まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

観戦記@広島対オリックスは最後まで熱戦

2013年05月19日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

Dscn084618日の交流戦、広島東洋カープ対オリックス・バファローズ。この対戦を関西または広島のいずれかで観戦するのが楽しみである。今年はマツダスタジアムに駆けつける。

まだまだ再開発が進む広島駅周辺地区。以前に来た時には気付かなかったのだが、広島駅の新幹線口の前にあった市営若草アパートも跡形もなく新しい施設ビルに立ち替わったり、球場のほうもまだごちゃごちゃとやっているようである。また一方で駅南口側の愛友市場などの雰囲気は変わらない。カープのユニフォームやグッズに身を固めた大勢のファン(中にはバファローズ姿の少数派もいる)に弁当やら飲み物やらの売り声というのは、昔ながらの野球観戦の風情があって面白い。大阪の大正やドーム前駅、神戸の総合運動公園駅にはこのような楽しさはない。

球場に足を踏み入れる。この開放的な雰囲気、独特のシート(今年もまた新たな席種がでたそうな)の造りというのはいいものである。

Dscn0809三塁側の指定席に入る。フェンスが低い(レフト寄りになるとフェンスもない)ために選手たちも間近で見ることができる。前日は呉で大敗を喫したバファローズナインであるが、その前の連勝もあってか、選手たちの雰囲気も悪くないように見えた。

Dscn0820森脇監督もグラウンドをいろいろと動き、選手に話しかけながらトンボで土をならしてみたり。現役当時はカープでもプレーした森脇監督、「監督」として広島の地を踏むことになったが、「あの森脇監督いうんは、津田と仲が良かったのよう」というカープファンらしい観客の会話もあった。カープの「炎のストッパー」故・津田恒実投手との友情のエピソードは、野球ファンの中でも知られた話である。

Dscn0851Dscn0902この日は乳がんの早期発見、早期治療につなげるための検診受診の啓蒙活動である「ピンクリボン」運動のPRデーで、カープのマスコットであるスライリーもピンク色で登場したり、始球式には自ら乳がんを克服し、現在は啓蒙活動に取り組んでいる女性が出た。また5回裏終了時にはダンスも披露された。男性の私には実感としてわからないところもあるが、最近は女性の来場も増えている野球場で、球団ともタイアップしてPRしていくのはいい試みだと思う。

Dscn0822場内にはカープのいろんな選手のプロデュース弁当が売られていたが、私が選んだのは「バリントンドッグ」。白パンにウインナー、トマト、ピクルスなどを挟み込み、ケチャップは使わずマスタードのみで味付けするものだが、この日の先発ということもあり「バリントンを食ってまえ」という思いも込めて。

Dscn0852先発がカープがそのバリントン、バファローズは金子という、今年の開幕マウンドを務めた両投手。まさに「頂上決戦」と言えるか。カープの今年のキャッチフレーズが「剣砥挑来(ケンドチョウライ)」ということで、ビジョンでもいろんな劇画が出て何とも勇ましい。

Dscn0859Dscn0861そのバリントンに対して初回のバファローズ、2番に入った坂口が「出会い頭」にライトへの一撃。先制パンチとなる3号ソロを放つ。防御率もよく、毎回試合をきちんと作るバリントンであるが、味方の攻撃力が弱くなっている中で先制点を取られると痛いところである。

Dscn0866一方の金子、初回の菊池、中東、小窪、そして2回の廣瀬と4者連続で三振に打ち取る上々の立ち上がり。前夜の大敗を受けて、エースとしての気持ちが感じられる。もっとも、「カープもあんなへっぴり腰じゃけ、打てんわ」という周りのファンからのボヤキも聞こえてくる。前夜は大量点を取ったとはいえ、金子がいいのか、カープの打撃陣が弱いのか・・・。

Dscn0880廣瀬の後のルイスは力のあるスイング。バットを折りながらもライト前に運ぶ。・・・とまあ、そこまではいいのだが、問題はそのバット。低いフェンスを軽く越えて一塁側の観客席に。幸い飛んだところの席は空いていたようでケガ人もなかったようだが、こういうのもこの球場ならではだろう。この回の終わりにはビジョンで「バットの行方にご注意ください」という画面が流れたが、すぐに出るところを見ると、この球場では結構あることなのかもしれない。

