

ビール会社を経営する架は、婚活アプリで出会った真実と交際を始めるが、結婚には踏み切れずにいた。そんな中、真実がストーカーに付きまとわれてることを知った架は…
おかしいだろー!!??何で!?この映画を観ている間、そして観た後の感想は、ただもうそれだけです。多くの人は、この映画に感動したり共感したり胸キュンしたりするのでしょうか。ただもう不快なだけ、理解不可能だった私のほうが間違ってるのでしょうか。私にとってはこの映画、近年まれにみる最悪のイヤミス映画でしたわ。とにかく真実という女が、ほんと気持ち悪かったし腹立たしかった。言動も性格も見た目も、すべてにおいて不愉快で嫌悪感しか覚えませんでした。私が最も苦手なタイプの女。羊の皮をかぶったハイエナ、糖衣をかぶせた生ゴミ、みたいな女。私からしたらとんでもないクソ女なんだけど、男はああいうのに弱いんですよね~。

フィクションの世界だと、悪女やビッチにはスムーズに反感や警戒心が抱けるし、企みとか奔放さが魅力的でさえある。相手を陥れたり傷つけようとしたりする性悪女とか、病的なイカレ女コワレ女も、岩井志麻子センセイとか桐野夏生センセイの作品とか笑えるキャラが多い。でも、この映画の真実ときたら。あんなにも嘘つきで無責任で調子がいい女を、けなげで切ないヒロインみたいに仕立て上げてることに、ものすごい違和感。イタい女、ヤバい女として描いてれば、面白いイヤミス映画になってただろうに。こんなにも、うわ~殴りたい!罵りたい!トラックにでも轢かれて早く死ねばいいのに!と思ったヒロイン、初めてかも


架と初めて会うシーンから、もう不快指数マックスな真実。いい年して喋り方もファッションも、かまとと+ちょっと不思議ちゃん。きゃ♡とハンドバッグを落として中身を散らばらせたり、老人のこぼしたお茶を拭いてあげながら自分のスカートをそのお茶で汚したり、優しく可愛いドヂっ娘ぶりに架はキュンキュン、みたいなベタな方法で男の心を掴む序盤で、オエ~と吐きそうになりました


不愉快言動は枚挙にいとまがなく、こんな男とはキスできないとか性格がちょっととか、見合い相手を上から目線で評定したり。見合い相手とデート中、バッタリ会った知り合いにデート?と聞かれて違う!と速攻で否定したり。失踪しても自分がどこにいるか架が察するような写真をインスタにあげたり。こいつほんとタチ悪い女だなと思ったのは、田舎でもすぐに男の気を惹いて、いい感じにもっていってるところ。精神病なのかと疑ってしまうほど理解不可能だったのは、町の役人に架のビール会社を紹介し、結果架が自分のところに来るよう仕向けたこと。田舎の青年でもいいかな、みたいな感じだったけど、いざ都会のハイスペックな元カレと再会すると、やっぱこっちのほうがいい(^^♪とばかりに、これまたまわりくどい方法で男の心をくすぐり、まんまと元サヤにもっていったラストなど、私はSF映画でも観てるのかなと混乱したほどのありえなさ。架、ほんとにそれでいいのか!?とんでもない女に引っかかってしまったバカ男にも呆れるばかりでした。それにしても真実、架とヨリ戻してルンルンで東京に戻るのかよ。田舎の仕事とか、気をもたせて期待させた青年とか、また無責任に打っ棄って?ほんと身勝手すぎて迷惑!

架の女ともだち二人も相当な性悪女どもなのですが、真実の嘘や正体を見破り真実を撃破したところは、グッジョブ!と喝采

この映画を観に行ったのは、言うまでもなく藤ヶ谷太輔



原作小説を読んで感動、架を演じたい!と熱望して実現のため熱心に動いた、とインタビューで語っていたガヤくんですが。この架という男の、どこにそんなに惹かれたんだろう。映画だけだと架は、容姿にもお金にも恵まれた性格もいい欠点のない男、という何の面白みもないキャラ。「そして僕は途方に暮れる」のクズ男なガヤくんのほうが、いい役者だなと思った。架のパーフェクトさの裏に見え隠れするイヤな部分をもっと深掘りしてたら、イケメンなだけ俳優でも演じられる単にカッコいい役ではない、ガヤくんにとってチャレンジングな役になってたことでしょう。

ガヤくん、原作を読んで、架と自分がカブる!と思ったのかな?それはそれで、なかなかの傲慢さではあるけど



↑ ガヤくんももういい年(ポール・メスカルやピエール・ニネより年上!)なので、アイドル仕事は卒業して決定打になる代表作を!