パ・リーグの優勝争い、CS進出争いも9月に入りますます激化。福岡ではソフトバンクと西武の直接対戦で西武が一気に優勝を決めるかという一方で、札幌では3位入りをかけて日本ハムとオリックス・バファローズが4連戦を消化、ロッテも鬼門・仙台での順位キープを目指す戦い。ただそれがより19日の結果にて余計に混戦となった。
さて、そんな一方で私はといえば・・・19日の夕方に長野のオリンピックスタジアムに現れる。
こちらも後期日程が終盤となったBCリーグ。前期に2試合観戦したが後期はまだということもあるし、日程・場所的に手ごろに思えたこの日の信濃グランセローズ対新潟アルビレックスBCとの対戦にかけつける。上信越地区で2位新潟、3位信濃とい順位であるが、前後期とも群馬ダイヤモンドペガサスの地区優勝が近い中、年間成績による地区のプレーオフへの進出権をかけての対戦が続く。
さてこの日は15時40分頃にオリンピックスタジアムに到着。ネット裏のチケットを買い求める。この日はネット裏エリア指定のチケットを購入した人にはおまけで生ビール1杯の引換券がついてくるという企画をやっていたのだが、さすがにクルマでの来場、涙をのんで(?)それは辞退する・・・。
その一方で、「オリスタでキャッチボール、芝生でのゴロ寝に参加してみませんか?」というアナウンスを聴く。よくこの手の企画だと「小学生とその保護者限定」というものだが、訊いてみると私のような「おひとりさま」観戦客でも誰でもOKだそうな。グラウンドの中に入るという経験はそうあるものではなく、引率のスタッフについて一塁側関係者入り口へ。
この球場は人口芝を使っているが、最近主流の軟らかいタイプの人工芝を使っており、ふみ心地は非常によい。キャッチボールする子どもたちを気遣いながらフィールドを歩いてみる。いややはり、気持ちええもんですよ。特に開放的な屋外球場だし。さすがにゴロ寝はしませんでしたが・・・。
時間的に両チームのメンバーが発表される頃。すると信濃のメンバー発表の時にグラウンドに現れたのは学ラン姿のバンカラ応援団。最初スタンドで見た時は地元のどこかの学校の応援団が来ていたのかと思ったが、彼らは「我武者羅応援團」という、何だろう、芸人ではないな、応援パフォーマンス集団というのか、そのメンバー6人が文字通り「応援」にかけつけたのだ。
私たちがフィールドにいる間に彼らの試合前のパフォーマンスが披露され、結構近いところで、昔ながらの応援団の姿を楽しませてもらった。いや~面白い。
またこの試合は坂城町の後援ということで、地元名産のねずみ大根などをPRすることも。我武者羅応援団の諸君も東京農大よろしくねずみ大根の張子を持っての応援を披露する。いいなあ、こういう硬派の応援団(だからパフォーマンス集団として興行が成り立つのだろうが)。
さて試合。信濃ナインが守備につく際には我武者羅応援團の諸君とハイタッチ。がぜん気合が入る。
信濃先発がここまでチームの勝ち頭・杉山、新潟が間曽(まそ)。
試合は早くも初回から動く。1回裏信濃の攻撃、先頭の今村の四球、2番・脇田の2塁打などで一死満塁のチャンス。ここで5番に入っている信濃のプレーイングコーチで元オリックス・楽天の竜太郎がタイムリーを放ち1点先制。しかし後が続かず惜しい展開。
ただ、この日は信濃のファンの他に強力な我武者羅応援團がついていた。配布されたパンフレットによれば、我武者羅応援團は信濃の試合イベントでやってきたが、その日の諏訪での試合、降水確率80%の予報を跳ね返して試合決行、そして信濃はサヨナラ勝ち、おまけにチーム6連勝のきっかけになったという、信濃にとって恐ろしいジンクスの持ち主という。
3回裏、先頭の脇田が途中自打球を足に当てながらも耐えてヒットで出塁。その後一死1・3塁として再び竜太郎。おっつけたような打撃だが打球はグングン伸びて右中間スタンドへ。これで4対0と突き放す。その後も9番・田中の二塁打で追加点を奪い、この回打者10人を送り込む猛攻で5対0とする。
直後の4回表に新潟も清野の犠牲フライで1点を返すが、信濃の攻撃はこれにとどまらない。続く4回裏も一死満塁のチャンスをつくり、7番・市川、8番・友哉の連続二塁打、田中の犠牲フライで一挙5点追加。10対1となった。
う~ん、これも応援団のなせる技かな。2イニング連続しての打者一巡の猛攻って、そう見られるものではないぞ。
また我武者羅応援團はイニング合間のパフォーマンスで「一塁ベース」や「審判団」「グラウンド整備の裏方さん」などにもきちんとエールを送り、こりゃもう気合入らないほうがおかしいってなもんである。
一方の新潟、このままやられっぱなしというのも面白くない。6回、チームの4番でプレーイングコーチでもある元広島の青木が一振り。打球はバックスクリーン横に飛び込む3ランとなり、10対4と盛り返す。三塁側に数少ないながらかけつけた新潟ファンが沸いた瞬間。
ただこの辺りで両チームの攻撃もおとなしくなったようである。信濃は7回まで投げた杉山の後を受け、8回からは抑えの飯田にスイッチ。新潟も終盤粘りを見せるものの得点には至らず、結局10対4で信濃の勝利となった。
ヒーローインタビューには3ランを含む4安打の竜太郎をはじめ、勝利投手の杉山、2打点の市川、友哉、そして佐野監督が呼ばれる。この日の結果を受けて信濃にも上記の変則的な形ではあるが地区優勝チャンピオンシップへの出場の可能性が出たようで、各選手からも「絶対にあきらめない」との力強い言葉があった。
逆に後期優勝を狙う新潟としては前日に続いての痛い連敗。果たしてこれからどうなるのだろうか。巻き返しにも期待したいところである・・・。