まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

「エトセトラ」、呉線を行く

2021年05月27日 | 旅行記F・中国

5月22日、日帰りでの「JRで広島県一周」に出向く。まずは観光列車「etSETOra(エトセトラ)」に乗る。広島発の尾道行きは途中呉線を経由する。

さて、私が手にしていたのは山側の2人がけの席、2週間前に尾道から乗車したのと同じところだったのだが、ふと思い立って、発車直前に広島駅のみどりの券売機に指定席券を突っ込む。当日の変更が可能かと思ったのだ。すると、海側のボックス席がまるまる4人分空いていた。この時間から新たに「エトセトラ」に乗ろうという客もいないだろうし、また複数人利用でも2人席も空いているので大丈夫だろう。この席に変更する。

車内へ。もう一つの海側のボックス席も1人客が使う形。カウンター席は満席だったものの、要はこのくらいの乗車率である。まあ緊急事態宣言が出ていることもあるが、乗車率が少ないながらこうした列車が運転されているところを見ると、緊急事態の受け止め方はそれぞれだ。もっとも、上り下りとも車内でのアルコール販売は休止とのこと。9時32分、発車。

さて、4人ボックス席である。この席は窓の広さがポイントで、テーブルを挟んだ向かいの席、さらにはその奥に座っている乗客のところまで広がっている。外の景色を眺めるには最高である。まずは、カープ内でクラスターが発生したためこの日の試合が中止になったマツダスタジアム横を過ぎる。

海田市でしばらく停車して、呉線に入る。この先、列車の行き違いで頻繁に停車する。

その中で江田島を挟んだ景色が広がる。雲が広がっているのが残念だが、やはり窓が広いために眺望はすばらしい。

「ノンストップ」で呉に到着。ここで何人か乗車がある。向かい側のホームの外では、おそらく列車の出迎え、見送りに来たのだろう。「海軍」と書かれた横断幕を一人で掲げる男性がいる。おそらく「海軍さんの◯◯」という文字が書かれているのだろうが。

先日乗船した「シースピカ」は海上から呉の町並み、そして造船所のある港、さらには海上自衛隊の基地まで見物することができたが、呉線は呉を出るとすぐに休山のトンネルに入り、阿賀に向かう。まあ、鉄道だから。

かつて国鉄の連絡船が出ていた仁方を過ぎると、沖合いに下蒲刈島を望む。今は安芸灘大橋でつながり、とびしま海道の玄関口である。

安浦で列車行き違いのためしばらく停車。この先、安芸津まで牡蠣の養殖いかだが並ぶ。国道沿いには牡蠣の直売店もあり、さすがに今季は終了しているが、また冬が楽しみである。「エトセトラ」はしばし徐行運転。これは瀬戸内らしい眺めである。

竹原で2分停車ということで、ちょっとだけ外に出る。車内も一通り回ってみたが、2両合わせて乗客は15人くらい。カップルが1組と年輩の女性二人連れがいただけで、後はその筋の男性一人ばかり。車内も静かなものだ。

竹原火力発電所や、大久野島の玄関である忠海を過ぎる。

この忠海から安芸幸崎の間が車窓としてはもっとも見どころで、海がすぐ目の前にある。もちろん徐行運転だ。空も少しずつ明るくなっており、海面が透けて見える。この区間は「トワイライトエクスプレス瑞風」も立ち寄り、ビューポイントとして紹介されているところ。その「トワイライト~」はさすがに緊急事態宣言を受けて現在運休となっている。

安芸幸崎で今治造船の巨大クレーンを見て、再び海沿いの景色。瀬戸内らしさを眺めるという点では、時間がかかっても呉線経由のほうが楽しめる。

三原に到着。車内ではクルーズ船「シースピカ」の案内もあり、この時間なら三原港発の西向きコースにも間に合う。JRと瀬戸内海汽船がタッグを組んで、陸と海から瀬戸内の多島美を楽しませるということでお薦めである。

三原ではすぐの発車で、そのまま12時32分、尾道に到着。広島からちょうど3時間ということでなかなか乗りごたえがある列車だった。

尾道に来たのは、この日浄土寺で行われる予定の中国観音霊場開創40周年の記念法要に参列するためだったが、緊急事態宣言を受けて法要は中止。そのため広島県一周の乗り鉄に切り替えたのだが、次の福山方面の列車はおよそ30分後の13時05分発。

ならば昼食ということで、駅横にある「尾道ラーメンたに」に入る。鶏ガラ&魚介スープ、背脂入りのスタンダードな尾道ラーメンである。つるつるっといただく。

13時05分発の岡山行きで福山に向かう。尾道水道を抜ける。途中の備後赤坂で、折り返しを待つ「エトセトラ」が停車していた。ここまで退避していたのか。

福山に到着。次の福塩線の列車まで時間があるので、改札の外に出てみることに・・・。

コメント