まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

トオルとエツコ 

2008-07-17 | 日本のドラマ(単発)
 録画してた土曜ワイド劇場2本、観ただよ...

 まず「刑事殺し② 刑事の娘が拉致された!全裸殺人の復讐…警視庁に告ぐ!タイムリミット午前0時」...
 大好きな仲村トオル主演。まさか刑事殺しがシリーズ化されるとは思ってもみなかったので、嬉しい驚き。でも第2作目は刑事、殺されてないじゃん?!まあ、そうそう刑事が殺される話にするわけにはいかないでしょう。次回からはタイトル、「警視庁捜査一課 野津刑事の殺人捜査」とかにすればいいのでは?
 今回は、桶川のストーカー殺人がモチーフっぽい内容?警察内部の軋轢とか対立とかのほうに重点を置く方向性なシリーズみたいです。ワタシ的には、事件の謎とか犯人の動機を丹念に描いてほしいのですが、残念なことにそれらはやっぱ従来の2時間ドラマって感じでした。ラスト、野津が犯人を騙す仕掛けにビックリ。苦い後味を残す解決法でした。警察に謝罪させて怨みを晴らしたはずの犯人、騙されたと知ったら、さぞや無念だろうなあ。出所したら、絶対仕返しに来るよ。
    
 主人公、野津刑事役の仲村トオルがカッコいい見た目はクール、中身は熱いトオル刑事に、ぜひ逮捕されたいものです。もうおじさんと呼ばれる年齢なのに、メタボや加齢臭とは縁のなさそうなシャープな引き締まり感が、トオルの魅力です。おっさんでもない、若造でもない、渋さと甘さが融合した、男が最も輝く年頃のトオル。彼のチャラチャラしてない硬派ところが大好きではあるのだけど、ちょっとストイックすぎるきらいもあり、演技が堅苦しく面白みに欠けるのも否めないので、たまには崩れた役とかにも挑戦してほしいものです。
 前回は古谷一行、今回は西郷輝彦が相手役。かつて主役を張った人気俳優で、今は老いて脇もするけど2時間ドラマなら主役もする、なベテラン俳優を今後もトオルの相手役に迎えるって趣向のシリーズなのかしらん?次は渡瀬恒彦、藤田まことあたり?
 トオルの部下役、ムーさんこと六平直政も好演。それはそうとムーさん、確か火サスの佃警部補シリーズでは、西郷輝彦の部下役だったよなあ。
 西郷輝彦の部下役で、保坂尚希も登場。トオルと同世代だと思うけど、彼もまだ可愛いですよね。昔から結構好きなんです♪挑発的なキャラも良かった。トオルの妻役が、なぜか山本関西の娘。前回も思ったけど...野津刑事、こんな女のどこに惚れたんだろ~?と首を傾げてしまう見た目&キャラで、いかがなものかな存在。
          
 続いて、「家政婦は見た!ファイナル 華麗な外交官一族の愛と欲、女たちの乱れた関係…秋子、大統領を討つ!?」...
 ガーンTVドラマ史上に燦然と輝くシリーズが、とうとう終焉を迎えてしまいました。寂しい
 社会を騒がせた事件やスキャンダルをネタにしてきたこのシリーズ、最終回は外務省機密漏洩事件。ちょっとマイナーというかマニアック?もうちょっと馴染みのあるネタにしてほしかったかも。最近はブラックコメディ調な社会派っぽい内容になってたけど、上流階級の浅ましく醜い色と欲を描いていた昔のほうが、私は好きだったなあ。
 最終回なので、今まで語られなかった秋子の知られざる面が?秋子に何か起きる!?と期待してたけど、いつもと同じ内容&ラストで肩透かし。ゲスト出演者も、もっと豪華にしてほしかったかも。辻本キヨミみたいなNGOの女性役が、懐かしの金沢碧だったのが驚き。コザール共和国の大統領が、いかにも極悪独裁者な悪人顔で笑えた。
 一世一代の当たり役にピリオドを打った市原悦子も、さぞや感無量なことでしょう。ひょっとして体調が悪いのかも?と心配。
    
 秋子forever...えっちゃん、お疲れ様~!もう、こののぞき姿は見られないのか~
コメント (6)
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フレンチにミステリーナイト

2008-07-16 | 欧米のドラマ
 フランスのTVシリーズ「ル・テスク家の殺人」(全4話)を観ました。アガサ・クリスティの「ポアロのクリスマス」を元にしたミステリードラマです。
 第二次世界大戦前のフランス、ブロターニュにある名家ル・テスク家の館に、主であるシモンの誕生日を祝うため、一族が集まってくる。だが、ほとんどの家族・使用人から憎まれている冷徹で意地悪な老人シモンは、密室で何者かによって殺害されてしまう。警視ラロジエールと部下ランピオンが捜査に乗り出すが...
 すごく面白かったです。短編を、ここまで豊かに膨らませるなんて、お見事。事件の謎や犯人探しよりも、ル・テスク家の館に渦巻く愛と欲望が楽しい。昔の旧家で発生する連続殺人といえば、何だか犬神家の一族っぽいけど、あんなにオドロオドロしてません。さすがフランスというか、すごく小粋な内容と雰囲気。
 オープニングクレジットから、何だか愉快なノリ。そう、これって基本はコメディドラマなんです。登場人物の人間像や台詞も、ブラックなユーモアいっぱい。クスっと笑えるシーンがそこかしこに散りばめられてます。
  
