「勝利の朝」
キャサリン・ヘプバーンのオスカー初受賞作。
舞台女優を夢見て田舎からニューヨークにやってきたエヴァ。苦い経験を経て、大きなチャンスを掴むが...
1933年の作品(75年も前!)なので、今のせわしなく殺伐とした映画とはノリも雰囲気も異なります。ゆったりさを楽しめるか、かったるさに眠くなるか、クラッシック映画って、そのどっちかなんですよねえ。この映画は、まあ辛うじて私にとっては前者でした。1時間半もない短さが良かったのかも。
基本は、ヒロインのサクセスストーリーなのですが、朝に咲いて夜に凋む朝顔(原題のモーニンググローリー)に例えられた、女優の栄光の光と影が主題になっているようです。華やかに咲いたら、あとは枯れるだけの花=女優の宿命。悲しいけど、いろんな経験や感情や関係を糧にすることもなく、一度も花を咲かすことなく朽ちるよりは、羨ましい人生でもあります。
サクセスストーリーとはいえ、小気味よい痛快さは全然ありません。エヴァが、ちょっと変、ていうか、かなりイタい女なんですよねえ。私は天才!とスゴい自信過剰で、演劇関係者と見れば近づいていって、自分をアピール。そのアピールの仕方が、厚かましい上に自分世界に浸りきった夢見る夢子ちゃん全開で、みんなウンザリor引きぎみ。プライドも異常なまでに高く、仕事がないのに○○(有名な作家とか俳優)から連絡がとか約束がとか、大風呂敷な虚言しまくり。さらに、招待されてないパーティにもやって来て酔った挙句、みんな見て!と独りでシェイクスピアを演じ始めて、ますますウザがられる始末。一夜を過ごしたプロデューサーには、ストーカー一歩手前になったり。めちゃくちゃKYで思い込みが激しいところもイタすぎます。ちょっと、いや、かなり病的な感じがして怖い。でもまあ女優って、これぐらいのエキセントリックさ、ちょっと破綻したところも必要なんだろうなあ。
誰にも相手にされず、うらぶれてたエヴァですが、なぜか彼女に恋をしていた若い作家に助けられ、ついに!な展開は、かなり都合がよすぎます。結局、才能よりも運!という事実が、何だか皮肉です。
当時24歳のキャサリン・ヘプバーンが、当然ながら若い!ぜんぜん美人じゃないけど、颯爽と力強い演技はスゴい吸引力。シャープで理知的だけど、ふとした瞬間に狂気の淵をのぞきこんでるようなヤバい目や表情をするところに、素晴らしいなあと感嘆してしまいます。
キャサリン・ヘプバーンのオスカー初受賞作。
舞台女優を夢見て田舎からニューヨークにやってきたエヴァ。苦い経験を経て、大きなチャンスを掴むが...
1933年の作品(75年も前!)なので、今のせわしなく殺伐とした映画とはノリも雰囲気も異なります。ゆったりさを楽しめるか、かったるさに眠くなるか、クラッシック映画って、そのどっちかなんですよねえ。この映画は、まあ辛うじて私にとっては前者でした。1時間半もない短さが良かったのかも。
基本は、ヒロインのサクセスストーリーなのですが、朝に咲いて夜に凋む朝顔(原題のモーニンググローリー)に例えられた、女優の栄光の光と影が主題になっているようです。華やかに咲いたら、あとは枯れるだけの花=女優の宿命。悲しいけど、いろんな経験や感情や関係を糧にすることもなく、一度も花を咲かすことなく朽ちるよりは、羨ましい人生でもあります。
サクセスストーリーとはいえ、小気味よい痛快さは全然ありません。エヴァが、ちょっと変、ていうか、かなりイタい女なんですよねえ。私は天才!とスゴい自信過剰で、演劇関係者と見れば近づいていって、自分をアピール。そのアピールの仕方が、厚かましい上に自分世界に浸りきった夢見る夢子ちゃん全開で、みんなウンザリor引きぎみ。プライドも異常なまでに高く、仕事がないのに○○(有名な作家とか俳優)から連絡がとか約束がとか、大風呂敷な虚言しまくり。さらに、招待されてないパーティにもやって来て酔った挙句、みんな見て!と独りでシェイクスピアを演じ始めて、ますますウザがられる始末。一夜を過ごしたプロデューサーには、ストーカー一歩手前になったり。めちゃくちゃKYで思い込みが激しいところもイタすぎます。ちょっと、いや、かなり病的な感じがして怖い。でもまあ女優って、これぐらいのエキセントリックさ、ちょっと破綻したところも必要なんだろうなあ。
誰にも相手にされず、うらぶれてたエヴァですが、なぜか彼女に恋をしていた若い作家に助けられ、ついに!な展開は、かなり都合がよすぎます。結局、才能よりも運!という事実が、何だか皮肉です。
当時24歳のキャサリン・ヘプバーンが、当然ながら若い!ぜんぜん美人じゃないけど、颯爽と力強い演技はスゴい吸引力。シャープで理知的だけど、ふとした瞬間に狂気の淵をのぞきこんでるようなヤバい目や表情をするところに、素晴らしいなあと感嘆してしまいます。