仕事帰り、信号待ちで立ってると、そばにカップルが。男は地味な感じの40前後。女はロングの金髪に上は豹柄、下は超ミニでピンクのタイツ。エリカ様?かと思ったら...振り返った彼女は、エリカ様なギャルではなく、ケーシー高峰そっくりのオバサンだった。いや、オバサンならまだいい。男に甘えるダミ声は、どう聞いてもオッサン...ヤダヤダヤダ~!マリ、そんなとこ入りたくない~!と不気味、じゃない、可愛らしく男にダダをこねるケーシー、じゃない、マリちゃん。目を合わせちゃダメ!私は自分にそう言い聞かせ、うつむいて見ざる聞かざる振り。信号が青に変わると、男とマリちゃんは仲良く腕を組んでホテル街のほうへ消えていきました。
マリちゃんは、女の子それともオッサン?すごく気になって、ビデオ鑑賞も読書も集中できません。
お松の独り市川雷蔵映画祭⑥
「新源氏物語」
市川雷蔵が光源氏を演じた1961年の作品。
“十二単衣がはらりと落ちて、玉なす黒髪は紫のねやに乱れる!九重の奥深くまことの恋を求めて、妖しく、美しく繰り展げる王朝絵巻!衣ずれの音も妖しく、光の君の訪れに、禁断の女体が歓こびにおののく!せめて一夜でも光の君と・・・女性なら誰でも一度は憧れた夢の恋を現代に結ぶ絢爛の大ロマン!この美しさたぐいなく、その激しさ限りなし!王朝の夢を現代に結ぶ絢爛の大ロマン”
↑公開当時の、宣伝惹句です。スゴいですねえ。何か笑えます。
帝の寵愛を受けた桐壺の更衣は、後宮で陰湿なイヂメに。美しい皇子を産んだ直後、彼女は心労がたたって世を去る。成長した息子の光源氏は、亡き母に瓜二つという父帝の新しい女御・藤壺の宮に狂おしい恋心を燃やし、ついに彼女と過ちを犯してしまうが...
映画は、桐壺の更衣がイビリ殺されるところから、源氏が須磨に蟄居を決意するまでが描かれています。
「源氏物語 浮舟」では、好色なラブハンター匂宮を怪演していた雷蔵ですが、今回は主役の光源氏に昇格。艶福なのは同じですが、ちょっとアーパーで笑える匂宮と違って、優しく悩ましい光源氏をシリアスに演じています。バカ殿メイクじゃないのも安心。
おんな心を蕩かすような甘い囁きや口調の雷蔵源氏ですが...雷蔵って、なよやかな貴族より、クールでニヒルな武士のほうが似合うし、カッコいいよあ。女を泣きながら口説いたり、女の床に忍びこんだりするより、悪者を刀でバッサバッサと斬り倒す姿のほうが、私は好きだな。でも、雷蔵のシブい美声での、まろやかな平安貴族の都言葉は、ちょっと新鮮でした。あの声で、ねえこっちへいらっしゃいよ、とか。何か可愛らしかったです。
光源氏といえば、老若男女問わずメロリンキューにしてしまう美貌の貴公子。雷蔵は男前なんだけど、やっぱ侍顔なんですよねえ。光源氏の女性的な甘やかな優美さは、あまり感じられません。武士やってる時より、明らかに声音を優しく柔らかにしてるんだけど、たまに激して強い口調になると、いつもの雷蔵らしくて痺れます。
