まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

プラトニック刑事

2018-06-24 | 北米映画 80s~90s
 懐かしの80年代映画②
 「刑事ジョン・ブック 目撃者」
 現代社会から距離を置いて生活しているアーミッシュの村で暮らす未亡人のレイチェルは、幼い息子サミュエルを連れて都会に住む親戚のもとを訪れる途中、殺人事件に巻きこまれてしまう。事件を担当する刑事ジョン・ブックは、サミュエルが目撃した犯人が警察内にいることに気づくが…
 80年代最高のスターといえば、わし的には何と言ってもハリソン・フォードです。子どもの頃、TVで観た「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」で初めて彼に出会った時、な、何てカッコいいおじさまなんだ!と幼い乙女心が激しくときめいた記憶は、今も褪せていません。彼目当てで、もちろんスターウォーズも観ました。インディ・ジョーンズとハンソロ、という映画史に残る大当たり役に2つも恵れたハリソンおじさんですが、それではやはり役者として飽き足らなかったのか、さらなる高みを目指して選んだのがこの名匠ピーター・ウィラー監督作における刑事役でした。

 ハリソンおじさんの目論見は成功し、この作品の演技で彼は初めてアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされました。今のところ、それが最初で最後のノミネーションとなってます。この作品のハリソンおじさんが素晴らしいのは、みんなから愛されたインディとハンソロのイメージを、ひっくり返したり壊したりしてなかったところ。演技派を目指したといっても、いきなりデ・ニーロもどき、パチーノもどきな分不相応な無茶をするのではなく、今まで通り+α的な演技だったのが賢明で、ファンにも優しい挑戦でした。

 ジョン・ブックもインディ&ハンソロ同様、ちょっと屈折してるけどオチャメな面もある、力強く正義感の強いタフガイヒーロー。アドベンチャーやSFではなく、現実社会に生きるリアルなヒーロー、というのがインディ&ハンソロとの相違で、それがハリソンおじさんの新たな魅力となってました。くたびれたスーツ姿もイケてましたが、アーミッシュ村での農夫姿と大工姿の似合いっぷりときたら!やっぱ私、キレイキレイなイギリスのハイソな美青年よりも、土のにおいがする男らしい肉体労働者のほうが好き。実際にもハリソンおじさん、俳優になる前は大工さんやってたとか。道理で板についてたわけだ。

 ハリソンおじさんのロマンス演技も秀逸でした。不器用だけどロマンチックで切ない大人のプラトニックラブ。夜の納屋でのダンスシーンや、裸のレイチェルをじっと見つめ、彼女を抱きたいけど抱かないシーンでの、情感のこもったハリソンおじさんの表情に胸キュン。インディやハンソロもキスが上手でしたが、ジョン・ブックの情熱的なキスもなかなかのものでした。おまえは俺のものだと言わんばかりの、いい感じで支配的な男らしいキス。あんなキスされてみたいものです。

 レイチェル役のケリー・マクギリスは、美人なんだけどちょっとイカつくて男っぽいところが、農婦っぽくて役に合ってました。都会的な美女や嫋々とした美女だと、きっとミスキャストになってたでしょう。いつの間にか消えてしまったケリー・マクギリスですが、今どうしてるんでしょう。サミュエル役のルーカス・ハースが可愛い!幼いのに、危機にも賢く勇敢に振る舞うサミュエル。もしmy 甥っ子のジミーだったら、映画が始まって10分ぐらいで死んでますわ村の若者役で、LOTRのアラゴルンことヴィゴ・モーテンセンが!わ、若い!可愛い!台詞はまったくなく、ただニコニコして画面に映ってるだけなんでけど、妙に目立つのがやはり後にスターとなる者の輝きでした。
 さすがオスカーの脚本賞を受賞しただけあって、サスペンスとロマンスの融合が巧みでした。でもこの映画最大の見どころは、アーミッシュの生活描写でしょう。私、この映画で初めてアーミッシュの存在を知りました。現代社会を拒絶した清らかで閉鎖的なライフスタイルが、美しい映像で描かれていました。今でもネットとかスマホとは無縁なのかしらん。
コメント (2)
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