 ↑ル・テスク家の男たち(左画像) ラロジエール警視&ランピオン刑事(右画像)
 ル・テスク一族の複雑で乱れたブルジョアぶり、彼らに絶対服従でかしずきながらも、陰で嘲笑っている使用人たち。ちょっと「ゴスフォード・パーク」とカブるところがあります。でも英国よりもフランスは、はるかに愛の密度が濃ゆい!みんな、殺人事件なんかどこ吹く風で?モナムールの嵐状態!館中いたる所で、ハァハァしまくってて笑えます(見張りの制服おまわりさんまで、メイドと)。心はドライでも、体はウェットなところが、フランス人らしい。
 錯綜する感情のもつれと愛、血縁の秘密。犯人よりも、今度は誰と誰がエゲツなく衝突orエッチするかが楽しみになってしまいます。いちばんビックリ&笑えたカップリングは、やっぱ新人刑事ランピオンくんと・・・これだけでも、日本のTVドラマでは不可能な設定です。それにしてもラブシーン、多すぎ!ほんと、大人向けのミステリー。
 犯人探しも、もちろん楽しい。全員が容疑者ですが...
Aクラス めちゃくちゃ怪しい。殺(や)りかねない。いかにも犯人
 長男の嫁、三男
Bクラス 後ろ暗いけど、犯人って感じではない
 長男、次男、執事、家政婦長、ばあや、下男の青年(執事の息子)、故長女の娘(実は偽者)、黒人の医者(実は隠し子)
Cクラス にぎやかし系、絶対に犯人じゃない
 妹、長男の娘、次男の婚約者、メイドたち
Dクラス そんなんアリかよ?!な反則技
 シモン、ラロジエール警視、ランピオン刑事、コックリさんの呪い
 フツーは、Bクラスなキャラが真犯人ってパターンですが。このドラマでは果たして?
 個性的なキャラぞろいですが。私が最も好きなのは、童貞刑事ランピオンくんかな。可愛いです。ちょっとナヨナヨしてるなあと思ったら...
     
 ...やっぱり初めての恋とエッチに、ときめいて女の子になっちゃってるし。でも、俺やっぱ女がええねん!すまん忘れて!な相手で、可哀想~恋愛にもYAOI要素を忘れないところが、さすが世界で最もゲイに優しい国?フランス。
 キャストも、なかなか豪華です。
 当主シモン役は、名優ロベール・オッセン。上品だけど因業な爺を好演。すぐ殺されちゃいますが。
 長男がブリュノ・トデスキーニ、三男がグレゴリ・デランジェールってのが嬉しい配役!
          
 トデさんは、相変わらずダンディで濃い男前。ツイードのスーツやタキシードが似合っててカッコいい!足に障害がある上、弟に嫁を寝取られた男を、屈折感と哀愁で演じてます。
    
 グレデラくんは、スラっとスマートで、穏やかで優しそう!笑顔が素敵でも、どこか危なっかしいところが魅力の彼なので、奔放な三男役に合ってました。
 ラロジエール警視もシブいおじさまだし、隠し子もモデルみたいな黒人美青年だし、執事の息子も結構イケメン。男優はなかなか男前ぞろいです。次男は男前じゃないけど、ダメ男ぶりが笑えていい味だしてます。
 いちばん目立つ存在なのは、長男の嫁役のエルザ・ジルベルスタインかな。彼女がドラマの中心って感じだし。「ミナ」の時に比べると、さすがにおばさんになったけど、味わいのある女優に成長しているのでは。入浴シーンではヌードも披露!
 家政婦長はミュウミュウ似の可愛いおばさま。事故を利用して孫娘に成りすます女の子は多岐川裕美似?次男の婚約者(ちょっとスカ子似)のノーテンキな性悪さも強烈。
 ル・テスク一族の優雅で瀟洒なブルジョアライフ&ファッションも、目に楽しい。使用人の数、広大な館の管理、領地で乗馬や狩猟、晩餐のたびに違う正装etc.スゴい金持ちなんだろうな~と感嘆しちゃいます。ゴージャスというよりエレガントなところが、アメリカや韓国の成金と違うリッチさです。
   
 
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篤姫(24)~(28) 君去りし夏

2008-07-15 | 日本のドラマ(連続)
 「篤姫」第24話から28話まで観ただよ...

