5月3日の大正ドームのオリックス対ロッテ戦。この日は会社の先輩であり、熱心なロッテファンであるⅠ氏ご一家とともに観戦である。Ⅰ氏、奥さん、そしてお子さん2人(お姉ちゃんと弟さん、いずれも小学生)ともロッテファンという一家で、わざわざ早朝に四国高松をフェリーで出航しての来阪である。
昨年のGWもそうだったのだが、今回も私がホスト役ということで外野自由席の前売りチケットを準備し、当日の席取りに並ぶ・・・レフトスタンドに。ロッテ側に座るということでいつものバファローズのユニフォームは封印して、とりあえず上から下まで黒でコーディネートする。タオルは・・・かつて千葉で観戦した折に購入した、同じ「M」でも「毎日オリオンズ」のユニフォームをデザインしたものを持参。Ⅰ氏と2人だけであれば内野席でのんびり観戦であるが「チビたちに、外野の熱心な応援を体験させたくて」ということである。
混雑が予想されるということで早めには行ったのだが、すでにレフト入場口のデッキは順番待ちの人と荷物でほぼいっぱいの状態。私のすぐ後に来た人は下段に続く階段から下に並ばされていた。開門と同時にレフトスタンドはみるみるうちに埋まる。
何とか下段席の最もバックスクリーン寄り、隣が中継用カメラというブロックに陣取る。バックスクリーン下を挟んで左側はオリックスファンであるが、前、右、後、上はいずれもロッテの黒いユニフォームをまとったファンたちで、「ホームなのにアウェーの中」での観戦となる。まあ、年に一度くらいは「おもてなし」でこういうのもありかなと思う。これが西宮の黄色い集団の中に放り込まれたら精神に異常をきたすかもしれないが、ロッテファンの中であれば「あの独特の応援を体験できるのか」と、そんなに悪い気はしない。ただ、応援歌に合わせてのコールは行わなかったが・・・。
この日はキッズデーということで子ども向けイベントがさまざまである。試合前には谷花音ちゃんというのが登場してダンスが行われる。Ⅰ氏の奥さんやお子さんに訊くと「ポンキッキーズとか、CMとか出てますよ」とのこと。で、曲の歌詞に「猫ニャンニャンニャン犬ワンワンワン、カエルもアヒルもガーガーガー」と、かつての「あのねのね」のやつがあったのだが、うーん・・・。
さて試合、オリックスの先発は左腕の海田。ところが相変わらずというか、制球が定まらずにボールが先行する。根元の四球、角中のヒットなどで一死一・三塁となり、4番井口にライトへの犠牲フライを打たれる。
3タテ目指して幸先よい先制に、初回からロッテファンのボルテージは上がる。この調子で9回まで行くのだから、こりゃ結構体力がいるな。
ただオリックスも負けていない。ロッテ先発の唐川も立ち上がり制球が定まらず、坂口の四球、糸井の死球でチャンスをつくり、李大浩のタイムリーで早速同点に追いつく。この日も乱打戦になるかどうか。
ただこの後は両投手とも少しずつ立ち直り、ランナーを出すものの粘りの投球を見せる。Ⅰ氏とともに両チームの選手の情報交換を行いながら見る一方で、子どもたちはと言えば、何だか隣に座った同じ年くらいの子どもと意気投合したようで、ゲーム機で一緒に遊んだりしている。まあ、野球を見に来たといってもテレビで見るより選手も小さく見えるし、ひょっとしたら立ち上がって応援する周りの大人たちに囲まれてグラウンドの様子もなかなかわかりにくかったかな。でもスタンドの雰囲気を楽しんでいる様子である。
イニング間の「さかくぢ」による私の運勢はこちら。・・・この日は酒とともに人に酔いそうです・・・・。
試合が動いたのは6回。井口に左中間への一発が出る。勝ち越しということでお祭り状態のレフトスタンド。Ⅰ氏ご夫妻も周りの人たちとハイタッチを交わす。その中で一人苦虫をかみつぶす私。
ところが今度はその裏。盗塁時に負傷した糸井に代わって出場の川端がヒットで足場をつくり、バルディリス。これが打った瞬間にわかるレフト上段への一発。逆転の一打にこの時は思わず「ヨッシャっ!」と一人叫ぶ。
そして「ウイラブマリーンズ」の大合唱の後の運命の7回表。清田の二塁打などで二死一・二塁となり、左の根元を迎えたところで海田が交代。「この場面で交代って、誰が投げるん?」とⅠ氏に尋ねられ、「8回だったら岸田でしょうが、ここで頼れるあと一枚が足りないんですよね。左・・・まさか松本とか」と話すうち、コールされたのはその松本。これにはレフトスタンドから拍手が起こる。といっても、昨年までロッテにいた投手だからということではなく、「これで儲けた」という歓迎の意味のようだ。逆にライトスタンドからは「何で松本やねん。また試合壊すんとちゃうか」という不安ムード。
そして、本当にその通りになってしまう。根元にはヒットで満塁となり、角中にセンター前に2点タイムリーを許す。これで4対3、ロッテ再逆転である。続いて登場の比嘉は押し出し・・・。本当、この2人は何をしに出てきたのか。やはりあの場面、左腕エースへの試練として海田で何とか乗り切るか、まだ信頼できる岸田でしのぐかというところではなかったか・・・と結果論で言ってみる。オリックスファン諸兄もこの継投ミスはかなり問題視しているようで。
これで流れは完全にロッテ。7、8、9回とオリックスもヒットで出塁して粘りを見せるが併殺でチャンスをつぶす。特に8回、ランナー一塁でバルディリスのところ、ここで唐川からスイッチした松永が1球で併殺に抑えたのを見せられると、中継ぎ、継投の差かなとため息が出る。
9回はロッテ抑えの益田。チャンスをつくるものの最後は坂口がセカンドライナーに倒れ、ゲームセット。ロッテに3タテを許し、何だかこのまま「大型連休」で最下位街道をズルズルと行きそうな展開。
試合終了後は子どもイベントのフィールドランニングに参加。子どもたちのために整理券をあらかじめもらっており、付添ということで私もグラウンドに降りる。なかなか多忙なⅠ氏であるが、GWの家族の楽しみということで楽しんでいただいたようで何よりである。
「一回、子どもに白いユニ着させて観戦したいのね」。試合後、先に奥さんとお子さんをホテルに入らせて2人でミナミで飲んだ時にⅠ氏が言っていた。「今まで大阪とか広島とか、ビジターでしか連れて行ったことがなくて、黒いのしか着てないから」と。親子揃っての観戦、いいじゃないですか。さて私、この先そんな言葉を発する時が来るだろうか。いやその前に、相手を見つけなければね・・・・。