団塊世代おじさんの日常生活

夏 日本で二番目に気温が高く、陶器と虎渓山と修道院で知られる多治見市の出身です。

447ページもあります。  いつまでに完読出来るのか、ちょっぴり不安です。

2023-06-29 00:32:27 | 日記


<書評>『賢人と奴隷とバカ』酒井隆史 著
2023年6月25日 




 
 ◆混沌にこそ宿る創造力
[評]栗原康(アナキズム研究)

 ついにでた。待望の酒井隆史評論集だ。

 この十年あまりの時事評論がもりだくさん。

 キレッキレの分析力でこの世界をぶったぎる。
 たとえば、数年前に流行(はや)った「反知性主義」。

 一見すると、レイシストなんかを叩(たた)いていて反権力なのだが、じつは違う。他人を反知性的と見下して、自分は賢人ぶってマウントをとる。

 その根底にあるのは、あくまで支配だ。

 大衆はバカであり、なにをしでかすかわからない。放っておくと、社会は混沌(こんとん)に陥ってしまう。たえず万人が殺しあう。だから、みんなが安全に生きるために、優れた支配者に導いてもらおう。

 こういっているに等しいのだ。生きのびたければ、主人に従え、奴隷ども。

 しかも安全に生きることが、経済を意味するのがポイントだと酒井はいう。

 3・11直後をおもいだしてみよう。

 福島第一原発が爆発したとき、政府はただちに健康被害はないと繰り返した。

 ウソっぱち。

 だけどそれを批判して、いまは危険だから仕事なんて捨てて、東北・関東から避難しようと呼びかけると、きまって言われる「放射脳」。

 中立ぶった賢人たちからバカだとそしられるのだ。

 なぜか。放射能で騒ぐと経済がまわらなくなるからだ。

 生きることはカネを稼ぐこと。他に選択肢はない。

 それが客観的な現実であり、「中立」なのだ。

 だから経済に抵触すると過剰な反応だとみなされる。

 むしろこう言われるのだ。会社のために死んでもはたらけ。

 奴隷かよ。人命よりも経済がだいじ。

 こんな世界はもうたくさん。

 だいたい、本当に主人に支配されなければ生きていけないのか。

 ぼくらはコロナ禍にブラックライブズマターをみた。

 レイシストを叩きのめし、行政も経済もとめる。

 そしたら自律空間を立ちあげて、自分たちで食料も医療もなんとかしてしまう。

 大衆知性は現実なのだ。

 酒井はいう。混沌の社会にしか創造力は宿らない。

 もう一つの世界は可能だ。

 経済を超える想像力を生きろ。

 俺はもっとバカになる修行を積まなければならぬ。

(亜紀書房・2970円)

 1965年生まれ。大阪公立大教員。『ブルシット・ジョブの謎』など。

 以上です。

 この中日新聞の本の紹介を見て購入しました。

 447ページもあります。

 いつまでに完読出来るのか、ちょっぴり不安です。

 この前 遊びに来た大学生の孫が、「マスコミも嘘だらけ」、「ネットも多種多様な意見であてにならない」。

 どうしたらいいかと少し悩んでいました。

 この本を見て、私が納得出来たら、孫にあげようと思います。








ほおずき/さだまさし
コメント (2)
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