第24話
☆フクさん再登場
 篤姫を筆頭に、エキセントリックな女ばかりが大騒ぎしてる中、フクさんのような落ち着いた女性が出てくると、何だかホっとします。
☆怨めしの折鶴!
 上様の寵愛を篤姫に奪われてしまい、すっかり冬の扇、夏の炉となってしまったお志賀。でも信じて待つの...と、虚ろに微笑みながら折った折鶴で埋もれた部屋!壊れてちゃてる~美人で優しそうな彼女なので、余計に痛々しくて怖い。生霊になって篤姫に憑いちゃいそうです。
☆ご生母さま狂乱
 身分をかえりみず、篤姫このやろー!と掴みかかる本寿院。まるで韓ドラのアジュンマ。更年期障害としか思えない昂ぶりです。
★総括
 お志賀が可哀想...上様も罪な男よのう。
 MVPは、美しく壊れちゃってた鶴田真由。

第25話
☆幾島が鬱陶しい
 世継ぎのこと何とかしろー!と、篤姫をせっつく幾島。ぎゃーぎゃーうるさく騒ぐだけで、まったく無能なのがウザい。篤姫の密命が早々と本寿院たちにバレたのも、幾島のせいだったし。もっと陰謀向きなクールな女を篤姫に付けたほうが良かったのでは。
☆大久保
 せっかく張り切って西郷どんに同行したのに...屈辱に震える大久保ですが、でもあれって当然の扱いでは?どこの馬の骨とも知れぬ大久保を、密談に加えるわけにはいかないでしょ。
 気まずそうながら、悪いけど出ていってくんない?と大久保に頼む西郷どんの、空っとぼけた顔が笑えた。オザユキ、可愛い
☆母と子のブルース
 鬼になる決意をする大久保。私も鬼の母になるとフクさん。バックに流れるロック歌謡ちっくなBGMに、今にもデュエットで歌い出しそうな大久保母子でした。
★総括
 瑛太の出番が少なすぎる~
 MVPは、美しく強い母ちゃんフクさんこと真野響子。熱くてトボけた小澤征悦も可愛かった。

第26話
☆上様、恫喝!
 堺雅人、よく響いてきれいな声。さすが舞台で鍛えられてるって感じ。
☆まだお友達気分が抜けない尚ゴロー
 篤姫のことが心配なのは分かるけど、人前で気安く御台さまの名前を出すのは、畏れおおいことだし、かなり思慮が足りないのでは...
★総括
 幾島がホントうるさくて、暑苦しい。尚ゴローちゃん、そろそろ本格的に復活なのかな?
 MVPは特になし。
    
 尚ゴローちゃんと西郷どんの恋の行方も気になります(注 YAOIだけの妄想)

第27話
☆新旧ぷっつん対決
 井伊直弼役の中村梅雀は、昔の大河ドラマ「吉宗」で、放送コードに引っかかりそうなヤバすぎる若様を大怪演して、他の出演者を食いまくってましたね。その梅雀と初の対決シーンに挑んだ堺雅人。静かな火花が散ってた感じ。
★総括 
 ちょっと中だるみ気味かしらん?上様、しぶとく生き続けてるのも何だか?
 MVPは特になし。

第28話
☆怪人・井伊直弼!
 みかどの勅許も待たず調印するとは、不敬ではないか!!と、珍しく感情的になって難詰する慶喜に、何を言われても『お~そ~れ~い~り奉りま~す~るぅ~』リピートでシラを切り通す井伊直弼。ちょっと妖怪ちっくなキャラで、怖笑!さすが梅雀、役者ですねえ。今後も不気味な炸裂を期待!
☆さよなら斉彬
 原因不明?の腹痛を訴え、病の床に。そして寵童・尚ゴローに看取られ他界。お由羅の調伏?!ていうか、お由羅は健在なの?
☆さよなら上様
 そして、上様も...堺雅人のことなので、ラストは思いっきり気合入れまくりな過剰演技を披露するかと思いきや、静かに逝っちゃいましたね。それが返って悲しい余韻を残しました。
 父と夫を同時に喪うWショックに襲われる篤姫。愛する人の死に目に会えないなんて、高い身分ゆえの悲劇ですね。
★総括
 上様&斉彬、重要人物2人が同時に去ってしまった!空いた穴は大きいぞ!誰がそれを埋めてくれるのでしょうか。
 MVPは、うう~ん、今回は迷う。弔意で堺雅人と高橋英樹にあげたいけど、やっぱインパクトの強さで中村梅雀!平岳大も良かったです。
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アラビアな幸せの見つけかた

2008-07-14 | フランス、ベルギー映画
 「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」
 60年代のパリ。父親と二人暮しのユダヤ人少年モモは、雑貨店を営むアラブ人のイブラヒムおじさんと仲良くなり...
 心あたたまる話でした。母親がいなかったり、鬱病っぽい父親といて息苦しい毎日、その父親も自分を捨てて失踪、自殺しちゃったり、かなり悲惨なモモの境遇なんですが、陰気な感じはまったくなく、淡々と対処するモモのクールさに驚嘆。愛してくれない肉親がいなくなってせいせいした、愛してくれる他人のイブラヒムおじさんと家族になれて幸せ!って感じのモモです。
 見た目はガキなのに、精神が早熟なところが、いかにもフランスの子供。モモとガールフレンドのやりとりなんて、ほとんど大人だし。女好きなところもモモ、子供ながらモナムール体質なところは、さすがフランス男です。あの年で、もう娼婦買いかよ!娼婦もよくヤるなあ。犯罪じゃん!
 イブラヒムおじさんの優しさ、敬虔さも印象的です。説教くさいことなど一言もいわず、おおらかにモモを包むイブラヒムおじさんの慈愛、他人の子供にあそこまでできるなんて、すごいです。親切さの裏には、何か下心がある?ひょっとして、変態少年愛爺?!なんて、フツーなら勘繰っちゃうんだけど。悩んだり落ち込んだりしてるモモに、イブラヒムおじさんが言う台詞が、すごく素敵です。イブラヒムおじさんに出会えたモモ、本当に幸せ者です。
     
