さて、外宮参拝を終えてバスで内宮に移動する。まだ午前の10時過ぎということでそれほどまでの渋滞もなく、スムーズに内宮前に運ばれる。
ただ、五十鈴川に架けられた宇治橋まで来ると結構な賑わいである。これから参拝する人、そして参拝を終えた人でごった返す。中央に仕切りがありお互いちゃんと右側通行が保たれているのは見事だが、初詣の時期となるとどうなるだろうか。今度の正月は遷宮の儀を終えて初めての初詣を迎えるが、ひょっとして正殿から宇治橋まで渋滞が続く、あるいは宇治橋も一時閉鎖・・・などということにはならないだろうか。
宇治橋を渡った境内の雰囲気というのも、外宮とは違った荘厳さを感じる。やはり日本の神道で最も権威のある神社というのは別格であると思う。
さて、ここでこの日の第一の目的であるご祈祷である。お札やお守りを入手する建物の一角にその受付があり、神楽と御饌(みけ)のいずれかを選ぶことになる。今回は一般的な祈祷ということで後者を選択。安全祈願を選択し、儀式までしばらく待機する。
そして呼ばれて御饌殿に昇殿する。これまでの伊勢神宮参拝はそのまま正殿に行っただけで、こういう形で別の建物に入るのは初めてである。さまざまな願いを持って参拝に来た人たちもおり、およそ20人ほどが昇殿する。
ここで神職により祝詞が詠みあげられ、続いてお祓い、そして二礼二拍手一拝という手順。
その間、およそ15分。外の参道の砂利を踏みしめる参拝客たちの足音は聞こえてくるが、そんな中の微妙な静けさが、遠くまで参拝に来たのだなと感じさせる。会社での神社祈願といえば、年始と年度初めに商売繁盛の伏見稲荷にて祝詞奏上を行うのだが、その時は祈祷のスペースに入っても、常に後ろからの賽銭投げ入れの音や歓声が大きく、なかなか落ち着けないというのがあるのだが・・・。(また、支店長がいるからいいものの、その他のお歴々を飛び越して私が会社代表で手を合わせるというのは、組織という点で見ると恐れ多いことなのだが)
清々しい気分になり、再び参道から正殿を目指す。ある人の説では、「まずは正殿に参拝して、その後の復路にて祈祷の申し込みを行う」のが正しい参拝の方法だとか。やはりまずは総元締めというか、主として祀られている存在の天照大神に顔を出しておかなければ、ということだろうか。
そしてやってきた正殿。石畳の下から見上げるという構図も、それだけですでに神々しさを感じる。でもやはりいるんだよな、正殿を背にピースサインで写真を撮るグループというのが・・・。
そして正殿にて手を合わせる。横手から奥の本殿を見ることができるが、何だろう、雰囲気が違う。奥に入って参拝している人たちもいるが、聞いたところでは遷宮に当たって「貢献」をしていただいた会の会員へのサービスという。さすがにそこまでは仕方ないかな。
道順として、別宮の荒祭宮に向かう。するとこちらは結構長い行列ができている。中にはバスツアーで参加している人が、集合時間に間に合うのかどうか添乗員に問いただしている人もいる。結局、行列本体は後ろから見て右側に並んでいるものの、横のスペースが空いているということで、その情報を聞き出した人たちが一斉にそちらに向かっている。ご利益は変わらないという言葉を信じて、支店長と私もそちらに向かう。
この後は再び石でできたパワースポットを見たり、神馬の様子を見たりしながら再び宇治橋に戻る。とりあえずの「公式参拝」はそれほどの問題もなく済んだのかな、と思う。
再びバスで今度は宇治山田駅に到着。ここで列車待ちの時間を利用しての昼食である(内宮前のおはらい町に行ってもよかったのだが、どうしても復路のバスの時間が気になることもあり、そこは断念。
駅舎の中に店を構える和風の店。メインということで伊勢うどん。うーん、讃岐のうどんと比べれば、原材料は同じなのだろうが麺のコシ、固さにおいてどうかなと思う。支店長、果たしてお味はお気に召されたかな・・・?
・・・とまあ、こういう形で行った伊勢神宮への「公式」祈願参拝、苦しい時の神頼みではないが、やはり今後の気持ちの支えになるのではないかと思う。まずは、事故や災害の防止というのは、上から命令されるだけでなく、自分たちのやり方で積極的に実施していかなければならないということで・・・・。