「上海の伯爵夫人」
政情不穏な1936年の上海。家計を支えるため、ナイトクラブでホステスとして働くロシアの亡命貴族の未亡人ソフィアは、盲目のアメリカ人元外交官ジャクソンと知り合い、彼が新しく作ったクラブ“白い伯爵夫人”の運営を手伝うことになるが...
ロシアの貴族とか、迫害を受けてたユダヤ人とか、ヨーロッパから逃げてきた人々の難儀な生活ぶりが興味深かったです。貧乏になっても捨てられない貴族の傲慢なプライドが虚しくも滑稽で、アジアに来ても差別や敵意に追いかけられるユダヤ人の宿命が悲しい。
ソフィアの家族の身勝手さ性悪さに、イラっ&ムカっとさせられっぱなし。何もできない自分たちの代わりに働くソフィアに依存しながら、彼女を恥ずべき堕落女と蔑み冷たく当たる姑&小姑。パラサイトしてるくせに、それはないだろ~!?みたいな。嫁を夜の女にして貢がせるなんて、究極の嫁いびりです。ロシア時代から、よほどの確執があったのでしょうか。フツーなら、おまえらなんか知るか!野たれ死ね!なんだけど、ソフィアは娘のためにひたすら耐え忍ぶだけ。娘を連れて二人だけで暮らせばいいのに!ソフィアに香港行きの船賃を工面させながら、あなたがいないほうが娘のためよ!と、戦火の迫る上海に彼女だけ置き去りにしようとする鬼姑&小姑。ひ、ひどい!爺と婆(姑の姉夫婦)、じゅうぶん長生きしたんだから、おまえらが残れよ!こいつらの乗った船、日本軍の爆撃に遭えばいいのに!と本気で思いました。
あの性悪な小姑、よく考えてみれば哀れな女かも。ソフィアへの冷たい仕打ちの要因は、どうせ私はブスで根暗なオールドミスだから、あんたみたいにホステスになって稼げやしないわよ!みたいな嫉妬と僻み?姪を溺愛するのも、ソフィアから引き離したいという悪意が感じられるし。ソフィアが美人で優しい義妹じゃなければ、小姑もあそこまで冷酷にはならなかったかもね。
とまあ、羅刹の家ちっくな嫁いびりのせいで、ソフィアとジャクソンのロマンスとか、緊迫する世情とか、かなり影が薄くなってしまってます。
「日の名残り」と同じカズオ・イシグロの小説の映画化なのですが、ジェームズ・アイヴォリー監督にしては、ちょっとハリウッド的というか、わかりやすくてスケールが大きくなってるんだけど、以前のような優美な文芸風味に欠けてる感じがして、ちょっと惜しいかも。魔都と呼ばれた上海も、ぜんぜん退廃的じゃないし。アジア独特のエロチシズムって、やっぱ西欧人には描けないのでしょうか。
ソフィア役は、ナターシャ・リチャードソン。地味美人?ジャクソン役のレイフ・ファインズのほうが、品があって若く見えました。
謎の日本人紳士マツダ役で、真田広之が登場。ちょい役なのかと思ったら、かなり重要で印象的な役でした。長い英語の台詞も、立派にこなしていました。それに彼、やっぱ男前ですよね。アイヴォリー監督に気に入られたのか、監督の新作“The City of Your Final Destination”にも連投出演してますね。国際俳優として、今後も頑張ってほしい
鬼姑役は、リン・レッドグレイヴ。その姉役は、ナターシャ・リチャードソンの実母ヴァネッサ・レッドグレイヴ。レッドグレイヴ姉妹が競演してるのも珍しい。名女優姉妹が、娘・姪のためにサポート出演?
ソフィア一家と交流があったフランス人外交官、どっかで見たことあるなあと思ったら、あ!ジャン・ピエール・ロリじゃん!久々に見た彼、すぐに気づかないほど老けたけど、やっぱ男前でした♪ちょっとしか出てこなくて残念。ロリさんのトレビアンなポートレイトこちら、必見!うう~ん、ボーギャルソン
「スピードレーサー」も公開間近、海外で活躍する真田さん。オコチャマ向けな今の日本の映画とTVドラマの世界は、真田さんが実力と魅力を発揮できる場所ではなくなってるのでしょう。残念ですね。
政情不穏な1936年の上海。家計を支えるため、ナイトクラブでホステスとして働くロシアの亡命貴族の未亡人ソフィアは、盲目のアメリカ人元外交官ジャクソンと知り合い、彼が新しく作ったクラブ“白い伯爵夫人”の運営を手伝うことになるが...