 娼婦たちも、クールだけどみんな情味があって、チャーミングです。パリの裏町の様子も興味深い。イブラヒムおじさんの故郷への旅も、珍しい風景や土地の風習など、観光気分になれて面白いです。60年代のポップを散りばめた音楽も、耳に楽しいです。
 イブラヒムおじさん役でセザール賞主演男優賞を受賞した、エジプト出身の名優オマー・シャリフ。英語だけでなく、フランス語もペラペラなんですね。まさに国際男優。
 モモ役のピエール・ブーランジェ、ちょっとブラッド・レンフロっぽくて可愛かったです。
 街に映画のロケに来るスターの役で、何と!イザベル・アジャーニがカメオ出演。
         
 ちょこっとしか出てませんが。イブラヒムおじさんに、ミネラルウォーターをボッタクられちゃうところが笑えます。何だか妖怪バービー人形っぽい見た目で、だんだんキワモノっぽくなってるアジャ様ですが、やっぱ可愛いです。アラブの血を引く彼女なので、内容に共感してゲスト出演したのでしょうか?
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プラシャーイチェ上海

2008-07-13 | イギリス、アイルランド映画
 「上海の伯爵夫人」
 政情不穏な1936年の上海。家計を支えるため、ナイトクラブでホステスとして働くロシアの亡命貴族の未亡人ソフィアは、盲目のアメリカ人元外交官ジャクソンと知り合い、彼が新しく作ったクラブ“白い伯爵夫人”の運営を手伝うことになるが...
 ロシアの貴族とか、迫害を受けてたユダヤ人とか、ヨーロッパから逃げてきた人々の難儀な生活ぶりが興味深かったです。貧乏になっても捨てられない貴族の傲慢なプライドが虚しくも滑稽で、アジアに来ても差別や敵意に追いかけられるユダヤ人の宿命が悲しい。
 ソフィアの家族の身勝手さ性悪さに、イラっ&ムカっとさせられっぱなし。何もできない自分たちの代わりに働くソフィアに依存しながら、彼女を恥ずべき堕落女と蔑み冷たく当たる姑&小姑。パラサイトしてるくせに、それはないだろ~!?みたいな。嫁を夜の女にして貢がせるなんて、究極の嫁いびりです。ロシア時代から、よほどの確執があったのでしょうか。フツーなら、おまえらなんか知るか!野たれ死ね!なんだけど、ソフィアは娘のためにひたすら耐え忍ぶだけ。娘を連れて二人だけで暮らせばいいのに!ソフィアに香港行きの船賃を工面させながら、あなたがいないほうが娘のためよ!と、戦火の迫る上海に彼女だけ置き去りにしようとする鬼姑&小姑。ひ、ひどい!爺と婆(姑の姉夫婦)、じゅうぶん長生きしたんだから、おまえらが残れよ!こいつらの乗った船、日本軍の爆撃に遭えばいいのに!と本気で思いました。
 あの性悪な小姑、よく考えてみれば哀れな女かも。ソフィアへの冷たい仕打ちの要因は、どうせ私はブスで根暗なオールドミスだから、あんたみたいにホステスになって稼げやしないわよ!みたいな嫉妬と僻み?姪を溺愛するのも、ソフィアから引き離したいという悪意が感じられるし。ソフィアが美人で優しい義妹じゃなければ、小姑もあそこまで冷酷にはならなかったかもね。
 とまあ、羅刹の家ちっくな嫁いびりのせいで、ソフィアとジャクソンのロマンスとか、緊迫する世情とか、かなり影が薄くなってしまってます。
 「日の名残り」と同じカズオ・イシグロの小説の映画化なのですが、ジェームズ・アイヴォリー監督にしては、ちょっとハリウッド的というか、わかりやすくてスケールが大きくなってるんだけど、以前のような優美な文芸風味に欠けてる感じがして、ちょっと惜しいかも。魔都と呼ばれた上海も、ぜんぜん退廃的じゃないし。アジア独特のエロチシズムって、やっぱ西欧人には描けないのでしょうか。
 ソフィア役は、ナターシャ・リチャードソン。地味美人?ジャクソン役のレイフ・ファインズのほうが、品があって若く見えました。
          
