トンネル崩落事故…まさに絶句するしかない惨事が、年の瀬になって起こってしまいました。亡くなられた方々のご冥福と、負傷された方々の一日も早いご回復をお祈りします…
私も最近、車で通勤してるのですが…家から職場まで長いトンネルを幾つも通過せねばなりません。いくら安全運転しても、崩落なんて避けようがない。注意しても回避できない不運や悲劇が、世の中にはあふれていますよね…
「アウトレイジ」
ビートたけしこと北野武監督作品を、初めて観ました。
関東裏社会を牛耳る山王会は、麻薬で稼ぐ村瀬組を疎ましく思い、そのシマを狙っていた。山王会の傘下にある大友組は、罠を仕掛けて村瀬組壊滅に成功するが、それは山王会内部での熾烈な抗争を勃発させることに…
すごく面白かったです!もともとヤクザものが好きなこともあり、男たちの血で血を洗う死闘にはドキドキ&ワクワクさせられました。最近はヌルいユルいTVドラマばかり観てるせいか、その激しさや凶暴さは返って新鮮でした。本当は善い人とか可哀想な人、といったキャラが皆無で、みんな黒い野望まみれ、私欲まみれなところが潔くもあった。
ヤクザ世界のヒエラルキー、ピラミッド構造が明確かつ残酷に描かれていたのが、大変興味深かったです。上には絶対服従、下は人間以下な扱い。徹底した上意下達は、いかにも日本らしい、昔の封建制度そのものです。地位によって態度や言葉づかい、意思まで厳格に目まぐるしく変えなければならないところは、現在のサラリーマン社会にも通じるように思えました。山王会の会長を頂点に、右腕の加藤→寺元組組長の寺元→若頭の小沢→大友組組長の大友→若頭の水野→子分ども、と上下関係が命がけの体育会系なノリ。思惑や不満、憤怒や妬みがドロドロと渦巻いています。上に怒られたり理不尽な命令をされたり侮辱されたりしたら、そのシワ寄せは必ず下に順番に降りてくるところなど、非道すぎて笑えました。銃や刃物で暴れるより、人間関係のほうが大変そうでした。血まみれで死ぬ前に、ストレスで胃に穴が空きそうなヤクザたちでした。
任侠を重んじる熱い武闘派昭和節ヤクザと、クールで合理的で狡猾な陰謀派政治家系ヤクザとの対比も面白かったです。ヤクザ映画といえばの残虐なヴァイオレンスシーンは、かなりホラーだけどスタイリッシュな工夫があって楽しめます。特に水野の最期は、悲惨すぎてインパクト強烈。
この映画、笑えるシーンもたくさんあります。村瀬とかアフリカの某国大使の黒人とか、明らかにお笑いキャラ。お笑いを忘れないたけし、好きです。そのビートたけしが、演出だけでなく不器用な昔堅気なヤクザ大友を熱演してます。たけしといえば、大久保清とか千石イエスとか金嬉老とか、実在の犯罪者を演じた彼も忘れがたいですね。
キャストがシブくて魅力的でした。普段はヌルい映画やTVドラマでやっつけ仕事してる俳優たちが、ここぞとばかりに生き生きと楽しそうに激演してます。
抗争の元凶となる寺元役の國村準、シブくて硬派な彼しか見たことがなかったので、その下劣で軽薄な演技はかなり強烈でした。村瀬役の石橋蓮司は、助演男優賞ものの珍演。小沢役の杉本哲太、今まで見た中で一番男前だった。水野とのシーンで一瞬、何とも言えない表情を見せ、やっぱ彼って演技うまい!と感嘆しました。悪賢い経済ヤクザ石原役の加瀬亮は、濃ゆいオヤジどもに混じってると、さすがに可愛いらしかったです。
いちばんイケてたのは、水野役の椎名桔平。
いい役もらいましたね、きっぺい。あの衝撃作「永遠の仔」以来の快演と男前ぶりでした。すぐにブチキレる狂犬ぶりも、ふてぶてしい不敵な笑顔も素敵でした。ヤク売人のラーメン屋の頭に箸を突き刺すシーンの彼、超怖いけどカッチョE!スーツが似合ってて、スラっと着やせしてるけど脱いだら肉厚でセクシー。彼だけ軽くベッドシーンあり。
それにしても。罵倒合戦もこの映画の見所のひとつなのですが、みんな何かと言えば『この野郎!!』を常套句にしてるのが笑えました。観終わった直後は、伝染して思わず口にしてしまいそうになるので要注意!
