気ままに

大船での気ままな生活日誌

ベルギー奇想の系譜

2017-10-05 10:08:22 | Weblog

おはようございます。

渋谷のBUNKAMURAザ・ミュージアムの”ベルギー奇想の系譜”展を終了間際に見てきた。いくつか、印象に残った絵を記録しておこう。

本展では、15世紀から現在まで、500年に渡る”奇想の系譜”を以下の章立てで紹介している。

第1章 15-17世紀のフランドル美術
第2章 19世紀末から二十世紀初頭のベルギー象徴派、表現主義
第3章 20世紀のシュルレアリスムから現代まで

ぼくは、あまり、”奇想”を意識しないで、ただ、のんびりと眺めてきた。まず、紹介したいのは、やっぱり、本展の目玉展示、ボス工房の作品、トゥヌグダルスの幻視。アイルランドのトゥヌグダルス騎士が三日間、仮死状態に陥り、その間、守護天使に連れられて天国と地獄の世界を見てきたというもの。ここでは地獄の世界が描かれる。いろいろな罪を犯した男や女に、コワイ罰が加えられる。どうぞ、ご覧下さい。

ヒエロニムス・ボス工房 ”トゥヌグダルスの幻視” (1490―1500年頃)


それぞれの場面の図解 地獄における”七つの大罪”と対応する懲罰 

トゥヌグダルス(眠って、幻視している)と守護天使

貪欲 賭け事を表すサイコロに座る人物が槍に刺されたりしている、異形のお化けはラッパを吹いている。 

大食 大酒を飲まされる。これが罰か?喜ぶ人もいるかも(笑)。首を切断されている人も。

傲慢 死者の仮面を被った人物に鏡を見せられる女性

以上、恐い地獄絵だが、我が国の地獄絵に比べれれば、天と地、月とすっぽん、天国と地獄の差(笑)。

ピーテル・ブリューゲル(父)も”第二のボス”と讃えられたそうだ。聖アントニウスの誘惑、七つの大罪、七つの徳目シリーズなどが展示されている。これらの多くは神奈川近代美術館所蔵で、見たことがある。

ピーテル・ブリューゲル(父) 大食(1558年)

ピーテル・ブリューゲル(父)”聖アントニウスの誘惑”(1556)

ルーベンスも”奇想”といえばそうかなという版画(原画)が7点ほど。絵ハガキがなかったので絵は載せられません。

第2章 19世紀末から二十世紀初頭のベルギー象徴派、表現主義

ロップス、クノップフ、アンソールらが紹介される。知らない画家ばかりだったが、11点ほどのアンソール作品の明るい色彩が気に入った。姫路市立美術館はじめ日本の美術館所蔵が多い。旅先でも、みてみたいものだ。

 

ジェームズ・アンソール ”オルガンに向かうアンソール”(1933)

ジャン・デルヴィル ”レテ河の水を飲むダンテ”(1919)これも姫路市立美術館蔵。

フェルナン・クノップフ ”捧げもの”(1891)

第3章 20世紀のシュルレアリスムから現代まで
マグリットやデルヴォーらシュルレアリスムの芸術家、ヤン・ファーブルら現代作家らの作品が展示されている。 

マグリット ”大家族” (1963)

ポール・デルヴォー ”水のニンフ” (1937)

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

 

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (小父さん)
2025-01-30 11:42:27
こんにちわ。

今、プレミアムカフェで「ハプスブルク帝国(1)双頭の鷲の下に」を見終わったところですが、解説を聞いていると「マクシミリアンの治世」でベルギーの話が出てきたので検索してみたらこちらに到達しました(笑)

marboさんは、ありとあらゆる経験をされていますね。

有難うございました。
返信する
Unknown (小父さん)
2025-01-30 11:46:39
ありゃ、犬猿の仲と言いますが、ハチ公はニヤン子には寛容だったんですか?(笑)
ベストショットです!
返信する
小父さんさま (marbo)
2025-01-30 18:04:56
はるばると8年も前の記事に訪問いただき、ありがとうございます。おかげさまで、ぼくもすっかり忘れていたベルギーの奇想の絵画を見ることができました。

ハチ公とにゃんこは相性がいいようですね。お猿さんもお呼びしたいですね。どんな反応しますかね(笑)。
返信する

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