 謎の日本人紳士マツダ役で、真田広之が登場。ちょい役なのかと思ったら、かなり重要で印象的な役でした。長い英語の台詞も、立派にこなしていました。それに彼、やっぱ男前ですよね。アイヴォリー監督に気に入られたのか、監督の新作“The City of Your Final Destination”にも連投出演してますね。国際俳優として、今後も頑張ってほしい
 鬼姑役は、リン・レッドグレイヴ。その姉役は、ナターシャ・リチャードソンの実母ヴァネッサ・レッドグレイヴ。レッドグレイヴ姉妹が競演してるのも珍しい。名女優姉妹が、娘・姪のためにサポート出演?
 ソフィア一家と交流があったフランス人外交官、どっかで見たことあるなあと思ったら、あ!ジャン・ピエール・ロリじゃん!久々に見た彼、すぐに気づかないほど老けたけど、やっぱ男前でした♪ちょっとしか出てこなくて残念。ロリさんのトレビアンなポートレイトこちら、必見!うう~ん、ボーギャルソン
         
 「スピードレーサー」も公開間近、海外で活躍する真田さん。オコチャマ向けな今の日本の映画とTVドラマの世界は、真田さんが実力と魅力を発揮できる場所ではなくなってるのでしょう。残念ですね。
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恋するMOH

2008-07-11 | 北米映画 08~14
 昨日、落ちるのは恋か人間的評判か、なんて書いたばかりなのに、さっそく落としてしまいました。試写会帰りに乗った電車で、切符を。うわ~マジでイライラ&自己嫌悪!改札出るのに、また払わなきゃなんないの!?そんなん絶対イヤー!と、往生際悪くいつまでもカバンやポケットを探っていたら、改札にいた駅員さんが、事務所に入っていった。私はフラフラ~と、黙って改札を通り抜けたのだった。ゴメンなさい。でも、無銭乗車したわけじゃないし、I don't have to feel guilty,do I ?
 暑さで注意散漫になりがちな季節、皆様も落し物には気をつけましょう♪

 「近距離恋愛」
 TVドラマ「グレイズ・アナトミー」でブレイクした、パトリック・デンプシー主演のラブコメ。
 プレイボーイのトムと真面目なハンナは、大学時代からの親友同士。しかし、ハンナがスコットランドの貴族と結婚することになり、トムは彼女に恋していることに気づく。ハンナに請われて花嫁介添え人(made of honor、略してMOH)を務めることになったトムは、彼女が結婚する前に想いを打ち明けようと奔走するが...
 典型的な軽~いラブコメです。何の感銘も驚きもないけど、すったもんだを経て思った通りになる展開は、水戸黄門のような安心感があります。肩が凝らないお気楽さ、これがアメリカン・ロマコメの王道です。
 話じたいは、ほんとに他愛がないというか、いい年した大人の男が何やってんの~と呆れてしまうのですが、アメリカ人の元気なノーテンキさって楽しくて好き。でも、度を越したノーテンキさでトンでもなく無神経になるところも、アメリカ人という人種。ラスト近くのスコットランドでの結婚式シーンなど、おいおいっです。おまえらホントにそれでいいのかよ~?!花婿側の気持ちや立場を考えると、笑えません。めちゃくちゃ人が好すぎるスコットランド貴族です。逆だったら、裁判ものです。アメリカ人、訴訟好きだしね。
 ニューヨークのトレンディ(死語?)なシティライフ、スコットランドの上品で野性的な貴族生活が、貧乏な一般人の私の目には現実感のない別世界。スコットランドの結婚式の伝統行事が、ホントにそんなことしてるの?で面白いです。
          
 トム役のパトリック・デンプシー。あの人は今だった落ちぶれ元アイドル俳優が、いつの間にか大復活して新ラブコメキングに。ほんと人生って、分かりませんね。すっかり大人の男になったパトデ(ジョニデにあやかって)ですが、カッコいいというよりオチャメな可愛い系?軽薄なヤリチン男の役でも、愛嬌があって憎めない。それにしても、すごいモテモテっぷりでした。女はみんな、パトデに欲情って感じで。やたらと上半身裸になるシーンが多いところなど、いかにもパトデファンのための映画。ワタシ的には裸よりも、体を張ったパトデのオバカ演技のほうがチャーミング。ミニスカートで砲丸投げ(パンチラあり!)とか、かなりアホで笑えます。皿回しが上手で感嘆!それにしてもトム、遊んでばかりないで働けよ~!トムと悪友たちの仲の良さも、友情っていいな~と羨ましくなったけど、ちょっとラスト・フレンズちっくにベタベタしすぎにも見えた。
 他界したシドニー・ポラック監督が、トムのパパ役を好演しています。この親にしてこの子あり、なヤリチン老父で笑える。
 
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仁義なき刺青の掟

2008-07-10 | イギリス、アイルランド映画
 暑い~!すっかり夏になっちまいましたね...鬱。
 グアムな去年と違って、今年は何の予定もないのも寂しいです。ああ~素敵なイケメンと恋に落ちる代わりに、かったるい暑さのせいで仕事に支障をきたして人間的評価が落ちそうで怖いsummer of 2008です。
 平日デイオフな今夜は、試写会に行ってきま~す♪

