まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第19回中国観音霊場めぐり~広島から出雲市へ中国山地横断

2021年05月08日 | 中国観音霊場

5月2日、広島駅新幹線口9時00分発の一畑バスの出雲市駅行きに乗る。乗客は10名ほどである。この日は出雲市まで北上し、山陰線を観光列車「あめつち」で横断して倉吉に向かう。

続く広島バスセンターでも乗客は2~3名。初めて乗る路線なので、これがコロナ禍の影響で乗客が減っているのか、あるいはもともとこのくらいの乗車率なのかは何とも言えない。私が座ったのが進行左側の最前列の席。ちなみに右側の最前列の席はネットでも座席指定ができないようになっていた。これはコロナ対策というよりは乗務員のためのスペースのようだ。

広島バスセンター横の旧広島市民球場跡地を見下ろす。こちらでは3~5日にひろしまフラワーフェスティバルが開催される。昨年は緊急事態宣言発令中のため中止、今年は規模を縮小しての開催ということで、市民球場跡地にはメインステージが設けられ各種ショーが行われる予定だったが、結局ここでは無観客開催、ステージの様子はライブ配信のみとなった。

高速4号線を経て、大塚駅に停車。広域運動公園の一帯のエリアを抜けて、広島西風新都インターから広島道に乗る。広島から山陰方面に向かうバスの定番ルートである。山がちな一帯に入ると雨が落ちてきた。そういえば2日の天気予報も傘マークがついていたような。

広島道から中国道に入り、まずは三次インターを目指す。座席から運転席をのぞくと、時速80キロ区間で常に時速70キロをキープしている。雨が降っていてスリップ注意とはあるが、速度規制が出ているわけではない。余裕を持たせたダイヤなのかな。

特に渋滞があるわけでもなく、まずは休憩地の江の川パーキングエリアに到着。トイレ、自動販売機のほかにミニ売店がある。ちょうど、後から出発した広島発松江行きのバスがここで追いついた。

次の停車である三次インターでは、料金ゲートの外には出ずに敷地内に設けられたバス停に停まる。この路線も乗車専用、降車専用と区別しておらず、途中の乗降も可能だ。三次インターから1名乗車。予約はしていないようだが、空席はいくらでもあるので好きなところに座るよう案内していた。

三次東ジャンクションから松江道に入る。ここまで、前回の中国観音霊場めぐりで帰途に利用した松江~広島間の高速バスと同じルートである。国道54号線の改良道路という扱いで無料区間である。この道は尾道までつながっており、こうした無料道路の存在が中国山地のJRのローカル線には大きな痛手で、存続問題も出るくらいである。

2車線区間ということもありクルマが連なっており、中国道よりも通行量が多いようにも見える。その中で高野インターをいったん出て、「道の駅たかの」に停車。この間に、後から来ていた松江行きがそのまま本線を走って追い越す。

松江道にはサービスエリア、パーキングエリアがない代わりに、こうした道の駅を休憩スポットとして案内している。まあ、無料区間なのだから自由に出入りすれば済むことだが、この「道の駅たかの」駐車場には警備員が出るほど多くのクルマが立ち寄っていた。現在は合併で庄原市の一部になっているが、ここ高野町は広島県の最北部に位置する。広島県も結構広いのである。

4878メートルの大万木(おおよろぎ)トンネルを抜けると島根県に入る。中国地方で最も長いトンネルである。三段式スイッチバックもループ橋も真っ青の力業。今は高速バスのシートに身を任せているからいいものの、これだけ長いトンネルだと運転するほうは緊張するだろう。普通の追越車線がある高速道路ならまだしも、2車線区間である。2車線区間でも結構飛ばして、前のクルマとの間隔を詰めて煽るかのような運転をするのも結構いるので落ち着かないし、もしここで事故を起こしたり、あるいは事故に巻き込まれた場合、逃げ場がない。

雲南吉田インターで再び下車して、隣接する「道の駅たたらば壱番地」に停車。ここで1名下車。この一帯はかつてのたたら製鉄が盛んだったところ。この雲南吉田もかなり前に一度ドライブで来たことがあり、たたら製鉄の歴史スポットを回っている。また、中国山地のそうしたスポットもこれから訪ねてみたいものだ。

無料区間の最終となる三刀屋木次インターで下車して、下熊谷バスセンターに停車。国道54号線沿いにあり、ロードサイドの大型店も多数並ぶ。ある意味雲南市の中心部といってもいいところだ。1キロほど離れて木次駅があるので、そちらとの接続に使えないこともない。ここで松江道とは別れ、県道を走っていく。地図で見ると、この先斐伊川に沿って走るとそのまま出雲市まで行くことができる。

順調に走り、12時22分、終点の出雲市駅に到着。これから乗る観光列車「あめつち」は13時44分発ということで時間が中途半端にある。広島を1本早い便に乗ったとしても出雲大社まで往復するのは慌ただしい行程になるくらいだから、この時間からだと行くのは無理である。そこで、しばらくゆったりしようと、駅前の温泉に向かうことにした。ちょうど雨も止んだ。

駅南口からすぐのところにある「らんぷの湯」に入る。以前の中国観音霊場めぐりでも来たことがある。館内はランプの灯りが出迎えてくれ、ヒノキの浴槽がある浴室もランプのほのかな明るさが古民家の雰囲気を出している。

昼食ということで、駅構内の「麺家」に入る。出雲の割子そばをと思ったが、一番人気は「スサノオラーメン」とある。さらに、この両方をセットにした「出雲神話セット」というのもある。ラーメンと日本そば、どんだけ麺類好きやねんと思いつつ、面白そうなのでこのセットを注文する。

スサノオラーメンはなかなか濃厚な味噌味。このスープが好評ということでスープを1.5倍に増量したということで、出てきた時は中身が見えなかった。ほじくり出すと、卵にチャーシュー、メンマ、そして剣をかたどったかまぼこが出てきた。さすがにスープを全部飲み干すのは遠慮したが、これは美味かった。

その後は割子そばの二段。そばも悪くはなかったが、今回はラーメンのインパクトに押された形になった。やはりラーメンとそば、一食で同時にというのは欲張りすぎたかな。

入浴と食事、土産物の物色でそろそろいい時間になり、みどりの券売機で乗車券を購入して高架ホームに上がる。西出雲側から、青色に塗られたキハ47の「あめつち」が入線する・・・。

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