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取手→伊勢原・1都3県に跨る3社直通列車に乗車

2018-07-27 | 小田急グループ

今月小田急では特急ロマンスカー・7000LSEが定期運転を終了する事が大々的に報じられ、MAKIKYUも定期運転最終日に同形へ乗車機会がありましたが、個人的には小田急線と言えばロマンスカーも悪くないものの、興味対象としてはよく利用する一般車の方が…という状況です。

また今春の小田急線ダイヤ改正では複々線化事業完成により、朝夕のラッシュ時間帯をはじめ、それ以外でもダイヤは大きく変わっていますが、車両面での大きな動きは特急ロマンスカー・70000GSE1編成が運行開始&LSE1編成が運用離脱→その後今月第2編成も営業開始し残るLSE1編成が定期運転終了したのが大きな動きと言える一方、一般車両は代替が一段落している事もあってか、特急車に比べ大きな動きは見られない状況です。
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一部編成におけるLED行先表示のフルカラー化など、微細な変化はありますが…)

しかしながら今春のダイヤ改正では、運行体系の改編で注目と言える列車が幾つも存在、その中でも気になっていた列車の一つが記事タイトルにある取手→伊勢原の3社直通列車です。

この列車の運行区間はJR常磐緩行線~地下鉄千代田線~小田急線の3線、運行区域も茨城県~千葉県~東京都~神奈川県の13県に跨っており、この4都県に跨って走る3社直通列車自体はダイヤ改正前から存在していましたが、地下鉄千代田線直通列車の運行区間延伸により初めて小田急線内を走る定期一般列車としては初の運行距離100㎞越えとなっています。
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特急ロマンスカーの片道100㎞超は既にダイヤ改正前から存在していますが…)


終点がMAKIKYUの現住地・伊勢原市内という事もあり、ダイヤ改正時から存在は非常に気になっていたものの、始発駅の取手駅(写真)やその周辺へ足を運ぶ機会は限られる事もあり、全区間乗車は暫くお預けという状況が続いていましたが、一月程前に取手周辺へ足を運ぶ機会があり、その帰りでようやく乗車できた次第です。

この取手→伊勢原の直通列車は、千代田線直通列車の小田急線内上り営業運行区間が最遠でも本厚木まで(伊勢原→本厚木は回送のみ)、またJR常磐緩行線の取手~我孫子間の運行が原則として朝夕の一部列車に限られている事もあり、平日ダイヤ西行2本のみの運行となっています。

JR
常磐緩行線~地下鉄千代田線~小田急線の3社直通列車は、以前は旧営団地下鉄→現東京地下鉄(東京メトロ)車両のみでの運行でしたが、2016年春以降は3社の車両が用いられており、そうなると取手→伊勢原の直通列車も3社の車両が…と言いたい所ですが、西行2本のみという事で取手18時台発の列車は東京メトロ車両、19時台発の列車は小田急車両での運行となっています。

千代田線直通列車は、輸送障害発生などでダイヤが乱れた際に運用変更される事も時々ありますが、基本的にJR車両での取手→伊勢原直通運行は存在せず、今後のダイヤ改正などでJR車による取手→伊勢原直通運行が設定される事があるのか否かも気になる所です。


ちなみに先月MAKIKYUが乗車した取手→伊勢原直通運行列車は、取手18時台発の1本目の列車でしたが、取手駅は一時期の所用先から比較的近く、何度も利用した事がある駅ながらも、同駅の発車案内で「伊勢原」の3文字が表示されている姿は新鮮に感じたものでした。

 
ホームに降りると、既に所定の東京メトロ車両が「伊勢原」表示を出して停車中、車両自体はよく利用する事もありお馴染みの存在です。


日頃よく利用する小田急線や地下鉄千代田線内では「急行」の種別を表示する列車も、JR常磐緩行線内は各駅停車として運行するため、取手出発時点では「各駅停車」表示となっています。
(JR
常磐緩行線~地下鉄千代田線~小田急線直通の伊勢原行列車は、一部小田急線内準急や各駅停車で運行する列車も存在しますが、取手→伊勢原直通運行の2列車は共に小田急線内急行です)


