「スキャンダル」
大手テレビ局FOXニュースの元キャスター、グレッチェン・カールソンがCEOであるロジャー・エイルズをセクハラで告訴する。騒動の中、被害に遭ったことがある花形キャスターのメーガン・ケリーは、沈黙を守るか共に闘うか迷い苦悩するが…
シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー、ハリウッドの大物女優3人の競演作。日本のCMレベル女優のキレイカワイイ学芸会にはもうウンザリ。美貌や安定路線、培った人気など、いろんなものをかなぐり捨てた恐れ知らずな役や演技、見た目で観客をドン引きに近いほど圧倒してこそ真の女優。すごい美女なのに、それを否定するような汚れ役や狂った役を果敢に演じることで定評のある女優が、一人だけでも十分濃ゆいのに三人も集合してしまった贅沢な映画、さぞや胸焼けのするような女優魂を見せつけられることだろうと、大きな期待を抱いて観ました。で、どうだったかというと…
御三方とも評判通りの力演でした。美しく見せたい好感を抱いてほしいという過剰な自意識や媚は微塵もなく、世にはびこる理不尽や非道を訴えたい!という真摯で強いメッセージ性ある役と演技にはただもう感服と畏怖あるのみです。シャー子さんは得意の自分崩しでほとんどご自身を消した顔になってたし、ニコキさんは億さずに容色の衰えをあらわにし、マーゴットは恥辱のパンチラ。CMの仕事が大事な日本の女優は絶対やらない、できない勇気と根性でインパクト強烈です。3大女優の競演が売りな映画なのですが、3人が一緒の画面でそろうのはエレベーターで鉢合わせするシーンだけ。ほぼ個人プレーなので、女優同士の火花散ら演技合戦という期待はハズレて残念。そしてこの御三方、他の出演作でもですが、鼻息が荒く力が入り過ぎな傾向があるので、見ていてちょっと疲れることも事実。どう見ても泣き寝入りなんかしそうにない、やられたら倍返し間違いなしな女たちなので、被害者の痛みや苦しみはあまり伝わってこなかったです。
3大女優の演技もだけど、セクハラパワハラに心身を傷つけられる女の痛みや屈辱、反旗を翻す女の怒りと強さ、というゴリゴリなフェミニズムが結構しんどい。セクハラパワハラ野郎や老害をギャフンと言わせてスカっとするはずの内容なのに、痛快さやカタルシスはほとんどなかった。3人の女たちの強さや行動力には心底頭が下がるけど、共感とか好感は抱けませんでした。彼女たちは被害者なんだけど、毒を食わらば皿まで的にセクハラパワハラに耐えたり見て見ぬふりをしたりしてまで出世したい、富と名声を得たいという野心や打算もまた生々しくイヤらしく、女たちの蜂起と糾弾もほとんど私憤にかられた報復っぽくて、女の恨みの深さに戦慄。良識的で平等と協調が保たれた清い世界では、きっと彼女たちは満たされず輝けなかっのではなかろうか。汚いものを栄養に強く美しくなっていく、そんなヒロインたちのように思えました。
それにしても。老害社長たちのセクハラパワハラは非道すぎ醜悪すぎて、ほんと吐き気がしました。出世のためとはいえ、女たちよく我慢できたよな~。あんなことが当たり前のように横行する環境、怖すぎる異常すぎる。有能で美しいと、受難もまた多いんだな~。有能でも美しくもない私は幸せ者かも。権力を振りかざして立場の弱い者を虐げたり食いものにするような卑劣なゲス野郎どもは、手ひどい天罰が下ればいいと心底願いますが、私のように強い賢い男には従順になる意識が低い愚か者には、攻撃的で好戦的なフェミニズムが少し息苦しく重くも感じられます。
ジョン・リスゴーの強権的なゲス老害っぷりの醜いパワフルさも圧巻。後半に登場する弁護士役は、マーゴット・ロビー主演の「アイ、トーニャ」でアカデミー助演女優賞を受賞したアリソン・ジャネイでした。TV局オーナーの次男役の俳優がイケメンだった。アメリカのTV事情とか政治情勢とかに無知なので、登場人物の関係性とか肩書、立場がよく分からず戸惑うことが多々ありました。トランプ大統領、ほんとど準主役級な登場回数と存在感です。日本の女子アナたちも、この映画のようにパワハラセクハラにまみれながらも、したたかにサバイバルしてるのかな。
