないとなると止むを得ず利用…という事にもなります。
タクシーは一般的な4輪車も多数運行しているものの、バイクを用いたタクシーも多数運行、こちらは空調を装備していないなど設備的にも簡素なだけあり、4輪車によるタクシーよりは運賃も割安になっています。
その中でもバイクタクシー(運転者と乗客の2人乗り)も結構走っているものの、これは危険度も高く極力利用を避けたいと感じ、MAKIKYUは専らトゥクトゥクを利用したものでしたが、カンボジアのトゥクトゥクは既存のバイクに2輪の客車を固定したものが主流となっています。
クッションの効いた2人掛けの座席が向かい合わせで4名乗車可能なものが多く、10~15分程度の市内移動なら生温い風に吹かれながら南国の雰囲気を感じるのも悪くないと感じたものですが、外国人が乗車する場合は市内移動でUS$5程度が相場、深夜帯などはやや値段が上がる様です。
またトゥクトゥクよりはやや小さく、後部に2人がけの座席を設けた3輪のバイクタクシーも散見し、こちらも一度乗車機会がありました。
これは4名乗車可能なトゥクトゥクより乗り心地はやや劣るものの割安で、単独での市内移動でこのタイプを見かけたら、交渉(トゥクトゥクの運転者も運賃などを尋ねる程度の片言の英語なら大抵通用し、中には携帯電話で多少日本語が通じる人物に取り次いでくれる場合もあります)余地ありとも感じたものでした。