それにしても光源氏って、あたらめて思ったけど...ほんとヤリたい放題ですよねえ。真面目に天真爛漫に、ストーキング!不法侵入!人妻強姦!幼女誘拐&わいせつ行為!世が世なら、犯罪者です。
光源氏は女たらし、というイメージですが...女たちのほうが、それを求めてるんですよね。この映画の女君たちは、光源氏より積極的で貪欲なのが面白かったです。
未亡人の六条御息所。一度は光源氏と別れたのに、また焼けぼっくいに火がついて...ああ可愛い人!と、年下男をハアハア押し倒す。やがて絶える男の訪れに、『ああ、体が...』と独り悶々。それを見て心配する娘に古女房は『また味わった悦びに、女の体は疼くのでございますよ』と冷笑。御息所が生霊となって光源氏の正妻を憑り殺すシーンは、ショボい特撮が返って不気味な効果を。
原作とは違って、才気があり美人の末摘花。光源氏を臥所に連れ込み『わたくしは、料理人。あなたは、お・さ・か・な♪』
不倫に苦悩する藤壺の宮までも、抵抗をやめて光源氏の胸にしなだれかかり『...すべて、差し上げます...』
とまあ、いつの時代も、貴きも卑しきも、ヤリたいのは何も男だけじゃないのです。
桐壺の更衣と藤壺の宮の二役は、高嶋兄弟の母こと元タカラジェンヌ寿美花代。美人だけど、顔の造作が派手すぎて平安美女って感じではない。
正妻・葵の上は、若尾文子。彼女は和風美女。性格が曲がっていて光源氏に素直になれず、元オ○ムの上祐さんも真っ青なアーイエバコーイウぶりが笑えます。
朧月夜は、中村玉緒。おきゃんで可愛いです。もちろん、現在みたいなヘンなダミ声ではありません。
平安時代ものといえばの、雅やかな衣装や調度品も目に楽しいです。愁嘆場で流れる、和歌をオペラ風にした音楽がちょっと大仰かも...
マリちゃんは、女の子それともオッサン?すごく気になって、ビデオ鑑賞も読書も集中できません。
お松の独り市川雷蔵映画祭⑥
「新源氏物語」
市川雷蔵が光源氏を演じた1961年の作品。
“十二単衣がはらりと落ちて、玉なす黒髪は紫のねやに乱れる!九重の奥深くまことの恋を求めて、妖しく、美しく繰り展げる王朝絵巻!衣ずれの音も妖しく、光の君の訪れに、禁断の女体が歓こびにおののく!せめて一夜でも光の君と・・・女性なら誰でも一度は憧れた夢の恋を現代に結ぶ絢爛の大ロマン!この美しさたぐいなく、その激しさ限りなし!王朝の夢を現代に結ぶ絢爛の大ロマン”
↑公開当時の、宣伝惹句です。スゴいですねえ。何か笑えます。
帝の寵愛を受けた桐壺の更衣は、後宮で陰湿なイヂメに。美しい皇子を産んだ直後、彼女は心労がたたって世を去る。成長した息子の光源氏は、亡き母に瓜二つという父帝の新しい女御・藤壺の宮に狂おしい恋心を燃やし、ついに彼女と過ちを犯してしまうが...