続編の「アウトレイジ ビヨンド」早く観たい!
私も最近、車で通勤してるのですが…家から職場まで長いトンネルを幾つも通過せねばなりません。いくら安全運転しても、崩落なんて避けようがない。注意しても回避できない不運や悲劇が、世の中にはあふれていますよね…
「アウトレイジ」
ビートたけしこと北野武監督作品を、初めて観ました。
関東裏社会を牛耳る山王会は、麻薬で稼ぐ村瀬組を疎ましく思い、そのシマを狙っていた。山王会の傘下にある大友組は、罠を仕掛けて村瀬組壊滅に成功するが、それは山王会内部での熾烈な抗争を勃発させることに…
すごく面白かったです!もともとヤクザものが好きなこともあり、男たちの血で血を洗う死闘にはドキドキ&ワクワクさせられました。最近はヌルいユルいTVドラマばかり観てるせいか、その激しさや凶暴さは返って新鮮でした。本当は善い人とか可哀想な人、といったキャラが皆無で、みんな黒い野望まみれ、私欲まみれなところが潔くもあった。
ヤクザ世界のヒエラルキー、ピラミッド構造が明確かつ残酷に描かれていたのが、大変興味深かったです。上には絶対服従、下は人間以下な扱い。徹底した上意下達は、いかにも日本らしい、昔の封建制度そのものです。地位によって態度や言葉づかい、意思まで厳格に目まぐるしく変えなければならないところは、現在のサラリーマン社会にも通じるように思えました。山王会の会長を頂点に、右腕の加藤→寺元組組長の寺元→若頭の小沢→大友組組長の大友→若頭の水野→子分ども、と上下関係が命がけの体育会系なノリ。思惑や不満、憤怒や妬みがドロドロと渦巻いています。上に怒られたり理不尽な命令をされたり侮辱されたりしたら、そのシワ寄せは必ず下に順番に降りてくるところなど、非道すぎて笑えました。銃や刃物で暴れるより、人間関係のほうが大変そうでした。血まみれで死ぬ前に、ストレスで胃に穴が空きそうなヤクザたちでした。
任侠を重んじる熱い武闘派昭和節ヤクザと、クールで合理的で狡猾な陰謀派政治家系ヤクザとの対比も面白かったです。ヤクザ映画といえばの残虐なヴァイオレンスシーンは、かなりホラーだけどスタイリッシュな工夫があって楽しめます。特に水野の最期は、悲惨すぎてインパクト強烈。
この映画、笑えるシーンもたくさんあります。村瀬とかアフリカの某国大使の黒人とか、明らかにお笑いキャラ。お笑いを忘れないたけし、好きです。そのビートたけしが、演出だけでなく不器用な昔堅気なヤクザ大友を熱演してます。たけしといえば、大久保清とか千石イエスとか金嬉老とか、実在の犯罪者を演じた彼も忘れがたいですね。
キャストがシブくて魅力的でした。普段はヌルい映画やTVドラマでやっつけ仕事してる俳優たちが、ここぞとばかりに生き生きと楽しそうに激演してます。
抗争の元凶となる寺元役の國村準、シブくて硬派な彼しか見たことがなかったので、その下劣で軽薄な演技はかなり強烈でした。村瀬役の石橋蓮司は、助演男優賞ものの珍演。小沢役の杉本哲太、今まで見た中で一番男前だった。水野とのシーンで一瞬、何とも言えない表情を見せ、やっぱ彼って演技うまい!と感嘆しました。悪賢い経済ヤクザ石原役の加瀬亮は、濃ゆいオヤジどもに混じってると、さすがに可愛いらしかったです。
いちばんイケてたのは、水野役の椎名桔平。
いい役もらいましたね、きっぺい。あの衝撃作「永遠の仔」以来の快演と男前ぶりでした。すぐにブチキレる狂犬ぶりも、ふてぶてしい不敵な笑顔も素敵でした。ヤク売人のラーメン屋の頭に箸を突き刺すシーンの彼、超怖いけどカッチョE!スーツが似合ってて、スラっと着やせしてるけど脱いだら肉厚でセクシー。彼だけ軽くベッドシーンあり。
それにしても。罵倒合戦もこの映画の見所のひとつなのですが、みんな何かと言えば『この野郎!!』を常套句にしてるのが笑えました。観終わった直後は、伝染して思わず口にしてしまいそうになるので要注意!
続編の「アウトレイジ ビヨンド」早く観たい!