Dscn0896その後は両投手の投げ合いが続く。だいたい私が球場に来ると打撃戦になることが多いが、やはり両投手とも調子がいいのだろう。試合のペースも早く進む。ただ1対0というのは、どうとでも転ぶ展開。バファローズ打線にも追加点を期待するがバリントンが立ちはだかる。

Dscn09086回はバルディリスに死球。一度ベンチに下がる。この試合では1番に入った平野恵が初回の打席で凡退した後で謎の交代(記事によればふくらはぎ痛とかで、そのまま登録抹消)をしただけに、攻撃の要であるバルディリスが抜けると痛いなと一瞬ヒヤッとしたが、大事には至らなかったようだ。ただせっかくの追加点のチャンスも李大浩の併殺もあり後が続かない。

Dscn0912一方のカープも6回に堂林の四球、石原のバントでチャンスをつくり、好投のバリントンの代打に丸が登場。しかしこのチャンスも金子の力ある投球の前に得点に至らない。1対0のまま、またしてもバリントンは好投しながら勝ちに結びつかなかったことに。

Dscn0929試合が動いたのは8回。2回の守備から平野に代わって出場の川端が、カープ2人目の今井からレフトに今季初アーチをかける。これで流れがぐっと来たか。さらに坂口、李大浩のヒットでチャンスをつくり、さらに得点を挙げようかというところ。

Dscn0934一方で打たれるたびにため息なのはスタンドの多くを占めるカープファン。投手やベンチに対するヤジが飛ぶ。中でも観戦歴何十年とおぼしきご年配のファンの声がよく通り、笑いすら起こる。ここは3人目の河内が糸井を打ち取って、2対0で食い止める。

Dscn0932序盤は金子の前に手も足もでなかったカープ打線だが、中盤以降少しずつチャンスも見えてきた。8回も先頭のルイスが2本目のヒットで出塁し、内野ゴロ2つで三塁まで進む。ここで球場が沸いたのは、昨年6月に故障して以来の登場となるニックが代打で出る。ライトへの大きな当たり。ただボールは糸井のグラブの中へ。これも展開次第では犠牲フライになっていたところ。というのが、2つ目の堂林のゴロは、ショートの深いところを山本がよく抑え、あわや内野安打かというのも一塁アウトにしたもの。一死一・三塁でニックになっていたかもしれず、隠れたプレーだったと思う。結局2対0のまま最終回へ。

Dscn0935当然金子には完封を期待するところだが、一死のあと菊池、中東に連続で四球を与える。終盤になってボルテージの上がってきたスタンド。一発が出れば逆転サヨナラである。バファローズベンチはここで金子をあきらめ、平野佳を投入。

Dscn0943ただ続く代打・岩本がライト前へ。菊池が俊足を飛ばしてホームに返ってくる。これで2対1、かつ一死一・二塁と今度は一打同点のチャンス。打席は連続出塁記録の廣瀬、そして2安打のルイスと続く。カープファンにとっては最後の最後で願ってもないチャンスに声援が一段と大きくなり、バファローズファンはじっと固まって、とにかく平野に全てを託して見守るしかないという静けさ。

Dscn0952先の、いいヤジを飛ばしていたお父さんも最後は最前列に出て、なぜかゲタを両手に持って叩いてまさにお祈りモード。うーん、しゃもじを叩くのならわかるが、ゲタというのは・・・。

Dscn0953Dscn0955ボールが先行した平野だったが、そこは守護神。廣瀬を見逃し三振、最後はフォークでルイスを空振り三振に打ち取り、これでゲームセット。最後のガッツポーズに気迫がこもっていた。

Dscn0964ヒーローインタビューは好投の金子かと思ったが、2点目となる本塁打を放った川端が選ばれた。ただこの球場ではその様子をビジョンで流すことはせず、近いところにいてもアナウンサーが何を訊き、川端がどう答えたかはわからない。が、平野恵の故障が川端の本塁打を呼び込んだのであれば、何ともそういう勝ちがあるのかと思う。

Dscn0924Dscn0919これまでのこのカード観戦の結果は、1戦ごとにカープ、バファローズが交互に勝つというもので、その法則でいくと、昨年バファローズが勝っているだけに、この日はカープが勝つ・・・はずだった。まあこれでジンクスは打ち破られたわけだが、最後までわからない接戦ということで面白かった。

Dscn0965この日は駅近くに新たにできたホテルに投宿・・・。

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