 「イースタン・プロミス」
 アラゴルンことヴィゴ・モーテンセンが、今年のアカデミー賞で主演男優賞にノミネートされた作品。
 ロンドンの病院で、少女が赤ん坊を産み落として死ぬ。助産婦のアンナは少女が残した日記から、ロシアマフィアの血塗られた所業を知ることに...
 いや~噂通り、アラゴルンが~LOTRでブレイクする前から、タダモノじゃないと思わせてたヴィゴさんですが、デヴィッド・クローネンバーグ監督と組んでからの彼は、ますます役者魂が炸裂。前作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」の時の彼に、男ざかりの色気&渋みが加増されてる感じで、スゴい!というより、カッコいい~度が高かった。
 表向きは首領の運転手だけど、その忠実さと凄腕を買われて、首領の息子のお目付け役を仰せつかっているニコライ役のヴィゴさん。どー見ても堅気ではないヤーさんオーラで、危険なフェロモンをビンビン放ってます。極道スーツが似合ってて素敵始末した男の死体をクールに解体したり、刺青だらけの全身など、ヤバすぎ!るはずな男なのに...悲しいほど優しく見えるのはなぜ?
          
 ドンのイカレたバカ息子への辛抱強い献身、バカ息子の命令でファックした娼婦にそっと投げるいたわりの言葉、身に危険が迫るアンナに向ける寂しげな目etc.それらのすべてに悲しげな優しさが感じられて、冷酷極悪な仕事ぶりとは不思議な矛盾を感じる。淡々とした寡黙さに滲む、ミステリアスな愁い。その秘密が蜜となって、アンナと同じように観客もニコライに惹かれてしまう。ラスト近くに判明する、ニコライの“男道”の真相に驚愕。そうだったのか、と納得しつつも...底なしの地獄からもう這い上がれない彼の運命、なら単なる可哀想な悲劇の男、なんだけど、ひょっとしたら地獄でしか生きられない男なのかも?暴力は本能?と思えて、すごく怖くて不気味でもあるところが、悪でも善でもない、ニコライを複雑で魅力的なキャラにしているのです。
 大熱演!とは違う、余計な台詞も感情を分かりやすくあらわにした表情もない、クールで謎めいたヴィゴさんの演技が秀逸。まさに狼の哀愁!圧巻なのは、もちろん例のシーン。そう、サウナでの格闘!うわ~文字通り、すっぽんぽんだ!ちらちら見えるモノが気になって、せっかくの壮絶な死闘も
 クローネンバーグ監督らしく、暴力描写も過激でエグいけど、ワタシ的には「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のほうがウゲゲだったかも。
 とにかく、乙女淑女なアラゴルンファンが観たら卒倒ものな、ヴィゴの静かなる凄惨さは必見!LOTRで得た人気に胡坐をかかない、ヴィゴの果敢で挑戦的な姿勢を尊敬せずにはいられない。スゴいと感嘆したはずの「甘い人生」のイ・ビョンホンとかが、オコチャマ演技に思えてくる。いわんや邦画の男優のユルさヌルさときたら。せっかく日本には、やくざ映画という伝統?ジャンルがあるのだし、ニコライみたいなクールでヘヴィでセクシーな極道が出てくる任侠邦画、作ってほしいです。
 アンナ役のナオミ・ワッツ、相変わらず薄幸そうで、またヒドい目に遭うのかなあと心配でしたが、気丈で勇敢なヒロインだったので安心。
 ドンのバカ息子役、ヴァンサン・カッセルも強烈!ほとんど○ちがいです。ニコライへの態度は、明らかに倒錯した愛の形です。ドン役のアーミン・ミューラー・スタールも怖かった。二人ともオスカーの助演男優賞にノミネートされてもよかった怪演と存在感でした。
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bruising affairs

2008-07-04 | 中国・台湾・香港映画
 髪を切った私に~♪by 聖子 昨日は、ラストフレンズのルカみたい、なんて恥ずかしげもなく言ってしまいましたが、そんな可愛らしいもんじゃなかったことを、今日になって自覚。ダミアンによると『美川憲一みたいな髪型』...ガーン私は蠍座じゃないもん!天秤座だもん!ぷんすか!
 早く伸びろ髪よ~!と、鏡を見るたびに祈念しています...

