まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

絶対音感天使

2007-05-18 | フランス、ベルギー映画
 轟く雷鳴と激しい雨に、今日は昼から不穏な天気です。天候だけでなく...
 最近は、慄然となる事件が頻発していて、TVをつけるのも怖くなります。
 少年の母親首切り事件...ただでさえ、大きめの荷物を憂い顔で持ち歩いてる人を見ると、何だか疑心暗鬼に襲われる私。ますますヘンな妄想を抱いてしまいそう。
 バカな若い夫婦が、ガレージのヘルメット入れに赤ちゃんを置いて外出、帰ったら死んでたので、ポリ袋に入れて遺棄...ひ、ひどい!ペットやゴミ以下な扱い。こんな鬼畜を親にもってしまった赤ちゃん、ほんとに可哀想。こんな目に遭うくらいなら、赤ちゃんポストに入れられたほうがマシなのでは...
 元暴力団男が銃をもって立てこもり...またか!亡くなった警察官は、まだ23歳で、結婚して赤ちゃんもいたとか。奥さんや両親、仲間の無念は、いかばかりか。忌まわしい犯人、ヤク中なので捕まっても大した罪にならないだろうから、狙撃隊に射殺されたらいいのに。
 ステーキ店の店長と店員が、客の女性を拉致監禁強姦...信じられない。うかつに独りで食事もできません。
 陰惨な悲劇に、ますます気分は鬱々しくなります。雨が上がったら、希望のような晴れ間が見えることでしょうか。
 
 「コーラス」
 1949年のフランス。田舎の男子寄宿学校に赴任してきたマチュー先生は、生徒たちの問題児ぶりに困惑しながらも、彼らの心を音楽で開こうと試みる...
 評判通りの佳作でした!
 マチュー先生のキャラや教えが、金八先生みたいな説教臭いものではなかったのが良かった。もっともらしい教訓を垂れながら、ベタベタ・ズカズカ子供たちの心に踏み込んだりせず、あくまで音楽で子供たちの興味を惹き、歓びを与えるやり方に共感。貧しい家庭から、厄介払いのように預けられて、退屈や虚しさ、寂しさをイタズラや反抗で紛らわしていた子供たちが、だんだんと音楽で屈託を忘れ、素直になっていくプロセスが、とても楽しく感動的に描かれています。
 さあ泣け!なベタベタしいお涙ちょうだいな要素は全然ないのに、要所要所で涙腺が緩んでしまう。
 問題児だけど天使の美声を持つピエールが、イタズラの罰としてコーラスから外され、悲しそうにションボリしてたら、マチュー先生に許されて、嬉々として歌うシーン。誰かに許される、必要とされる喜びが伝わって、胸がジーンとなりました。
 あと、学校を去るマチュー先生に、姿を現さない子供たちからの別れの紙飛行機が降り注ぐシーン。土曜日になると親が迎えにくると信じていた孤児のペピノが、マチュー先生を追いかけて旅立つのが土曜日だった、というのも泣かせるエピソード。死んだり病気で泣かせようとするのは嫌いだけど、こんな優しい温かい幸福には、素直に泣きたいと思う私です。
 けなげでしょ!頑張ってるでしょ!な子供は何かウザいけど、素直になる方法を知らないだけで、本当は無邪気で無垢な悪ガキは、可愛い。イタズラや反抗している時でさえ生き生きとした生徒たちが、みんな愛しくなります。寂しい境遇でも、同情を媚びるような哀しい様子はほとんど見せず、常に元気で逞しい彼らは、見ていて気持ちよく微笑ましいです。
 知らず知らず目頭を熱くさせるのに、子供たちの歌声も大きな役割を担っています。まさに、エンジェルヴォイス。天使の歌声。汚れのない澄んだ歌声に、心がデトックスされます。
 ピエール役、ジャン・バティスト・モニエは、実際に奇跡的な美声の持ち主とか。
    
 絶世の美少年ってわけではないけど(内田朝陽に似てる?)、声だけでなく演技も素晴らしかった。成長した最近の彼は、ちょっとカツーン系の少年になってるような?
 チビ&デブ&ハゲの救世主マチュー先生も、いい味だしてました。
 ピエールの上を行く危ない超問題児モンガンが、ちょっとブサ可愛かった。彼のオゲレツな歌が笑えた。
 強烈だったのが、校長先生。戸塚ヨットスクールも真っ青な、恐怖の人権無視体罰指導!強権的な上、ズルくてセコくて最悪のジジイなんだけど、何かビミョーに笑える。そこはかとなく悪辣さがコミカル風味になってて、ヒドいことをしても不快ではないのが、不思議なキャラになってました。
 成長して高名な音楽家になったピエールに、ジャック・ペラン。素敵なおじさま。名作「Z」とか若い頃の彼って、ちょっとオーランド・ブルーム似?
 

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2 コメント

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VIVA!フランス映画 (松たけ子)
2007-07-02 17:16:30
fizz♪さん、こんばんは!
先日は、そちらに乱入して汚い足跡をつけてしまい、申し訳ありません。もう来んな!とか仰らんといておくれやす~!こちらこそ、今後ともご指導乞御教示♪
私はどちらかと言えば、子供で泣かす系は苦手なんですが、この映画は感動しました。マチュー先生みたいな教師に、私も教えてもらいたかったなあ。モンガン、あれからどーなったのか気になりますよね。
ペラン氏、素敵なオヂさまですよね。若い頃は、ちょっとブーランド・オローム似?彼の息子マチュー・シモネもイケメン!
「石の微笑」のブノワ、可愛くてセクシーですよ!
本館のMy Favorite!に、フランス男優コーナーがあるので、良かったらチェキってみておくれやす~♪
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ペラン氏 (fizz♪)
2007-07-02 00:26:04
たけ子さん、こんにちは~
先日は拙宅へ来て下さってありがとうございました!
またお話できて、とっても嬉しかったです。
これからも色々教えてくださいね。

最近は特に涙腺が大活躍で、子供が出る映画は涙なしでは観られないので感想が書けません(笑)
マチュー先生は賢い指導してましたよね。
ああいう大人になりたい(今頃かい??)なと思いました。
でもやっぱりモンガンの心を和らげるのには時間と忍耐がもっとたくさん必要なんでしょうね…
そうそうジャク・ペランという俳優さんだったのですね。ハンサム。
フランスと言えば、私はブノワ君です♪(というか、他はあまり知らないので…)
『石の微笑』観たいです!
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