まつたけ秘帖

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大奥’83 TENCAを獲ろう!お玉の野望

2008-12-28 | 大奥’83
 “玉の輿”という言葉の語源となったと言い伝えられている、五代将軍綱吉の生母・桂昌院のサクセスストーリーは、大奥の長い歴史の中で最も有名な逸話のひとつです。
 ※ネタバレ注意!

 第十話「虹を掴んだ少女」
  お玉・・・藤吉久美子
  お万・・・紺野美沙子
  津和・・・宮園純子
  与兵衛・・・森川正太
      ・
  亮賢・・・芦屋雁之助
  おせき・・・高森和子
  酒井忠勝・・・山内明
  徳川家光・・・沖雅也
  春日局・・・渡辺美佐子

 前回、見事に上司の仇を討ったお玉ちゃんが、どういう経緯で江戸城大奥に上がることになったか?話は京の都からスタート。
 京の八百屋の娘お玉は、幼い頃に見知らぬ僧侶から、この娘はいつか天下を獲る!という予言を受け、それを信じて成長します。
 年頃の娘になったお玉、藤吉久美子が、可愛い~!石原さとみを素朴に頑強に賢そうにした感じ?それにしても。お万の方こと紺野美沙子もデカかったけど、藤吉久美子もデカ~い!お玉ちゃんったら、うちは天下を獲るんえ!日の本一の女子になるんえ!と頑なに信じ込み、幼馴染の与兵衛のプロポーズも夢見る夢子ちゃん状態で完全無視!与兵衛役の森川正太、いい味だしてます。
 大奥から、お万の方の侍女・津和が京の六条家に。お万の方のために京娘を部屋子に選ぶことになり、六条家でコンテストが。チャンス!と、お玉ちゃんは張り切って乗り込みますが、落選してガッカリ。が、そこで諦めるお玉ちゃんではありません。
 めでたく選ばれたお鈴に近づくため、お玉はひと芝居うちます。チンピラに扮した与兵衛がお鈴に因縁をつけ、そこにお玉が現れてお鈴を助ける、という筋書き。大成功して(芝居なのに、お玉に殴られるわ蹴られるわ、与兵衛が可哀想!)お鈴とお玉は親友同士に。小心者のお鈴は、江戸にcome with me!と、お玉に懇願。お玉の思惑通りです。津和に許され、お玉も大奥勤めをすることに。心配する母ちゃんと、泣きながら引き止める与兵衛に、笑顔でサイナラ♪意気揚々と江戸への行列に連なるお玉ちゃんです。
 旅の途中、津和から大奥の恐ろしさを聞かされ、お鈴はビビリまくりですが、お玉は上様にダッコされたら出世できるだの、大奥では誰が権力を握ってるだの、野心で目を輝かせてます。

 ついに江戸城大奥にやってくるお玉。機転が利いて愛嬌者な彼女は、お万の方の部屋だけでなく方々で重宝されます。すぐに大奥の女帝・春日局の目に留まることにも成功!春日局にスカウトされたお玉を、津和や先輩女中たちは裏切り者!恩知らず!と罵りますが、お万の方はお玉に運を開けと、優しいエールを送ってくれます。
 春日局の忠実で有能なブレーンとなるお玉。春日局は、もっか家光暗殺を目論む一味の蠢動に警戒中。上様の好きな干し柿を猫に食べさせたら...ウギェエエエ~!!と、猫ちゃんは絶叫して悶絶死!(妙にリアルなシーンでしたが...ホントに殺したんとちゃうか!?)注意しても独りで遠乗りで出かけてしまう上様に、春日局も老中も気が気ではありません。そこでお玉が、一計を献策。
 またまた家臣どもを振り切って、遠乗りに出かける上様。いつも通る村は、何か様子が違うなあと思いつつ、ある小屋の前で馬を停める上様。美味しそうな匂いに引き寄せられ、小屋に入って行きます。中では、村娘に扮したお玉がサンマを焼いていて,...
 小屋の前で草を食んでる上様の馬、のどかな青空には虹の橋が架かって...で、セ・フィニ~♪


 第十一話「上様はさんまがお好き」
  お玉・・・藤吉久美子
  津和・・・宮園純子
  与兵衛・・・森川正太
      ・
  亮賢・・・芦屋雁之助
  おせき・・・高森和子
  酒井忠勝・・・山内明
  徳川家光・・・沖雅也
  春日局・・・渡辺美佐子

 上様に内緒で、村人に変装した侍と女中が上様を警護、というのがお玉の策。上様は初めて食すサンマをお気に召して、城へ戻ってもサンマ食いてぇ~とご機嫌です。
 上様のお目が留まり、夜伽に召されることになったお鈴。ビビリまくって怖気づく彼女を、お玉は叱咤激励。が、お鈴ったら寝所で愛撫する上様を突然イヤ!と突き飛ばします。怒って帰っちゃう上様。不埒者!としょっぴかれるお鈴、いややー!!と錯乱して逃走、井戸へと投身自殺!!あ~あ、何としたことでしょう。江戸へなんか来ないほうがよかったね、お鈴ちゃん。合掌。
 お玉の機略で上様を狙う曲者どもも一網打尽にでき、ますます春日局のお玉への信望は厚くなります。が、女中に成りすました暗殺団の残党が、春日局に刃を!とっさに春日局もろとも橋から池に落ちるお玉...
 ピチピチ娘のお玉はケロっとピンピンしてますが、老女の春日局は風邪をこじらせて寝ついてしまいます。病臥する春日局の代わりに、お玉は大奥を采配し始めて...
 老中たちは、お玉がわざと春日局を池に突き落としたのでは?と疑惑。滅相もない!と泣いて抗弁するお玉ですが...うう~ん。確かに怪しいかも?
 大奥追放のピンチに陥るお玉ですが、どこまでツイてるねノってるね♪なのでしょう。彼女の腹には上様のお胤が宿っていたのでした。サンマと一緒に、自分も食べてもらってたのです。ホントちゃっかりしてますよねえ。
 持ち前の機転と才覚で出世するお玉と、可愛がってた彼女にいつしか地位を乗っ取られる春日局。二人の関係は、ハリウッドの名作映画「イヴのすべて」を彷彿とさせます。でも、お玉は悪賢い女狐なんかじゃないんですよね。彼女の意志以上の力、そう、強運がすべての人を虹を掴むための踏み台に変えてしまった、みたいな。
 重態に陥った春日局は、とうとう家光の腕の中でこの世を去ります。家光のためだけに生き、家光のために多くの人々を不幸にした業の深い彼女ですが、決して後悔などはしていないでしょう。徳川家のため、怨み憎しみにまみれることも厭わなかった烈女・春日局の血塗られた“女の一本道”に比べて、あおいちゃん篤姫の一本道なんて自分が汚れることは何もしない、カッコつけてるだけのスウィートなキレイごとじゃん!
 家光の御子を産んだお玉、いえ、お玉の方さまの引き立てで、恩人の亮賢や与兵衛、母ちゃんも江戸で出世を。やがてお玉の方は、五代将軍綱吉のご生母さまとして、女人としては最高の従一位の位を賜ることになるのでした。幼き日の予言は、見事に的中!
 まさにこの世の春、満開の菜の花畑を駆け抜けるお玉...でセ・フィニ~♪
 

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