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工場で働く青年朔也は、豪雨の夜に川に落ちて死んだ母が、法律で制度化された自由死を選択していたことを知る。母の本心を知りたい朔也は、AI企業に依頼して仮想空間で母を甦らせるが…
「ぼくたちの家族」や「バンクーバーの朝日」などの石井裕也監督作品。芥川賞作家、平野啓一郎センセイ原作の映画といえば、「ある男」が好評だったみたいですが、私は未見のまま。でも、こっちは速攻で観に行きました(^^♪すごく楽しみにしてたんですよ。だって、池松壮亮
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真面目で不器用な青年役でも、どこかもう人生に倦んだような退廃と倦怠を漂わせてるところが好きです。大げさな演技はしないのですが、はっと見入ってしまう、引き込まれてしまう表情や目つきをするんですよ。誰ものぞけない異世界を見つめているような瞳が、怖くて美しくもあった。壮亮くんの美しい瞳って、「アデルの恋の物語」や「ポゼッション」のイザベル・アジャーニの瞳を思い出させるんですよね~。そんな俳優、日本には壮亮くんしかいません。
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いろんな人や状況に翻弄され、狼狽し傷つく壮亮くんが哀れで可愛いです。ボソボソ声ではなく、はっきり喋ったり大声の時の美声ときたら!お猿さんのような童顔も、相変わらずラヴリー。不自然なツルツル美白肌ではなく、ちょっとザラっと脂っけのある浅黒い肌が男の色気を醸して素敵。とっちゃん坊やなアラサー童貞?みたいな役だけど、色気は隠せない壮亮くんです。小柄なんだけど、体つきが何かエロいんです。シャワーシーンでちょっとだけ脱いでましたが、いいカラダ
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この映画、すごい豪華キャストです。AI企業のCEO役が妻夫木聡、朔也の友人役が水上恒司、若い富豪役が仲野太賀、他にもチョイ役で綾野剛、窪田正孝など、一枚看板の人気俳優がズラリ。石井監督作品の常連で、共演も多いブッキーと壮亮くん。今回のブッキーは弟分?の壮亮くんのための友情出演っぽく、登場シーンも少な目。ブッキーもすっかりおじさんになったなあ。可愛いおじさん。ブッキーと綾野剛、「怒り」のBLカップルじゃん!二人のツーショットを久々に見て、やっぱ「怒り」はブッキーと壮亮くんだったらさぞや…と思いました。
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水上恒司、デビュー作のクソドラマ「中学聖日記」でのイケメンぶりと学芸会以下な大根演技が強烈でしたが、久々に見たらすごく成長したな~と思いました。いい演技、いい味。でも演技よりも、やっぱ見た目が最強です。端正な男らしい、けど可愛くもある顔立ち。壮亮くんにやたらイチャイチャ絡むシーン、なかなか萌えました。朔也のことが好きなのかな、と勘繰ってしまうほどの執着が愛しかったです。共演作が多く、私生活でも仲良しっぽい仲野太賀と壮亮くんは、再来年のNHK大河ドラマでも共演予定ですね。
朔也の母役は、名女優の田中裕子。おしん(古っ!)も、すっかり老婦人になりましたね~。滅多に会えないのでプレミア感があり、出てるだけで何だか作品の格が上がるような。三吉彩花は初めて演技するところを見ましたが、美人ですね~。オンナオンナしてない、クールな美青年っぽい風貌がカッコいい女優かも。デカい?壮亮くんのほうが背が低かったような。
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そう遠くない未来では、あんな風に高度なAI技術が利用されるんですね~。いいのか悪いのか。それにしても。もう会えない人にAIでとか、私からしたら気持ち悪い発想です。私ならもし母が急死したとしても、本心とか秘密とか知りたいとは思わないなあ。ベタベタしい親子の情とか苦手。テーマはユニークなんだけど、いい映画、それだけ、で終わってしまってるのがいつもの石井監督らしかったというか。何か惜しい、物足りない。AIが知りたくなかった母に関する事実や秘密を暴露したり、勝手に個人情報を公開したり、ちょっと暴走気味だったのが笑えたので、いっそのことデジタル化社会への警鐘をブラックに描くコメディにしてほしかったかも。自由死制度には賛成。それはそうと。この映画、公開二日目に観に行ったんだけど、週末の夜なのに客は私だけ
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↑ 壮亮は邦画の宝。彼のファンだからこその願い。しょーもない映画やドラマで彼の無駄づかいはしないで!たまにしか会えなくてもいいので、よい作品を選んで出てほしいです
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