まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

Blessed Boys

2024-04-30 | イタリア映画
 「異人たち」公開記念BL映画祭⑤
 「La Santa Piccola」
 ナポリの小さな町で暮らすリノとマリオは、幼い頃からの親友同士。リノの幼い妹アンナルーチェが奇跡を連続して起こし、信心深い町民たちから聖なる少女として崇められるようになる。リノは一変する生活に、マリオは自分がリノに恋をしていると気づき戸惑うが…
 イタリアのBL映画、なのですが。BLそのものががっつりメインじゃなかったのが物足りませんでした。リノとマリオの友情がBLへと形を変えていくプロセスをもっとじっくり描いてほしかったです。それにしても。男同士の仲が良すぎる友情って、立派なBLですよね。女とはヤルし結婚もするけど、一緒にいたい、楽しいことも悩みも分かち合いたいのは男の親友。そういう深く強い心の結びつき、精神的な同性愛の美しさと危うさも、腐をときめかせる魅力です。

 女そっちのけでイチャイチャじゃれ合ってる仲良しイケメン二人組、なんてすごく尊い!萌える!妄想をかきたてる!この映画のリノとマリオも、ほとんどカップル。いくら仲良しとはいえ、男同士であんなことする?なスキンシップばかりするんです。周囲も別に奇異な目で見てないし、イタリアではあんなのフツーなのかな。あっけらかんと堂々としてるよりも、やっぱ周囲も本人たちも、そして観客もドキドキハラハラさせたり不安にしたりするような、そろそろ禁区 by 明菜な領域に入るBL、つまり世間的に後ろ指さされる、やましいものとされている関係が、私はやっぱ好きです

 すべての男性は同性愛を秘めているけど、ほとんどの男性がそれに気づかず目覚めない、と言われていますが。幸か不幸か、突然リノに親友以上の想いを抱いていると気づいてしまったマリオ。なりゆきで熟女と3Pをすることになり、そこでリノの痴態を目の当たりにしたことがマリオのBLスイッチをオンしてしまったのが、可笑しくも切ない。熟女との3Pが、あたかもリノとマリオのセックスみたいなシーンになってたのが、なかなかエロくて刺激的な演出でした。マリオを誘ってるとしか思えぬリノの無防備さ、無邪気さが小悪魔でした。

 軽いBLものにありがちな安易で都合のいいハッピーエンドではなく、かなりホロ苦い結末になるのですが、絶望的でもなかったような余韻。次々と起きた奇跡のように、きっと二人にも…と希望を祈りたくなるラストでした。
 主役の俳優二人が、なかなかイケメンでした。リノ役のフランチェスコ・ペッレグリーノは、クールなやんちゃ男子って感じ。家族のために一生懸命なけなげさと、ハメをはずした時の下半身のだらしなさのギャップが可愛かったです。マリオ役ヴィンチェンツォ・アントヌッチは優しそうで、恋に悩んでオロオロするところが可愛かったです。アンナルーチェ役の女の子が美少女!美男子のリノとはまるで恋人同士のような仲睦まじさで、絵になる美しい兄妹でした。アンナルーチェが固まって動かなくなる、動かせなくなる神がかり?現象がホラーでした。ナポリの町の超庶民的な生活風景や町の様子も興味深かったです。
コメント (2)
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