まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第10回中国観音霊場めぐり~グラン昼特急広島号

2020年02月11日 | 中国観音霊場

中国観音霊場めぐりも、現地へのアクセスが少しずつ長くなってきた。

大阪から広島となると夜行バスも運行される区間である。まあ、私の場合はさまざまな交通手段を合わせて楽しみたいところもあるので、四国八十八所めぐりの時と同じようにいろいろ試してみたい。最も西にある札所は長府の功山寺だが、まだどのように行くかは決めていないが、山陽線の鈍行をひたすら乗り継いでもいいし、いっそのこと逆に九州から上陸するのもありだろう。時刻表や交通機関のサイトをいろいろ調べるのも面白い。

さて今回はJR高速バスのグラン昼特急広島1号に乗る。かつてこの路線では2階建てのダブルデッカー車両が走っていたが、グランドリーム車両にリニューアルされている。グランドリーム車両は以前に四国めぐりで松山まで乗ったことがあるが居心地はよかった。その時も昼行便だったが、いずれ夜行バスとしての運転にも乗りたいものだ。

2月8日、広島号の始発は湊町バスターミナルだが、今回はJR大阪駅からの乗車とした。7時30分発だが、大阪駅に着いたのは結構ギリギリの時間だった。乗車の様子は見られなかったが、おそらく満席に近い乗客数だったと思う。シートが大きめに作られているので、後ろのほうが見通せないのだ。

座席は先頭を指定していた。本格的に眠るわけではなく前方の景色を楽しみたいので、ほんの軽くだけリクライニングする。グランドドリーム車両の一番の売りがこの「クレイドルシート」。クレイドルとはゆりかごの意味で、背もたれを倒すと座面が連動して前にずれる仕組みだ。体がシートにフィットしやすくなり、名前の通りゆりかごに包まれた感じがするというので好評だ。

バスは大阪駅を出ると途中の乗車停留所はなく、2回の休憩を挟んで広島を目指す。まずは福島から阪神高速に乗り、池田から中国自動車道に入る。それほど渋滞もなくスムーズに走る。

神戸ジャンクションから山陽自動車道に入る。このルートが最短であることはわかっていても、鉄道での移動が多いためか、神戸や明石を通らずに、吉川や三木の山の中を抜けていくのにもう一つ距離感がつかめない。

8時50分、姫路東インターと姫路西インターの間にある白鳥パーキングエリアで休憩。場所でいえば書写山を過ぎたところだ。始発の湊町バスターミナルが7時発だったから、ちょうど2時間に1回の休憩ポイントである。セブンイレブンがデンと構えていて、店の前の幟には大阪、京都、神戸、姫路、岡山の土産とそれぞれ書かれている。サービスエリアほどの品揃えはないが、確かに菓子類が少しずつ置かれているので、土産を買う時間がなかった人もとりあえず何か手にすることができる。

ここで15分休憩。グランドリーム車両の場合、昼行便でも座席カーテンを使うことができるので、運転手はプライバシーに配慮して人数確認はせず、時間になるとそのまま発車するとの案内がある。そのためか、ほとんどの人が心なしか早めに戻ってきて、特にトラブルもなく発車する。

相生の先で山陽新幹線の下をくぐる。ちょうど上を新幹線が通過していく。あれに乗って7時半頃に大阪を出発したら今頃三瀧寺の近くにいるはずだが、いろいろな交通機関に乗る、また費用をいくらかでも抑えることで今回バスに乗っているのだから、そこは考えないようにする。

岡山県に入る。備前の山の中から吉備の平野に出てくる。この区間、前々回の帰りに福山東インターから走っているが、夜のために景色が見えなかった。今回はそのぶんを回収している形になっている。前回休憩停車した吉備サービスエリアは通過である。高速バスの場合はサービスエリア、パーキングエリアの大小ではなく、あくまで始発から2時間を目処に休憩を取るための停車である。

広島県に入り、福山東インターを通過。これで、中国観音霊場めぐりの線がつながる形になった。鉄道ルートは帰りに広島から新幹線に乗るから、それでつなぎとなる。

10時50分、三原市街の北にある八幡パーキングエリアで2回目の休憩となる。こちらも尾道ラーメンの軽食堂の他にセブンイレブンがあるが、広島土産としてカープグッズも並ぶ一方、岡山土産に加えてなぜか福岡の一品もある。扱う幅が広い。隣にとさでんバスの高知発広島行きが停まっているが、そこの運転手が「大阪から来たバスですよね?」とこちらの運転手に声をかけて一人の客を連れてきた。やはり乗り間違いというのはあり得るものだ。さまざまな路線があり、同じパーキングエリアで休憩することが多いのでこうしたことが起こる。

八幡からは上り坂となる。この辺りが山陽自動車道の最高地点(375メートル)である。同じ広島県内であるが、備後と安芸の境目はこの辺りにある。

トンネルが続く区間を抜けて広島市に入る。太田川を渡った広島インターで山陽自動車道から下り、すぐの中筋駅で最初の降車となる。

このまま祇園新道を経由し、広島城の横を通り、広島バスセンターに到着する。バス用のスロープを上がる時に、かつての広島市民球場跡地の様子が見える。当時のライトスタンドの一部もまだ残っているが、この跡地もずっと工事しているが具体的にどのように活用されるのか、外にはなかなか伝わってこない。一時はサンフレッチェ広島の新しいスタジアムを建設しようという話も出たが見送りとなったようだし。

バスセンターで半分くらいの客が降りて、広島駅に向かう。定刻の12時32分ちょうどに新幹線口に到着した。5時間かかったわけだが、そう長くは感じなかった。時間に余裕があるなら高速バスでの移動も選択肢として十分「あり」と言える。

さてこれから三瀧寺に向かう・・・。

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