大手テレビ局FOXニュースの元キャスター、グレッチェン・カールソンがCEOであるロジャー・エイルズをセクハラで告訴する。騒動の中、被害に遭ったことがある花形キャスターのメーガン・ケリーは、沈黙を守るか共に闘うか迷い苦悩するが…
シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー、ハリウッドの大物女優3人の競演作。日本のCMレベル女優のキレイカワイイ学芸会にはもうウンザリ。美貌や安定路線、培った人気など、いろんなものをかなぐり捨てた恐れ知らずな役や演技、見た目で観客をドン引きに近いほど圧倒してこそ真の女優。すごい美女なのに、それを否定するような汚れ役や狂った役を果敢に演じることで定評のある女優が、一人だけでも十分濃ゆいのに三人も集合してしまった贅沢な映画、さぞや胸焼けのするような女優魂を見せつけられることだろうと、大きな期待を抱いて観ました。で、どうだったかというと…
御三方とも評判通りの力演でした。美しく見せたい好感を抱いてほしいという過剰な自意識や媚は微塵もなく、世にはびこる理不尽や非道を訴えたい!という真摯で強いメッセージ性ある役と演技にはただもう感服と畏怖あるのみです。シャー子さんは得意の自分崩しでほとんどご自身を消した顔になってたし、ニコキさんは億さずに容色の衰えをあらわにし、マーゴットは恥辱のパンチラ。CMの仕事が大事な日本の女優は絶対やらない、できない勇気と根性でインパクト強烈です。3大女優の競演が売りな映画なのですが、3人が一緒の画面でそろうのはエレベーターで鉢合わせするシーンだけ。ほぼ個人プレーなので、女優同士の火花散ら演技合戦という期待はハズレて残念。そしてこの御三方、他の出演作でもですが、鼻息が荒く力が入り過ぎな傾向があるので、見ていてちょっと疲れることも事実。どう見ても泣き寝入りなんかしそうにない、やられたら倍返し間違いなしな女たちなので、被害者の痛みや苦しみはあまり伝わってこなかったです。
3大女優の演技もだけど、セクハラパワハラに心身を傷つけられる女の痛みや屈辱、反旗を翻す女の怒りと強さ、というゴリゴリなフェミニズムが結構しんどい。セクハラパワハラ野郎や老害をギャフンと言わせてスカっとするはずの内容なのに、痛快さやカタルシスはほとんどなかった。3人の女たちの強さや行動力には心底頭が下がるけど、共感とか好感は抱けませんでした。彼女たちは被害者なんだけど、毒を食わらば皿まで的にセクハラパワハラに耐えたり見て見ぬふりをしたりしてまで出世したい、富と名声を得たいという野心や打算もまた生々しくイヤらしく、女たちの蜂起と糾弾もほとんど私憤にかられた報復っぽくて、女の恨みの深さに戦慄。良識的で平等と協調が保たれた清い世界では、きっと彼女たちは満たされず輝けなかっのではなかろうか。汚いものを栄養に強く美しくなっていく、そんなヒロインたちのように思えました。
それにしても。老害社長たちのセクハラパワハラは非道すぎ醜悪すぎて、ほんと吐き気がしました。出世のためとはいえ、女たちよく我慢できたよな~。あんなことが当たり前のように横行する環境、怖すぎる異常すぎる。有能で美しいと、受難もまた多いんだな~。有能でも美しくもない私は幸せ者かも。権力を振りかざして立場の弱い者を虐げたり食いものにするような卑劣なゲス野郎どもは、手ひどい天罰が下ればいいと心底願いますが、私のように強い賢い男には従順になる意識が低い愚か者には、攻撃的で好戦的なフェミニズムが少し息苦しく重くも感じられます。
ジョン・リスゴーの強権的なゲス老害っぷりの醜いパワフルさも圧巻。後半に登場する弁護士役は、マーゴット・ロビー主演の「アイ、トーニャ」でアカデミー助演女優賞を受賞したアリソン・ジャネイでした。TV局オーナーの次男役の俳優がイケメンだった。アメリカのTV事情とか政治情勢とかに無知なので、登場人物の関係性とか肩書、立場がよく分からず戸惑うことが多々ありました。トランプ大統領、ほんとど準主役級な登場回数と存在感です。日本の女子アナたちも、この映画のようにパワハラセクハラにまみれながらも、したたかにサバイバルしてるのかな。