 「傷だらけの男たち」
 「恋する惑星」では顔を合わせなかったトニー・レオンと金城武が、がっつりぶつかり合ったサスペンス映画。
 元刑事の私立探偵ボンは、恋人の自殺という悲劇から立ち直れず、アルコールに溺れている。ボンを優しく見守る元上司のヘイ。そんな中、ヘイの妻の父が惨殺される事件が発生。ボンは真相究明に乗り出すが...
 トニさん&金城武、とっておきの華流男前のツーショットだけでも、見ごたえあり、ていうか、それしか見所がない映画かも...サスペンスとミステリーは、ぶっちゃけ日本の2時間ドラマっぽいです。火サスな内容を、スタイリッシュ風味な演出と雰囲気で、かなりごまかしてるって感じが...
 事件の謎は、まあ2時間ドラマでもいい。何てったって、2大スターの競演なんだから。男前ふたりの濃ゆ~い激突こそ、この映画のセールスポイントなんだから、と思いながら観てたのですが...うう~ん。二人とも男前ですが、期待してたような濃密で熱いバトルもなくて、残念というか、惜しいというか。せっかくこの二人を使ってるのになあ。別に同性愛っぽくしろとは言わないけど、もうちょっと絡んでドキっとするような危険な感情のもつれ&ガチンコ対決が見たかったかも。
 いちおうトニさん&金城武のW主演だけど、どっちかといえば金城武のほうが主役?
 金城武、相変わらずフェロモンもあってE男なんだけど、何だろう?大根とまでは言わないまでも、演技に新鮮で大胆な挑戦がないというか、いつも同じって感じ?アル中の役なんだけど、ぜんぜんボロボロ感がないし。生活が荒んでるのに、おしゃれな髪型は崩れてないって、どーいうこと?“カッコいい俺”ってのは、消したくないってことなんでしょう。キムタコや竹野内豊とかもそうだけど、もういい年なんだし、そろそろ雰囲気と見た目だけじゃない、俳優としての変化と成長を見せてほしいなあ。
          
 トニさんが悪役!ということも話題になりましたが。ぜんぜん悪人じゃないです。そういう点でも、ちょっと残念。トニさん、冷酷な悪人は似合わないけど、ストーカーとかDV男とか、異常な狂気系はハマリそうですよね。今回も、彼の暗い目つきや表情を見てそう思いました。メガネがクールで可愛いトニさん。私も奥さん役の女優みたいに、トニさんにお姫さまだっこされたり、ラブラブなスキンシップされたい~! 
 トニさんの同僚役で、チャップマン・トウが登場。チャップマンのアホ可愛さって、ほんと癒されます。
 金城武の今カノ役は、またあんたか!なスー・チー。華流男前千人斬り状態です。魅惑の美女ヒロイン役だと???ですが、コメディや今回の役みたいなチャキチャキしたギャルな彼女は、なかなかチャーミングです。
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リンカーンは生きていた!

2008-07-03 | 北米映画 00~07
 やっとこさ美容院へ行けました。夏なので、思い切ってバッサリ切ってもらいました。ワタシ史上、最短髪!ラストフレンズのルカみたいになっちゃいました。男は諦めて、ルカを見習って長澤まさみみたいな可愛い巨乳ちゃんを好きになりそうです。

 「ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記」
 パート1より先に観てしまいました。
 歴史学者のトレジャーハンター、ベン・ゲイツの前に現れた謎の男ウィルキンソン。彼によって着せられた、ゲイツ家の先祖がリンカーン暗殺に関わったという汚名を晴らすため、ベンは暗殺者の残した日記に秘められた暗号を解こうとするが...
 パート1を観てないと???な内容じゃなかったので安心。でもやっぱ、順番に観るべきかも...
 すごく面白かったです。インディ・ジョーンスとかロマンシング・ストーンとか、冒険ものが好きな私なので、満足満足♪ありえねー!!ンなアホなー!のテンコモリなんですが、それを楽しむ映画ですよね。真面目にアラさがしなんて、無意味だし時間の無駄。
 スケールの大きい宝探しが楽しい。ワシントン、パリ、ロンドン、と縦横無尽。移動、早っ!パリの自由の女神、ロンドンのバッキンガム宮殿、ラシュモア山の歴代大統領彫像など、各地の名所に宝の居所を解く鍵が隠されているのも、観光気分を味わえる趣向になっています。
 アメリカの歴史に詳しければ、もっと楽しめたかもなあ。歴史的事実の裏に実は!な、トンデモ陰謀説が好きな人には、ほんと愉快な内容だと思う。荒唐無稽!と一蹴するのではなく、信じる信じないは別にして、もしそうだったら面白いな、と思える柔軟さ、あっても悪くないはず。
 奇抜で凝った仕掛けや小道具も目に楽しい。よく思いつくなあ、と感嘆してしまう発想の数々。そして、次々とスゴい行動に出るベン一味に唖然。秘密を聞き出すために、アメリカ大統領を誘拐(ていうか、おびき出し?)までしちゃうし。バッキンガム宮殿やホワイトハウスに、あんなにいとも簡単に侵入できちゃうなんて。日本の皇居には、忍び込まないでね!
 バッキンガム宮殿のセキュリティ職員なんて、後で始末書・減棒・クビものだよなあ、とか。ロンドンのカーチェイスでメチャクチャにされたカフェ、誰に弁償してもらうのかなあ、何で警察がすぐ出動しないのかなあ、とか。そんなことは一々気になる私です。
 キャストが、こーいうアドベンチャー映画にしてはシブい。
 ウィルキンソン役のエド・ハリス(中途半端な悪役だったなあ)、ベンの父はアンジーパパことジョン・ヴォイト、ベンの母は何と!ヘレン・ミレン。ハーヴェイ・カイテルとかも出てるし。これが本格的ドラマなら、異様に濃ゆいメンツです。私らだって、たまにはビックバジェットな娯楽大作にも出たいの!な名優たちです。
 ベン役のニコラス・ケイジは、相変わらずモト冬樹なんだけど、ふとした瞬間に男前にも見える不思議な俳優です。ベンの知識や行動力より、記憶力に驚嘆。私なんか、自分の携帯番号さえ憶えらないのに...
 ベンの仲間ライリー役のジャスティン・バーサが、わりとカッコカワイくてイケてたのも収穫。
 パート1も観なきゃ♪
 