ロシアの貴族とか、迫害を受けてたユダヤ人とか、ヨーロッパから逃げてきた人々の難儀な生活ぶりが興味深かったです。貧乏になっても捨てられない貴族の傲慢なプライドが虚しくも滑稽で、アジアに来ても差別や敵意に追いかけられるユダヤ人の宿命が悲しい。
ソフィアの家族の身勝手さ性悪さに、イラっ&ムカっとさせられっぱなし。何もできない自分たちの代わりに働くソフィアに依存しながら、彼女を恥ずべき堕落女と蔑み冷たく当たる姑&小姑。パラサイトしてるくせに、それはないだろ~!?みたいな。嫁を夜の女にして貢がせるなんて、究極の嫁いびりです。ロシア時代から、よほどの確執があったのでしょうか。フツーなら、おまえらなんか知るか!野たれ死ね!なんだけど、ソフィアは娘のためにひたすら耐え忍ぶだけ。娘を連れて二人だけで暮らせばいいのに!ソフィアに香港行きの船賃を工面させながら、あなたがいないほうが娘のためよ!と、戦火の迫る上海に彼女だけ置き去りにしようとする鬼姑&小姑。ひ、ひどい!爺と婆(姑の姉夫婦)、じゅうぶん長生きしたんだから、おまえらが残れよ!こいつらの乗った船、日本軍の爆撃に遭えばいいのに!と本気で思いました。
あの性悪な小姑、よく考えてみれば哀れな女かも。ソフィアへの冷たい仕打ちの要因は、どうせ私はブスで根暗なオールドミスだから、あんたみたいにホステスになって稼げやしないわよ!みたいな嫉妬と僻み?姪を溺愛するのも、ソフィアから引き離したいという悪意が感じられるし。ソフィアが美人で優しい義妹じゃなければ、小姑もあそこまで冷酷にはならなかったかもね。
とまあ、羅刹の家ちっくな嫁いびりのせいで、ソフィアとジャクソンのロマンスとか、緊迫する世情とか、かなり影が薄くなってしまってます。
「日の名残り」と同じカズオ・イシグロの小説の映画化なのですが、ジェームズ・アイヴォリー監督にしては、ちょっとハリウッド的というか、わかりやすくてスケールが大きくなってるんだけど、以前のような優美な文芸風味に欠けてる感じがして、ちょっと惜しいかも。魔都と呼ばれた上海も、ぜんぜん退廃的じゃないし。アジア独特のエロチシズムって、やっぱ西欧人には描けないのでしょうか。
ソフィア役は、ナターシャ・リチャードソン。地味美人?ジャクソン役のレイフ・ファインズのほうが、品があって若く見えました。
謎の日本人紳士マツダ役で、真田広之が登場。ちょい役なのかと思ったら、かなり重要で印象的な役でした。長い英語の台詞も、立派にこなしていました。それに彼、やっぱ男前ですよね。アイヴォリー監督に気に入られたのか、監督の新作“The City of Your Final Destination”にも連投出演してますね。国際俳優として、今後も頑張ってほしい
鬼姑役は、リン・レッドグレイヴ。その姉役は、ナターシャ・リチャードソンの実母ヴァネッサ・レッドグレイヴ。レッドグレイヴ姉妹が競演してるのも珍しい。名女優姉妹が、娘・姪のためにサポート出演?
ソフィア一家と交流があったフランス人外交官、どっかで見たことあるなあと思ったら、あ!ジャン・ピエール・ロリじゃん!久々に見た彼、すぐに気づかないほど老けたけど、やっぱ男前でした♪ちょっとしか出てこなくて残念。ロリさんのトレビアンなポートレイトこちら、必見!うう~ん、ボーギャルソン
「スピードレーサー」も公開間近、海外で活躍する真田さん。オコチャマ向けな今の日本の映画とTVドラマの世界は、真田さんが実力と魅力を発揮できる場所ではなくなってるのでしょう。残念ですね。