「サイコロしりとり」は、関西の駅の五十音順で最初に来る相川に到着。ちなみに日本の駅で五十音順で最初に来るのは相生(山陽線)と相老(東武、わたらせ渓谷鉄道)となる。
相川、近くには安威川(あいがわ)という川が流れている。また駅の少し西のほうで神崎川と合流するのだが、なぜかここからは細い方の神崎川を名乗る。相川という地名、駅名は、安威川という川の名前と、2つの川が合流するところから来ているのかな、と勝手に想像する。
この駅の東側の改札から外に出ると、放射線状に道が伸びている。信号がないのでクルマが曲がるのが大変そうに思うが、信号をつけるとかえって渋滞してしまうのだろう。
駅前は学びのエリアになっており、大阪高校、そしてその奥には大阪成蹊大学、短期大学、女子高校が並ぶ。成蹊といえば今の安部総理大臣が成蹊大学出身とのことだが、あちら東京の成蹊大学と大阪成蹊大学は別に姉妹校ということでもないようだ。「成蹊」という言葉は中国の「史記」にある「桃李不言、下自成蹊」という一節から出たもので、「徳のある人のところには、だまっていても人が集まる」ということの例えである。こちら大阪成蹊は「徳があり、人に慕われ、信頼される人を育てること」というのが建学の精神という。
学生もそこそこ歩いているし、学生向けのアパートや飲食店もあるところ。私の名前にも多少通じるところがある大学であり、この中から数多くの「徳のある人」が出ますように。
さてこの正門前での次なるサイコロであるが、「あいかわ」の終わりは「わ」。ということは、ゴールの渡辺橋に向けてのチャンスである(逆に、サイコロ一振りでこの企画が終了してしまう可能性があったから、出発をこの相川にしなかったのだが・・・)。というころでラインアップ。
1.若江岩田(近鉄奈良線)・・・東大阪ね。
2.和歌山港(南海本線)・・・ここまで来ると徳島に渡りたくなる。
3.和歌山市(南海本線)・・・和歌山の中心駅。
4.和歌山大学前(南海本線)・・・大学つながりというのもありか。
5.渡辺橋(京阪中之島線)・・・いよいよゴールなるか??
6.振り直し
・・・5が出ればゴールで企画終了ということになるが、その前に3つ、和歌山の駅が並ぶ。そういう土地だからそうなるのだが、うまくそれをかいくぐれるか。
そして出た目は・・・・3、和歌山市である。うーん、企画終了ならず。それでも「わ」で始まる駅に行っておけばその後の選択肢が少しずつ狭まって、いずれは終了するからいいか(その前に何度も和歌山まで行ったり来たりするのはどうかと思うが)。
相川から和歌山市、ということは先ほど通って来た阪急~地下鉄堺筋線~天下茶屋から南海本線という、同じルートをたどることになる。天下茶屋からは急行が先着するということで乗り込み、眠気防止のために先頭部に陣取る。大阪の下町から紀州街道沿いのそれぞれの街並みを見る。海も右手に広がるようになった。
孝子峠を越えて、紀ノ川が見えるようになると和歌山市である。大阪から隣の県であるが、はるばるやって来たという感じがする。峠を越えるということや、この和歌山市を北の玄関口としてその向こうに延々と広がる山と海・・・というのがそう思わせるのかもしれない。同じくらいか、それより遠い姫路や滋賀県に行くのでも「ちょっとしたお出かけ」の感覚だが、和歌山に行くとなると「南への旅」の要素が強くなるように思う(あくまで個人的な印象)。
さて和歌山市となれば和歌山城にぶらくり町に和歌山ラーメン・・・いろいろ出てくる。何やかんやで時刻は16時半を回っており、ここから北上するとしてもおそらく次回に繰り越しとなるだろう。ならばいっそのことこちらで南紀の魚とともに一杯・・・と行きたいところだが、この日は夜に所用で大阪市内に戻っていなければならないためそれは無理。30分ごとに出る特急「サザン」に乗ることを前提としても、和歌山市での滞在時間は長くない。
ならばせめて、ということで、和歌山市駅から1キロほどの和歌山城の下まで歩く。時間的に天守閣に上がるのは無理なので、市役所の前から天守閣を仰ぎ見る。またの機会に、今度は夜の部込みで来てみたいものである。
ということで、次回の最初の駅を決めるための選択肢である。いずれにしても自宅からそこに向かうわけだが、「し」で始まるラインアップ。
1.山陽塩屋(山陽電車)・・・須磨の海を見に行くか。
2.飾磨(山陽電車)・・・和歌山から姫路に飛ぶのもなかなかの長距離。
3.信貴山口(近鉄信貴線)・・・山の反対側の信貴山下は出たことがある。
4.七条(京阪本線)・・・京都の中心部、なかなか行く機会がない。
5.七道(南海本線)・・・おっと、帰り道か。もしここが出れば帰りに降りる。
6.四宮(京阪京津線)・・・京津線の車庫のある駅。
思わぬ七道という選択肢が出た。もしここなら特急「サザン」は堺で下車して行くことにする。そうなると次回のスタート駅がまた変わることになる。
ということで出した目は・・・・6の四宮。京都は山科である。
さて乗車するのは17時30分発の特急「サザン48号」。一日のうちに、「ラピート」と「サザン」という、南海のエース2枚に乗ることになった。ある意味「乗り鉄」三昧である。おまけにこの「サザン」は新型の「サザンプレミアム」である。
先ほどの「ラピート」が関西空港を利用する旅行者を意識した造りに対して、こちら「サザン」はビジネス色が強い。パソコンの使用や携帯端末の充電使用にも対応した座席ごとのコンセント、耐久性のあるテーブル。また座席の背丈も高く、前の人の頭部も隠れる設計だし、プラズマクラスターも天井部に設置されている。一歩前の設計で、これだけを見ると「南海電車はガタゴト電車、近鉄電車は2階建て」というかつての藤井寺球場のヤジも逆転してしまう。
外はすっかり暗くなり、後はシートの心地よさに任せてなんばまで戻る。
さて、もう少しのところでゴールを逃した今回のお出かけ、この先本当に「駅のお百度」ということになるか、まだまだ続くことになる。次は京都山科から・・・・。