早いもので10回目となる中国観音霊場めぐりの訪問。今回で中国5県のうち2つ目の県である広島県の札所はコンプリートとなる(そこまでに10回を費やしているというのもどうかと思うが)。
今回の行き先は第13番の三瀧寺、第14番の大聖院。三瀧寺は広島市街地と太田川放水路を隔てた山の手にあって地元では「三瀧観音」として知られているし、大聖院は宮島・厳島神社からもう少し奥に入ったところにある。つまり今回は広島市内と宮島という、観光としても王道のエリアを回ることになる。
また広島は私の最初の勤務地として20歳代のほとんどを過ごしたところである。三瀧寺や大聖院もその時に訪問したことがある・・と言うことができればよいのだが、実は両方とも恥ずかしながら初めて行くところである。広島勤務時は札所めぐりそのものに興味があったわけでもなく、また山登りが趣味というわけでもなく、どこかに出かけるのもJR線の乗りつぶしがメインで、ドライブで国道をひた走ることがあったものの、鉄道、クルマともに観光はつけ足しでしかなかった。正直なところ、三瀧は駅名や地名で知る程度、宮島も厳島神社には行ってもその奥にある寺は知らない・・というもの。だから今回は曽遊の地といいつつも初めて訪ねるのと同じ感覚だ。こういうところに出かけることができるのも、札所めぐりの楽しみなのだが。
当初は2月後半、天皇誕生日の連休を利用して行くことを考えていた。宮島に行くのなら厳島神社と大聖院だけでなく、弥山の頂上にも行こうかと思った。そもそも宮島は島全体が信仰の対象のようなもので、弘法大師空海が開いたお堂もある。ロープウェーを使って山頂を目指すのも、札所めぐりのオプションとしてもいいだろう。
そこで宮島ロープウェーの運賃や時間などをホームページで確認したのだが、何と、2月10日~2月28日まで定期点検整備のために運休するとある。シーズンオフに合わせてのことかと思うが、行こうとしていた期間にモロかぶりである。時期を変えることにしよう。
ただ運休期間終了後となると私の予定が厳しいので、前倒しで運休直前の2月8日~9日に出かけることにした。
さて、宿泊は宮島、広島いろいろ考えたが広島駅近くのホテルを押さえた。それにしても、予約サイトを見ると両地区の掲載されている宿にはやたらホステル型やカプセルホテルが目立つ。宿泊費を安く押さえようという向きが多い外国人相手なのかな。
後は往復の交通機関。三瀧寺、大聖院と1日に一つずつ回るとなると、往路、広島には昼過ぎに着いても三瀧寺を訪ねるだけの時間は十分にある。ならば新幹線で急ぐこともなく、とは言いながらも鈍行で広島まではしんどいので、別の方法として高速バスを使うことにする。大阪から広島へは西日本JRバスの「グラン昼特急」がある。大阪駅を朝の7時30分に出発して、広島駅には12時32分着。5時間の長丁場だが、快適なシートのバスなら、まあ大丈夫だろう。帰りは、宮島や広島の滞在時間をしっかり取ろうと、夕方の新幹線で戻ることにする。
さて2月8日、ニュースでは新型コロナウイルスが依然として猛威をふるい、クルーズ中の豪華客船でも感染者が見つかったため横浜港で留め置きされているというのが大きく取り上げられている。その感染者も連日新たに報告されているという。個人的には、あそこで留め置きしていたから船内で新たに感染した人が増えたのではないかと思うが、どうだろうか。
ああした密閉空間での出来事だが、これから乗る高速バスもある意味密閉空間で、大丈夫とは思うがどうだろうか。まあ、あまり心配しすぎても仕方ないので、ともかく朝の大阪駅に向かう・・・。