 
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リンリー警部③~⑥ 英吉利式相棒

2008-07-02 | 欧米のドラマ
 リンリー警部シリーズ第3作から6作まで観ただよ...

 ③「血の代償」
 スコットランドの田舎、演劇プロデューサーである貴族の館で、女性脚本家が惨殺される。ヘイバースとともに事件を担当するリンリーだが、愛するヘレンが容疑者の一人と恋人関係にあることが捜査の支障となって...
 事件の謎と真相そのものは、あまり面白くないです。スコットランドの田舎の風景が素敵。ヘレンの見た目もキャラも、ぜんぜん魅力がないので、何でリンリーが彼女に執着するのか理解できないんだよなあ。そんなリンリーにイラつきながらも、ナンダカンダで励ましたり慰めたりするヘイバースの、不器用な優しさがいい感じ。ヘイバースって、男前(女だけど)!
 イギリスのTVドラマって、たまに下積み時代の人気スターが出てきて、驚喜させられることが。
          
 館の下男で、主の娘と恋仲の青年、どっかで見たことある子じゃのお、と思ったら...あ!ジェームズ・マカヴォイじゃん!野暮ったいので、すぐに分かんなかった。今のほうがイケてます。容疑者の一人だった彼も、真犯人に惨殺されちゃいます

 ④「エレナのために」
 オックスフォードの大学教授の娘で聾唖のエレナが、ジョギング中に何者かによって殺害される。リンリーとヘイバースは、エレナが挑発的で奔放な生活を送っていたことをつきとめるが...
 これもなあ。エレナの父と真犯人の関係がラストに唐突に明らかになった感じで、脚色がマズい。この作品も、話より舞台となるオックスフォードの街並みの美しさ、趣深さに心惹かれます。
 ここにもなぜか偶然ヘレンがいて、リンリーさんの捜査の邪魔?に。だんだん見た目もキャラも柔和になりつつあるヘイバースですが、女性蔑視な男たちに対しては相変わらず好戦的でキツいところが、彼女らしい。ヘイバースがかます皮肉や当てこすりって、クールで小気味よくて好きなんだよなあ。リンリーのこと、ひょっとして好きなのかな?と思わせる、ビミョーな表情や言動も面白い。
 リンリー警部のシャワーシーンあり(ケツまで見せるサービス)。中年紳士マニアの方々には眼福ものかも...

 ⑤「消えた子供」
 田舎町で、牧師が怪死。招かれた家で食べた料理の中に、野生の毒にんじんが混入されていたことが判明し、リンリーとヘイバースは捜査に乗り出すが...
 殺人の動機と犯人の正体が、なかなかユニークです。都会で行方不明になる幼子って、あーいう形で生存、成長してるかもしれないな、と怖くなった。
 で、またヘレンがいるし~しかも、今回初めてリンリーとベッドイン。有頂天になるリンリーですが、ヘレンは逃げ腰。リンリー、何であんなわけのわからんオバサンが好きなの?
 リンリーの恋愛と並んで、ヘイバースの痴呆ママも毎回頭痛のタネ。とうとう老人ホームに入れてしまい、独りになった家をリンリーの配慮で改装され、施しは真っ平!あんた何様よ?!と激怒するヘイバース。信頼で結ばれた相棒になっても、やっぱ二人の間には階級意識の壁があるのが、いかにもイギリスらしいコンビでもあります。でも結局は、リンリーの真摯さと優しさがヘイバースに伝わって、ホっとしました。
 この作品でも、イギリスの田舎の美しさを堪能できます。冷涼感ある濃緑の自然が素晴らしい。

⑥「炎に隠された心」
 放火された別荘で、人気クリケット選手の遺体が発見される。事件を捜査するリンリー&ヘイバースの前に、被害者の息子である少年が容疑者として浮かび上がるが...
 今回は郊外や田舎ではなく、ロンドンが舞台でした。ロンドンといっても、おなじみな観光地ではなく、裏町や裏通りなどが目に珍しく興味深かったです。事件に絡んでくる、動物愛護団体の過激さにビックリ。ほとんど犯罪集団です。
 被害者の周囲に渦巻く女たちの愛憎が、もうちょっと丹念に濃密に描けてたらなあ。まあ、約2時間のドラマなので、仕方ないけど。ヘレンのプロファイリングとかリンリーとの恋愛とか、あまり必要がないし面白くない部分は削ってもいいので、容疑者たちの人間像にもっと焦点を当ててほしかったかも。
 

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