映画は、桐壺の更衣がイビリ殺されるところから、源氏が須磨に蟄居を決意するまでが描かれています。
「源氏物語 浮舟」では、好色なラブハンター匂宮を怪演していた雷蔵ですが、今回は主役の光源氏に昇格。艶福なのは同じですが、ちょっとアーパーで笑える匂宮と違って、優しく悩ましい光源氏をシリアスに演じています。バカ殿メイクじゃないのも安心。
おんな心を蕩かすような甘い囁きや口調の雷蔵源氏ですが...雷蔵って、なよやかな貴族より、クールでニヒルな武士のほうが似合うし、カッコいいよあ。女を泣きながら口説いたり、女の床に忍びこんだりするより、悪者を刀でバッサバッサと斬り倒す姿のほうが、私は好きだな。でも、雷蔵のシブい美声での、まろやかな平安貴族の都言葉は、ちょっと新鮮でした。あの声で、ねえこっちへいらっしゃいよ、とか。何か可愛らしかったです。
光源氏といえば、老若男女問わずメロリンキューにしてしまう美貌の貴公子。雷蔵は男前なんだけど、やっぱ侍顔なんですよねえ。光源氏の女性的な甘やかな優美さは、あまり感じられません。武士やってる時より、明らかに声音を優しく柔らかにしてるんだけど、たまに激して強い口調になると、いつもの雷蔵らしくて痺れます。
それにしても光源氏って、あたらめて思ったけど...ほんとヤリたい放題ですよねえ。真面目に天真爛漫に、ストーキング!不法侵入!人妻強姦!幼女誘拐&わいせつ行為!世が世なら、犯罪者です。
光源氏は女たらし、というイメージですが...女たちのほうが、それを求めてるんですよね。この映画の女君たちは、光源氏より積極的で貪欲なのが面白かったです。
未亡人の六条御息所。一度は光源氏と別れたのに、また焼けぼっくいに火がついて...ああ可愛い人!と、年下男をハアハア押し倒す。やがて絶える男の訪れに、『ああ、体が...』と独り悶々。それを見て心配する娘に古女房は『また味わった悦びに、女の体は疼くのでございますよ』と冷笑。御息所が生霊となって光源氏の正妻を憑り殺すシーンは、ショボい特撮が返って不気味な効果を。
原作とは違って、才気があり美人の末摘花。光源氏を臥所に連れ込み『わたくしは、料理人。あなたは、お・さ・か・な♪』
不倫に苦悩する藤壺の宮までも、抵抗をやめて光源氏の胸にしなだれかかり『...すべて、差し上げます...』
とまあ、いつの時代も、貴きも卑しきも、ヤリたいのは何も男だけじゃないのです。
桐壺の更衣と藤壺の宮の二役は、高嶋兄弟の母こと元タカラジェンヌ寿美花代。美人だけど、顔の造作が派手すぎて平安美女って感じではない。
正妻・葵の上は、若尾文子。彼女は和風美女。性格が曲がっていて光源氏に素直になれず、元オ○ムの上祐さんも真っ青なアーイエバコーイウぶりが笑えます。
朧月夜は、中村玉緒。おきゃんで可愛いです。もちろん、現在みたいなヘンなダミ声ではありません。
平安時代ものといえばの、雅やかな衣装や調度品も目に楽しいです。愁嘆場で流れる、和歌をオペラ風にした音楽がちょっと大仰かも...
観ましたよ~♪
色彩の豊かな映像が美しいので驚きました。
>衣ずれの音も妖しく
いや~ 本当に聞こえましたね。豪華でした。
実はね、私もたけ子さん同様、雷様は翳りのある武士、特に浪人役がお気に入りなんですよ。
やっぱり「おまえをいただく…」の狂四郎が最高かな(笑)
そしていなせな股旅ものも結構良いですワヨ♪
でも今作の雷様も見目麗しゆうございました。
女優陣も見応えありましたね。若尾文子は艶もあってお美しい。
台詞も現代語に近いものが使われていたりで、かなりエンターテインメントでしたね。
「お・さ・か・な」には笑いましたし。
で、『炎上』も続けて観ましたよ。
記事は書く自信はありませんが、雷様の意欲作、感慨深かったです。
おお!ご覧にならしゃったのどすなあ!ほんと、色彩と映像が美しかったですよね。私も寒い冬の夜は、衣ずれの音も怪しく、毛布をズルズルと引きずって歩きます...
眠狂四郎、み、観たい~!でもレンタル店にもないし、スカパーでもやってくれへん~おまえをいただく、なんて雷蔵に言われたら、はい喜んで!どうぞ召し上がって~!と即答♪
若き日の若尾文子(旦那さん亡くなって、御愁傷様...)も美しかったですよね。ぷぷっお・さ・か・な、笑えましたよねえ。現代語的台詞も親しみやすかった。
「炎上」も観たい~!雷蔵+三島由紀夫なんて、おいしすぎる組み合わせだもんね。「剣」も良かったし。fizz♪さんのレビュー、楽しみ!