まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

虎口脱出☆ハリウッド大作戦

2013-04-01 | 北米映画 08~14
 大変なことが起きてしまいました…
 こないだピーターと、東広島にある上ノ原牧場というところへドライブしたのですが…
 職場の女の子に、牧場にあるカフェのカレーとジェラードが美味しい、と聞いてたので行ってみたのですが。牛さんや山羊さんを間近に、のどかな春の昼下がりを家族連れやカップルが楽しんでいるのに、ピーターは毒ガスでも吸ったかのような青い顔で黙り込んでる。具合でも悪いの?!と心配する私に、
ピーター『僕、動物が大嫌いなんです♪臭すぎて死にそうなんですけど。どうしてもここで食べなきゃいけないんですかあ?』
 牧場にいたこと、わずか5分。駐車場に戻ろうとすると…
 後方が、突然大騒ぎに。何かと思って振り返ると、ああああ?!う、うそやろー!!??
 大きな牛が、猛スピードでこっちに向かって突進してきてるではないか?!
 あっという間のことでした。逃げ遅れたピーターは、牛に激突。牛はそのまま逃走し、車ならぬ牛に轢き逃げされてしまったピーターは、頭を強く打ったせいか、すべての記憶を失ってしまいました…
 な~んちゃって☆大嘘です今日はエイプリルフールですね♪毎年くっだらないウソついてスンマセン。皆さまは罪のないシャレになるウソ、つかれたことでしょうか?それにしても。世の中、ウソであってほしい!と思うことばかりなのが悲しいですよね…
 ちなみに、牛に轢かれるウソ以外は、ホントの話です♪

 「アルゴ」
 アカデミー賞で作品賞を獲得した話題作を、ようやく観ることができました。
 1979年、イラン革命後のテヘランで、アメリカ大使館が過激な暴徒に襲撃される。脱出した6人のアメリカ人はカナダ大使館に潜伏するが、発見されれば殺されることは必至であった。CIAエージェントのトニーが敢行した、6人を救出するための大胆で奇想天外な脱出作戦とは…
 実話なんだそうです。驚き桃の木です。まさに、事実は映画より奇なり。テヘランのアメリカ大使館人質事件解決に、ハリウッドが一役買っていたとは。ニセ映画製作をでっちあげ、テヘランでのロケ準備を装い、6人を映画スタッフに仕立て、イランから脱出…という、一見うまくいくわけねーだろ!なトンデモ計画の実行が、なかなか手に汗握る緊迫のサスペンスタッチで描かれていて、すごく面白かったです。バレる!捕まる!とハラハラさせるシーンも、大丈夫とは知りつつ巧く乗せられます。ハリウッドと協力し、いろんな状況や小道具を細心に周到に用意してイラン人を騙す、まさに“映画撮る撮る詐欺”作戦がユニークで痛快でした。シリアスな決死の脱出劇なのですが、これってコメディ調でもイケるのでは?な内容でもあったような。とにかく、強さと勇気を重んじるアメリカ人の愛国心をくすぐる、そしてアメリカ人にとって最高の文化である映画への、アメリカ人の愛と誇りに満ちた映画でした。

 それにしても。あの脱出劇が成功したのは、運の良さに加え、イラン人が相当お人よしでアホだったから…みたいな印象もだいたいさあ、あんな時期と状況下でカナダ人が映画撮りにくるなんて、どう考えても不自然なのに…簡単に信じて騙されるだけでなく、めちゃくちゃ凶暴で野蛮なイラン人。まるで人類に襲いかかるエイリアンかゾンビみたいだった。この映画に対し、イラン政府が激怒し厳重抗議したとか。そりゃそうだ。イランにとっては、まさに国辱映画になってます。
 登場人物たちがヘンに感情をぶつけ合ったり絡めあったりせず、ドキュメンタリータッチに話が展開されていたのも良かったです。イラン革命について無知だったのですが、池上さんより上手に楽しい解説が、そうだったんだ!と勉強になりました。当時のイランの混沌と殺伐とした様子、70年代のファッションや生活風景の再現も興味深く、目に楽しかったです。でもほんと、当時のイラン怖すぎ。フツーに路上に絞首刑死体がブラさがってたり、車が炎上してたり。ホメイニ師の肖像や映像が随所に出てくるのですが…ホメイニ師って、何か怖いですよねえ。見た目もキャラも。イラクのフセインは、見た目だけだと気のいいおっさんだけど、ホメイニ師は冷厳で狂気じみててヤバい。悪魔の書事件とか、子ども心に怖いなあと戦慄した記憶が。ハリウッド映画が凶悪な敵役悪役にしやすい人ではありますね。
 この映画で男を上げた、監督のベン・アフレックを素直に讃えたいです。私、正直ベンアフがすごく苦手だったんですが…
 
 「グッド・ウィル・ハンティング」でオスカー脚本賞を受賞し、マブダチのマット・デーモンと共にハリウッドの才ある期待の新星ともてはやされたものの、天狗になって下半身スキャンダル&駄作連発、そして、今や伝説と化してるジェニファー・ロペスとクソバカップル醜態。業界と映画ファンから顰蹙と失笑を買いまくって、あれよあれよと落ち目となってアノ人は今…になりかけてたのに、いつの間にか監督として復活再起。オスカーの監督賞ノミネーションは、まさかの落選という憂き目にも遭いつつ、大喝采で作品賞を贈られるなど、アルゴの脱出劇のごとく奇跡的でドラマチックなサクセスストーリーを地でいったベンアフ。どん底から這い上がった人にしかできない彼の受賞スピーチは、なかなか感動的でした。ほんと良かったねベンアフ。人柄も大人になったけど、見た目もシブくなって男前になったなあ。ヒゲが似合いますよね。
 今度はハリウッド期待の監督となったベンアフですが、相変わらず俳優としては???かも。トニーをシブく演じてるベンアフですが…あまり感情を表に出さないニヒルな役ではあったんだろうけど、昔と変わらぬ“ウドの大木”感が拭えなくて…今後も、監督兼主演のスタンスなのかしらん?カッコよくはなってるんだけどねえ。
 とても面白い、よく出来たサスペンス映画ですが…オスカー受賞とか熱狂的評価とかで期待しすぎると、ちょっと拍子抜けするかも。感動とか感激とか衝撃とかはないから。ワタシ的には、テッドと愛アムールのほうがディープインパクトな映画です。

↑ベンアフ、オスカーおめでと~!いい映画、今後も作ってや~マット主演とか!
 
 
コメント (2)
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