まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

伊勢神宮祈願参拝・外宮

2013年11月18日 | 旅行記D・東海北陸

Dscn3315職場の安全祈願ということで支店長と共にやって来た伊勢神宮参拝。まずは外宮参拝ということで下車したのは近鉄とJRの共同駅である伊勢市駅。雲もほとんどなく、まさに参拝日和である。近鉄特急を下車して、跨線橋を渡る間に見えるJRの気動車たちというのは見ていて面白い景色だが、そう思うのは私だけで、同行の支店長をはじめその他の参拝とおぼしき客たちは「通路が長い」「こっちから外に出ることができるのか」というところである。同じような感覚は松阪駅や桑名、津でも感じることができる。

それはさておき、出迎えたのは新しい感じの伊勢市駅。ここでまずは復路の特急券、乗車券を買い求める。以前訪れた時には門前駅としての厳かな感じの駅舎で、駅前にはデパートなどもあったように思うが、駅舎も新しく建て替えられ、駅前も何だか開放的な空間になっている。後でわかったことだが、駅前には当時のジャスコや三交百貨店というのもあったそうだが、地方の御多分にもれず郊外での大型ショッピングモールの展開によって閉店になったとか。ただその分、外宮への参拝客の増加傾向を思えば、玄関駅として明るい感じではないかと思う(近鉄とJRの共同駅・・・という事実をご存知の方は案外少なかったりして)。

Dscn3316ここから外宮へは歩いても10分かからないところ。参道は石畳が整備されているものの、昔ながらの風情を残す旅館や商店も残る。

Dscn3318外宮に到着。こちらは豊受大御神を祀る。衣食住の恵みを与える、いわば産業の守護神の総元締めのようなもの。「商売繁盛は、こちらの守備範囲だと言えます」などと言いながら境内に入っていく。

さて、伊勢神宮と言えば最近は「パワースポット」としてその名が広がっている。それを感じない奴は人にあらずとでも言わんばかりの風潮があり、いくらお伊勢参りが日本人にとって特別なものであるという伝統があるにしても、そうした意味で伊勢神宮を崇めるようになった傾向はこの数年ではないだろうか。少なくとも東海道中膝栗毛の弥次喜多のお二人はそんな「パワースポット」などとはこれっぽっちも思わなかっただろう。

何だかその言葉に違和感を覚えるのは私だけだろうか。

伊勢神宮としては公式には「パワースポットなどというのはありません」というスタンスである。でも、いかに民間信仰とはいえ、そういう言葉が出てくるというのは、21世紀型の伊勢信仰とでもいうべきものだろう。個人的にはそういう「ブーム」というのは不快に感じるのだが、実際にはそれはそれで認めざるを得ないかな。そもそも、江戸時代あたりから起こった、猫も杓子もお伊勢参りするとか、子どもが奉公先を抜け出して道中の人たちからもらいものをしながら伊勢に行く「抜け参り」とか、それらも「ブーム」の現れなのだろう。信仰する人しない人、単なる旅好きにミーハー、浅はかな連中を全て包み込むのが伊勢神宮の懐の深さというものか・・・。

Dscn3321そのパワースポットとして知られる一つに三ツ石というのがある。正殿を見るところにあり、しめ縄で囲っているものだから余計に有難みを増している。小銭が奉納されているのでこれはお賽銭かと思い、三ツ石の真ん中を狙って私も投げる。見事真ん中にヒットしたが、後で考えれば「そういうことをする輩がおるから、三ツ石の存在も間違って広まってしまう」という行いだった。でも石はほのかに暖かい。

Dscn3322Dscn3333ということで、遷宮したばかりの外宮正殿に参拝する。祈祷を受けるというのは内宮で行おうということで支店長とも話したので、ここは普通の参拝客と同じような形式に止める。まずは20年を経過した元の正殿を見る。神様が新しいところに遷ったということで、こちらは言わば昔のお住まい。それはもう役目を終えたということで開けっぴろげである。神殿の「中」を見ることのできる数少ない機会ということでカメラを構える人が多い。

Dscn3326一方で真新しい感じの新たな正殿。大勢の人が押しかけているのでゆっくりと手を合わせるというわけにはいかないが、合間に見る清々しさというのは、やはり伊勢神宮は特別なものと思わせる。

Dscn3328この後は別宮に当たる多賀宮、風宮、土宮をまわる。正殿だけではなく別宮もお参りする人が多く、特に石段の上にある多賀宮は途中渋滞ということにもなった。別宮といっても外宮の境内にあっては有難みが増すようである。

境内を一通り回り、外宮の門前に戻る。時刻は10時前ということで、これからいよいよ参拝客も増える時間帯である。そのラッシュを前に落ち着いた感じで外宮参拝することができてよかった。

Dscn3334支店長の声で、内宮への移動前に外宮前の赤福で小休止。「ぜんざい」の文字に魅かれてのことであるが、餅は外がパリッとあぶられたもの、そして餡子は赤福餅と同じ材料。普段ぜんざいを食べることのない私も、その甘味というのはなかなか良いものに思えた。うーん、私の場合などは、石やら何やらでパワースポットとやらに接するよりも、がっつりしたものをいただいて直接的にパワーを得たほうがより効果的なのかな・・・と思ってしまう。そういう考えでパワースポット大好きの女性と価値観を共有できるか?と訊かれれば辛いのだが・・・・。

Dscn3335内宮へは外宮との循環ルートのバスで移動ととなる。ただ運のよいことに、臨時の、外宮と内宮をノンストップで結ぶバスがあった。こちらに乗り込み、内宮を目指す。実は今回、外宮から内宮への移動時の混雑というのがもっとも心配だったのだが、それも杞憂に終わりそうである。遷宮のフィーバーも一段落した、ということだろうか・・・?

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