
前は分解し終わった所まで書いたから、
次はいよいよ加工に入る。
まずは剥離する部品全てを灯油や洗剤で洗って、
表面に油分が残らないよう脱脂をする。
そしたら剥離剤を塗って塗装を落としていくんだけど、
一回ではまず落ち切らないから数回に分けて徐々に塗装にダメージを与えていき、
それでも落ちない場合はワイヤーブラシや鋭利な刃先を使って、
完全に塗装を落としていく。
ただ中には塗装の下にプラサフを入れてあるエンジンもあって、
この場合完全に落とすのは難しいから、
ブラストする事になるんだけど、
腰下は磨いた肌にしたいから頑張って何とか落とす。

ヘッドとシリンダーは塗装が残りやすいから、
俺の場合はある程度剥離したらブラストをかけてしまう。
とくにシリンダーは剥離してもアルミが腐食してるのも多く、
剥離で一定のクオリティは維持出来ないから、
それならブラスト処理しちゃえ、って感じかな。
それにブラストした方がどうしても綺麗に仕上がるからね。

ブラストし終わったら、砂をエアブローしてすぐにCRCやペネトンみたいな潤滑油をかける。
これには訳があって、ブラストしたては表面に油分が無い状態で、
そこに汚いオイルが付いた手でベタベタ触ると、
1番初めに吸い込んだオイルの状態のまま手垢みたいになってしまい、
またブラストし直さないといけないから、
1番最初に吸い込んだオイルが無色透明なら、
その後に付いたオイルは綺麗に洗浄できるから。
だからブラストしたての部品を真っ黒なオイルに漬けると表面は黒っぽくなるから、
透明なオイルでなくても好きな方で処理すれば良いと思う。

クランクケースとクラッチカバーとジェネレーターカバーは、
400番程のペーパーで磨いた後、回転するワイヤーブラシで磨いてヘアライン仕上げにする。
ヘアラインとは言っても写真のように黒光りするようになるから、
塗装してあるよりはビカビカ光って存在感があるエンジンになる。
ちなみにロンシンのエンジンの場合砂型だから写真のように磨けるし輝くけど、
WIN120や127cc、LIFAN120などのプライマリキックのケースは金型だから磨いても意味はないと言うか、
硬くて磨ききれないし、表面は綺麗だから磨かなくても良い。
でもクラッチカバーは砂型だから磨けば光るけどね。

剥離が終わり磨き終わった部品を簡単に組み合わせてみるとこんな感じになる。
当然全てをブラストする事も出来るんだけど、
これは俺の独断と偏見で腰上はブラスト仕上げで、
腰下は磨いて光らせたいだけ。
それに国産の部品使って組むとこんな感じになるから、
塗装がかかってないのも相まって中華エンジンに見えにくいって効果もある。
これをシャリィやカブに積んだら腰下しか見えないから、
CD90のエンジンを積んだと勘違いされて一目置かれるかもね(笑)
で、実は剥離からここまでかなり時間かかってて、
言ってみれば国産のエンジンならやらなくても良い作業ばかりなんだよね。
でもここまで終われば俺としては楽しみしか残ってないから、
多分早く終わると思う(笑)
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