ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

平和への祈り

2010年09月09日 | 世界とわたし
ころさんは、わたしが毎日一回は必ず寄り道しに行きたくなるブログ(http://koyomi07.at.webry.info/)の管理人さんです。

彼はここのブログの記事『この子をのこして』をきっかけに永井隆さんの著書を三冊購入し、その中の『長崎の鐘』から抜粋した文章を紹介してくれました。
たった今、その記事を読んで帰ってきました。
明日、『ミサコのピアノ』に出会う前に、これを読むことができて本当に良かったと思います。
戦争、テロ、紛争……その行為がいかに無意味で愚かしく、破壊的なことか、再度しっかり胸に刻み込むことができました。

みなさんにもぜひ読んでもらいたいと思い、ころさんには無断で少し転載させてもらいます。


永井隆著『長崎の鐘』より。

私は一切の力を失った者です。 
完全に力を出し尽くして、しかも負けたのです。 
これがどうして残念といわれましょう。 
なんの遺憾があります? 
私たちの現在の心境は、むしろ雨後の月みたいです。 
負けて悔いなき戦でした。

もし私に家も財産も妻もそのまま残っていて降伏になったのだったら、私は今どんなにか苦しいでしょう。 
これこそ国家に対し、戦災同胞に対して大きな負担ではないでしょうか? 
国家が滅びると同時に私の家もなくなり、国が破産すると同時に私も無一物になったと思えば、悲しみの中にむしろすがすがしい気が湧いてきます。

これだけの人命、これだけの物資、これだけの時間をかけ、これだけの人類を総動員して平和的発明に向かわせたら、もっともっと大きな効果があります。 
とにかく戦争は利益をもたらす事業ではありません。

義経の戦には絵があります。 
乃木大将には詩があります。 
しかし原子爆弾のどこに美がありましたろう。 
あの日あの時、この地にひろげられた地獄の姿というものを、君たちが一目でも見なさったなら、きっと戦争をもう一度やるなどという馬鹿馬鹿しい気を起こさぬにちがいない。



『復讐は神の領分であって、人間には無い』と断言された博士。

博士の、残していかなければならなかった幼子達への祈り、平和への祈り、二度と戦争を起こさないことへの祈り、そして自分自身への祈りの深さを計り知ることはできないけれど、
そのほんの一部でも、わたしはピアノを弾くことで、心の手をしっかりと合わせ、祈りたいと思います。
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やっぱりピアノが好き!

2010年09月09日 | 音楽とわたし
昨日は父の誕生日だった!そしてそれは、12年後の同じ日に生まれたH師匠の誕生日でもある。
つい前日まではぼんやりと覚えていたのに、亡くなってから初めて、すっかり忘れて過ごしてしまった。
ベッドに入ってから思い出して泣きそうになったが、ピアノの部屋に彼の遺影を飾ってあるので、わたしの様子の一部始終を見ている父は、まあ、しゃあないわな、と思ってくれているだろう、と思うことにした。
父は、「まうみがピアノを好きなだけ弾ける環境を作ってやりたい、という気持ちだけはあった」と、亡くなる間際に済まなさそうにつぶやいていた。


昨日の鍼が、今日の夕方になって効いてきた。

朝はまだまだ怠くて、その様子を見た旦那がけっこうガッカリしていた。

でも、首の根っこは楽になってきたし、腰の痛みも消えたし、少し元気も出てきた。

今日は昼過ぎからぶっ通しでレッスンをし、最後の二人は明日の演奏者。

今までかなぁ~り心配だった、ある意味賭けみたいな気持ちで様子を見守っていた弟くんがよく弾けて、
今までかなぁ~り安心していたお姉ちゃんが今日はコケまくってどっひゃ~!明日までに立ち直ってくれればいいのだけど……。

で、これからは自分の練習。あとは野となれ山となれの心境に到達するまで、もう少し頑張ろう。まだ妙に未練が残っているのはよろしくない。


息子Tが、大家さんとのインタビューを終え、サインを済ませたと連絡してきた。
来週末に引っ越すのだそうな。
彼が勤めている会社の名前と、彼がクレジットカードの優良使用者だというのが決め手になったらしい。
部屋の写真が3枚送られてきた。
大きな窓がある広々としたリビングと、ガラスタイルで仕切られたベッドルーム(クローゼット付き)と立派なキッチン。わたしが住みたいわい!
周りの環境もとても静かで安全だそうで、一人暮らしのビギナーには最適かも。
すでに下見に行っていて、アジアンマーケットの場所や店の様子も把握していた。
車だと1時間弱。飛行機に乗らなくても行ける場所に住んでくれることがとても嬉しい。
彼は今週4つものプロジェクトを抱えている。またちゃんとやり遂げて新しい伝説を作ってやる、と威勢がいい。
わたしもこれからもうちょっと最後の足掻きをするわ、というと、頑張れ!と言ってくれた。
彼は昔っから、わたしが必死でピアノを練習しているのを喜んでくれる子だったな。などと思い出してニンマリする。


昨日、鳥の親子が水遊びをしていた所のすぐ上で、ボーイフレンドを呼ぶ赤い鳥がいた。
今日は冷たい風がビュンビュン吹き荒れているので、羽根を毛羽立ててまんまるだ。



遊び歩いて、いや、遊び飛んでばかりいるボーイフレンドに、「いったいあんた、どこでなにしてんのよ!」と言いた気に、ピッピッと鋭く鳴く。





さてと、練習練習!その前にちょっとセーターを出して着よう。部屋の温度がぐんぐん下がってきて寒くて仕方がない。
今頃、広島や東京から来られた方達は寒くてブルブル震えておられるのではないだろうかと、少し心配している。
まさかここまで涼しい、いや、寒い秋になっているとは、きっと想像もつかなかったことだろうから。

明日はいよいよ『ミサコのピアノ』に触れることができる。ワクワクどきどきしている。
竹本さんや矢川さんとも会える。他のピアニストの皆さんにも会える。
平和への祈りと鎮魂。きっとすばらしいコンサートになる。
こんな素晴らしい機会に巡り会わせてくれたchi-koちゃんに感謝!








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