まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

木曽の赤沢森林鉄道

2010年09月24日 | 旅行記C・関東甲信越

先の連休の「無茶ぶり」についてしばらくおつきあいのほどを。

19日は夜に長野オリンピックスタジアムでのBCリーグ観戦に出向いたが、それまでの間、あちこち途中に立ち寄りをしながら出かけようという計画であった。連休中は高速道路の渋滞も予想されており、またいくつか訪れればいいなとザックリとイメージしていたのだが、そのためにはやはり早朝の4時には尼崎を出たいなと。

・・・しかしながら起床したのは、朝の5時。完全に寝坊した。いや世間一般から見れば(特に日曜日の朝ということを見れば)十分早いと思うが、普段仕事の日でも5時半には起きているから、ちょっといただけない。仕度朝食の後出発したのは朝の6時。

一時の猛暑から比べれば涼しく感じる中、名神高速を東へ。小牧から中央自動車道に入る。土岐あたりで混雑する。何でまたこんなところで、と思う。

9時すぎに中津川インターで下車。ここから、国道19号線、かつての中仙道に沿って走る。左手に木曽川の流れを見る。少し脇道に入れば妻籠、馬籠という有名な宿場町があるが今回は脇目もふらずにひたすら走ることに。

Dscn2917上松から枝道に入る。これから向かうのは木曽の国有林の中にある赤沢自然休養林である。ただ道が細くなるにつれ、クルマの隊列が長くなる。その先頭には関西ナンバーの観光バス。いいのか、こういう細いところに乗り入れちゃって。途中少し道が広くなったところで観光バスは左に寄り後続車を通す。

Dscn2919 そしてやってきた赤沢自然休養林。ここは一般の観光名所としても今や有名となった森林鉄道が動態保存されている。運行を開始したのが1987年のことで、鉄道や旅の雑誌やネットでも数多く取り上げられているが、私は訪れるのは初めて。

Dscn2924 木曽の山中というところからして、元々は木材運搬を中心とした林業のための鉄道である。人員の輸送はあくまで林業に携わる人たちのためであったが、現在はその歴史を伝えることと、木曽での森林浴を楽しむ観光客のために運転されている。

Dscn2925Dscn2923 森林鉄道記念館では大正時代に導入されたSLボールドウィン号や今上天皇が皇太子時代に視察のために乗車されたという客車などが保存されている。こうして見ると実に軽便鉄道やなあ。鉄道模型のミニレイアウトで小型のSLや客車、貨車で軽便鉄道の風情を再現するのを見るが、まさにそのまま目の前にあるという感じ。

Dscn2930 次の出発は11時。先ほど追い越した観光バスからの客もやってくる。定員100人とあるが結構盛況である。係の人の説明では、往復乗車するか、帰りは歩くか(帰りのみの乗車はできない)のいずれかを選ぶことになるという。歩くといっても1キロほどで、おまけにバリアフリー対応をしているために遊歩道は勾配もほとんどなく楽に歩けるそうだ。

Dscn2935 さてディーゼル機関車に引っ張られた客車がやってくる。機関車と向かい合う最前列に陣取り、森林鉄道の出発である。

Dscn2941Dscn2942 時速10キロくらいだろうか、別に速く走る必要もなく森林の中をゆっくりと走る。

Dscn2946連休中ということで結構多くの人が森林浴と散策を楽しんでいる。川べりにこしかけて弁当を食べている人も。うーん、こういうことなら昼食がてらコンビニでおにぎりでも買ってくればよかったなあ。

Dscn2952 10分ほどで終点の丸山渡に到着。ただその10分というのは結構濃い時間のように思えた。現在はこうして自然と触れ合うスポットとして多くの人が訪れるようになったが、森林鉄道を単なるアトラクションとして見るのではなく、林業の歴史、産業の歴史の一つの生きた教材として、昔の過酷な林業の労働に思いを馳せることも必要だろう。

Dscn2956 さて復路はせっかくなので歩いて戻ることにする。乗ってきた客の多くは同じように歩いて折り返すようで、観光バスの団体さんもぞろぞろと歩き出す。

Dscn2958Dscn2962 歩く中、あれくらいゆっくりならば途中のどこかで走行シーンを撮影できると思い、適当な場所を探す。そして汽笛を鳴らしてやってきた森林鉄道。なかなかお目にかかれないシーンである。

Dscn2966 そしてまた歩くうち、今度は再び折り返し便としてやってきた列車に出会う。こちらも盛況である。こういう鉄道は乗るのももちろん楽しいが、外からその姿を見るのもよい。往復の少しの時間でその両方を味わえるのは面白い。果たして森林鉄道は盛況で、案内放送によれば一部の便は団体客で満杯、一般客は後続の便への乗車になるとのことだった。

Dscn2970 しばらくせせらぎとも触れ合ってみる。この時は日が差すとまだ暑いなと思わせる天気だったので、こうやって涼を取るのもよいものだ。昼食でもと思って売店をのぞくがやはりこういうところの値段は高く、食事は後に持ち越し。うーん、やはり途中で弁当でも買ってくればよかったかな。

これで今回の「BCリーグ観戦旅行」のオプションの一つを楽しむことができた。ただ時間的には正午を回っており、この後は長野まで延々と向かうことになりそうである。木曽福島や奈良井といった宿場町に立ち寄ろうということで早起きをしたかったのだが、どうも時間的にそういうわけにはいかなくなったようだ。やはり2時間の寝坊は痛い。やれやれ・・・。(続く)

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