気ままに

大船での気ままな生活日誌

生誕90年 池波正太郎展

2013-09-03 08:33:43 | Weblog
銀座松屋で”生誕90年 池波正太郎展”をやっているというので、国技館で秋場所のチケットと新番付表を買った帰りに寄った。池波正太郎フアンではあるが、あの鬼平犯科帳や剣客商売はテレビではみていたが、原作はほとんど読んでいない。でもエッセイ本は、随分読んでいると思う。”散歩のとき何かたべたくなって”とか”男の作法”などがすぐ思い浮かぶ。

公務員作家でスタートし、はじめは新国劇の脚本を書いていた。たくさんの台本が並ぶ中に”牧野富太郎”を見つけておどろいた。植物学者も芝居の主人公にもなるんだ。生前交流もあったとのこと。その後、長谷川伸に薦められ小説を書くようになり、”錯乱”で直木賞を受賞。そのときの芥川賞が北杜夫だった。お二人の顔の若いこと。ついでながら、司馬遼太郎は、開高健と一緒。

その後、鬼平犯科帳、剣客商売、仕掛け人・藤枝梅安と人気作品を次々と世に出し、テレビ、舞台、映画でも劇化され、知らない人はないとういうほどになる。次ぎのコーナーでは、三作品の主人公らの衣装や、部屋などが再現されている。ビデオも流されているので、若き日の中村吉右衛門、藤田まこと、緒形拳の活躍ぶりを眺めることができる。たしかに、いずれも面白い時代劇だった。やっぱり戯曲からスタートしたので、原作が映像化しやすいようになっているんだろう。

書斎も再現されているが、机の裏に絵の道具が置かれている。仕事が進まなくなったときには、気分転換に絵筆をとるのだそうだ。玄人はだしで、隣りの展示室に何枚も飾ってある。趣味といえば、映画。それもはんぱじゃない。月に3,40本はみたという。1週間、観ないと頭がおかしくなってしまう、というほど。時代劇ではなく洋画だそうです(笑)。音楽も好きで、洋楽、ムソルギスキーの”展覧会の絵”なんかも好きらしいですよ。外国旅行もする。フランスが大好きらしい。加えて、食べ歩き。これだけ遊んで、(展示されている)膨大な著作。まさに、人生の達人ですね。

ぼくが池波フアンなのは、彼の考え方に共感するから。この展覧会のおわりに、池波正太郎の言葉が。鬼平のせりふから。

人間というやつ、遊びながら働く生き物さ。善事をしながら知らぬうちに悪事をやる。悪事を働きながら、知らず識らず善事をたのしむ。これが人間だわさ

ぼくの好きな池波正太郎の言葉はネ、
人間は動物だからねえ、それを忘れちゃうから、どうも方々で間違いが起きて来るんだな。頭脳が比較的発達してるから高等動物になっているけど、肉体の諸器官というものは四足のときと変わらないんだよ。それを高等な生き物と思いこんでしまって、そうした社会をつくろうとしていくと、非常に間違いが起きてくるんだよ。(男の作法)

池波正太郎、再認識の展覧会でした。


中村吉右衛門からお祝いの花束も


大相撲秋場所新番付け 稀勢の里の弟弟子、高安新小結に。平成生まれ初。 初土俵から所要3場所で新入幕した元アマ横綱、遠藤。下剋上の秋場所になるか。


千秋楽はすべて売り切れ。13日目の席を買う。


還暦土俵入り展を相撲博物館でみる。北の湖、大鵬、若乃花、栃錦ら名横綱の赤い綱。


池波正太郎も相撲がお好きだったのでは。師匠の長谷川伸の代表作が”一本刀土俵入り”だからネ、義理でもみたでしょう(笑)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする