まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

初めての「etSETOra(エトセトラ)」に乗る

2021年05月25日 | 旅行記F・中国

5月9日、瀬戸内の沿岸、島々をめぐるクルーズ船「シースピカ」で広島から三原までやって来た。その後、山陽線の列車で尾道に到着。

ホームには同じ観光列車の「ラ・マル・ド・ボァ」が停車している。日によって岡山から宇野、琴平、そして尾道へと往復する列車。これ、日を合わせれば広島から「etSETOra」で尾道まで来て、「ラ・マル~」に乗り継いで岡山まで行くができる(逆も可能)。また機会があればやってみようかな。

いよいよこれから観光列車「エトセトラ」に乗る(ローマ字表記が面倒なので、カタカナで)。三原から尾道まで移動したのは、単純に始発から乗りたかっただけのことである。

発車までそれほど時間はないが、せめて駅前に出て尾道水道の景色を眺める。どうせなら「シースピカ」も尾道まで運航してくれればよかったのにと思う。

福山方面から2両編成の気動車がやって来た。ホームでは2~3分ほどの停車ですぐに発車する。慌ただしく車両の写真を撮って車内へ。14時38分、発車。

この「エトセトラ」、前身は「瀬戸内マリンビュー」という列車で私も乗車したことがあるのだが、それをさらに改造して2020年10月に運行を開始した。「エトセトラ」とはラテン語で「その他、いろいろ」という意味だが、そこに「たくさん」という意味の広島弁「えっと」と「瀬戸内」を掛けたのが列車名である。瀬戸内のいろんな魅力をたくさん見て感じてほしい・・・という願いが込められている。

広島からの往路は呉線経由、そして復路は山陽線経由で宮島口まで行く。往復利用で、尾道でちょっと散策するぐらいの時間はあるようだ。

運行当初は指定席の入手が困難だったのだが、今回手に入れたのは山側の2人向い合せのシート。2両とも山側の2人席、海側の4人ボックス席、カウンター席という造り。

乗車記念として列車のロゴをあしらったコースターが配られる。まずは先ほど通った糸崎までの海沿いの区間を走る。海側の4人ボックス席の窓が大きく取られていて、この席からだと最高の車窓が楽しめそうだ。

三原から乗車があり。その4人ボックス席も含めて車内はほぼ満席になる。先ほど「シースピカ」に乗船していた人もいる。

さて・・・この復路、山陽線経由のルートでのお楽しみは「広島の酒」である。まあ、呉線経由のように瀬戸内の景色を眺めることはほぼないが、酒どころの西条を通るということで、また時間も午後ということでちょっとたしなんでみて・・というところ。

5種類のうち3種類の飲み比べセットがある。銘柄だけ記すと、①「白鴻」(安浦)、②「於多福」(安芸津)、③「小笹屋竹鶴」(竹原)、④「酔心」(三原)、⑤「賀茂鶴」(西条)。このうち、①、③、⑤を選び、カウンターで注いでもらう。

先ほど尾道駅で買ったアテをつまみながら、山間の車窓を眺めつつの一献である。他にも瀬戸内の柑橘をベースにした酒類も置かれていて、中国地方の観光列車は飲み鉄とともにあるようだ。もっとも、この記事を掲載した日現在では、広島県の緊急事態宣言の影響で、車内でのアルコール販売は休止中という。

三原を出ると広島までの停車駅は西条のみで、また複線区間ということで列車行き違いの停車もなく、順調に走って行く。先ほど「シースピカ」の乗船が長かったぶん、「エトセトラ」がより速く感じられる。まあ、ローカル線をトコトコ走ることが多いキハ47(グリーン車に改造されたので正しくはキロ47だが)が、エンジン音高くぶっ飛ばすというのもなかなかいいものだ。

西条でもすぐの発車となり、「セノハチ」の区間を下って行く。この区間を上りにしなかったのは燃料の節約もあるのかなと勘ぐってしまう。

このまま順調に走り、最後は広島貨物ターミナル、マツダスタジアム横を通り抜けて、16時02分、広島に到着。鈍行で走るより若干早かったかなという時間である。

列車はこのまま宮島口まで向かうが、大半の客が広島で下車。私もこの日は早めの帰宅ということで広島で下車した。

さて、ようやく念願の「エトセトラ」にも乗ることができた。中国地方にもいくつかの観光列車があり、それぞれの楽しみ方がある。また折を見て、これらの列車を軸にこの地方のさまざまな魅力を発見したいものである・・・。

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