まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

ロマンティックあげるよ 🎶

2017-02-23 | 北米映画 15~21
 「ラ・ラ・ランド」
 映画の都ハリウッド。女優志願のミアは、ジャズピアニストのセブと出会い恋に落ちる。愛を育みながらも、厳しい現実にぶつかった二人はやがて…
 傑作「セッション」でその名を轟かせた新鋭デイミアン・チャゼル監督、待望の新作。公開されるや否や、全世界で大絶賛の嵐。賞レースを席捲し、ゴールデン・グローブ賞では史上最多の7部門受賞、来たるオスカーでも14部門でノミネートされている今年最大の話題作を、試写会で観ることができました~
 かつてはミュージカルがちょっと苦手だった私。いきなり歌いだしたり踊りだしたり、突拍子なさすぎ不自然すぎ!フツーに喋って!と思わずにいられなかったけど、加齢のおかげで今は楽しめるようになってます。この超話題作も、すごく楽しかったです!噂通りの秀作!観て損はない!と胸を張って言える、のですが。何だろう?料理を美味しくいただいたはずなのに、喉に小魚の骨が引っかかってるような感じ…罪悪感のような、劣等感のような、モヤモヤした気分に今も戸惑っています。

 偉い映画評論家さんたちや、意識高い系の映画ファンの皆さまのように、手放しで絶賛できないので肩身が狭い…私もララランド最高!大傑作!と声高に叫べたら…何で私、絶賛の嵐に巻き込まれなかったのでしょうか。それは恐らく、ミアとセブのラブストーリーがロマンチックすぎ、スウィートすぎたからかも…ハッピーすぎず、ちょっと「シェルブールの雨傘」っぽいホロ苦さもありましたが、基本的には少女漫画のような、子ども以上大人未満な恋愛が、私には甘酸っぱすぎた…

 同じミュージカルなら、性悪ビッチどもが元気に大暴れする「シカゴ」のほうが、私の口には合ってるかも。私みたいなゲスおやぢには、乙女ちっくなロマンスよりもリアルで汚い痴情のほうが美味なんですこの映画、ファンタジックなまでにロマンチックなシーン満載なのですが、私はうっとりするよりもケツがムズ痒くなることのほうが多く自己嫌悪!
 どーでもいいような細かいことが気になって、めくるめくロマンスに陶酔できなかった。ミア、苦労してる設定のわりには、生活がおしゃれすぎ。家賃が安そうには見えない部屋で友だちと楽しくルームシェア(風呂トイレ共同の四畳半ボロアパートに住めよ!)、車もってるし(原チャリに乗れよ!)セレブも来店するこじゃれたカフェでバイト(居酒屋で働け!)、夜はステキな服を着てパーティ(客じゃなくてコンパニオンガールして稼げよ~)。もちろん枕営業なんかしません。さらに、必死に女優になろうとしてるわりには、演技力を磨く努力をミアがするシーンはほとんどなし。イケメンとの恋愛にウツツを抜かにしてちゃあ、オーディションも落ちますよ。北島マヤを見習え!

 お話よりも、演出と映像、音楽が夢のような映画に仕上げていました。「セッション」とはまるで毛色が違う内容ながら、同時に前作を彷彿ともさせます。特に編集が素晴らしく、磨きがかかってました。ジャズミュージシャンを目指していたとうチャゼル監督らしく、ジャズがとても効果的、魅力的に使われています。監督のジャズへのこだわりがすごく感じられます。ジャズファンには嬉しいけど、画面狭しと踊りまくり歌いまくりを期待するミュージカルファンには、ちょっと物足りないかも。主演の二人の歌と踊りもAKB、ジャニーズレベルなのですが、ドヤ顔で巧さをひけらかすよりは好感を抱けます。
 主演のライアン・ゴズリングとエマ・ストーンは、オスカー候補も当然の好演。特にエマの堂々たるヒロインっぷりは圧巻。

 ↑二人にはヒゲダンス(古っ)踊ってほしかった
 でもエマ、小顔からはみ出さんばかりのデカい目と口!たまに顔が怖かった…漫画顔ですよね~。女優冥利につきる役を入魂で演じてたエマに、心から拍手!でも?でも?アカデミー賞主演女優賞はエマしかいない!と誰もが断言してるけど、私にはこの映画のエマが「Elle」のイザベル・ユペールに勝ってるとは、どうしても思えない…実力ある若い女優ならミア役は演じられるかもしれないけど、Elleのヒロインはイザベル・ユペール以外ぜったい不可能。いつまでも脳裏から離れないのは、エマの気合いの入ったキュートさではなく、ユペールの軽やかな変態っぷりのほう。まあこれは、OLに人気のスウィーツか、マニア向けのゲテモノ料理、どっちが好きかの違いなんでしょうね
 セブ役のライアン・ゴズリングは、完全にエマの相手役で、主演というより助演っぽかったような。ミアとセブに男女の生々しさがなかったせいか、エマとは恋人というより仲良しの兄妹っぽい雰囲気だった。ひょうひょうとした言動、優しい笑顔がハートウォーミング。生活のためにセブがチャラい曲や恰好を強いられてもガマンするシーンのライアンに、何度もクスっとさせられます。この映画のためにピアノを習った、と聞いてビツクリ。役者ってスゴいな~。私など、100年習ってもムリだわ。「セッション」での怪演名演でオスカーを受賞したJ・K・シモンズが、チョイ役で友情出演してます。
 愛をこめて撮られたロサンゼルス、映画の都ハリウッドの風景も、この映画の見どころのひとつです。チャゼル監督は、イングリッド・バーグマンのファンなのかな?ミアの部屋、「カサブランカ」が撮影された部屋の前にあるカフェ、ラスト近くでも看板に、バーグマンが現れて印象的でした。

 ↑まだ32歳!チャゼ坊が可愛い🎶オスカーを獲れば、史上最年少監督賞受賞者なんだとか。スゴい!

 ↑タイタニックのレオ&おケイを超えるコンビ(カップルではない)誕生?また共演してね♪
コメント (6)
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