車内に入ると、ドア上のLCDモニターは「伊勢原」の行先と共に「各駅停車」という種別と「千代田線直通」である事が大々的に表示されている一方、小田急線内の種別に関しては「各駅停車」表示の下に小さく「小田急線急行」と表示されているのみで、3社直通利用に関しては余り考慮していない様にも感じられたものでした。

列車が取手を出発すると程なく利根川を渡り千葉県に、小田急線内発着列車が茨城県内を走るのはほんの僅か、また2駅目の我孫子は小田急線直通列車の発着も多数あり、我孫子以西での乗車はありふれたものとなります。

 
JR/東京メトロの乗務員交代駅になっている綾瀬で種別変更、急行伊勢原行に変わると後はいつもの電車と言った雰囲気、その後代々木上原から小田急線に入り1時間程急行として運行すると終点の伊勢原に到着、2時間強の道程はここで終わりとなります。


MAKIKYU
がこの電車に乗車した日は定期券などを所持していなかった事もあり、JR普通乗車券+東京メトロ普通回数券を予め乗車前に用意、小田急線内乗車分(代々木上原~伊勢原)を手持ちのICOCAにチャージ済のSF残額から精算する事を考えていました。


そして伊勢原駅で取手駅からのJR線乗車券を精算機に投入したら、直通列車運転区間内の磁気券にも関わらず「精算機のご利用ができません」と表示される状況。

そのため係員窓口に出向き
2枚の乗車券とICOCAを差し出して係員処理を依頼しましたが、ここでも係員がJR乗車券+東京メトロ回数券の2枚を処理機に投入したら、2枚の乗車券区間が連続しているにも関わらずエラーが出る始末。

 
結局係員が小田急線内利用分を手入力でICOCASFから減算、精算証を渡されて出場となり、駅を出たら見慣れた光景が拡がる状況でしたが、JR側・小田急側共に3社直通利用は余り考慮しておらず、それぞれの路線から千代田線直通列車を設定したら、運用上の関係で3社直通が出来上がっただけという印象を受けたものでした。

またJR区間は快速線と並行する緩行線を運行、各駅停車として運行する事で千葉県内(特に柏以東)や取手からの速達性が劣る上に、一部で「綾瀬問題」などとも言われる複雑な運賃計算ルールの存在(利用区間や所持乗車券の種類によって、JR/東京メトロの運賃計算境界駅が変化)なども存在します。

特にPASMOなどの交通系ICカード1枚でSF残額を利用しての利用ともなれば、一旦綾瀬駅で改札を出場し再入場する場合、1本後の列車を利用する事になり、綾瀬駅で一旦出場しないと大損する事がしばしばというのは非常に厄介と感じます。
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もしこの問題に関心があり内容が理解できないという方は、経路検索で日比谷~柏/日比谷~綾瀬/綾瀬~柏の3区間を検索してみて下さい:他にも同種事例は多数あり、メトロ側発着駅が日比谷でJR側発着駅は松戸・我孫子・取手などでも同種の結果になります)

そのため車両は直通運行していても、敢えて綾瀬での途中下車を勧める状況になっている有様ではなかなか3社直通利用する気にはなれず、MAKIKYUが乗車した列車でも綾瀬と北千住の2駅を跨いで利用する乗客こそ多々見受けられたものの、JR線~小田急線の3社跨ぎ利用自体が少ないのでは…と感じる状況でした。

これでは取手→伊勢原を移動する場合でも、直通列車を利用して乗換なしの1本で…という選択は難しいと感じたのは残念で、今後3社直通列車の運行を活用した企画乗車券類の設定をはじめ、各種宣伝企画などの利用喚起策があっても…と感じたものでした。