先日、宅急便で長い荷物が到着。
重さを測ると、梱包込みで11kg。^^
届いた荷物は、D51蒸気機関車のナンバープレートです。かなり以前から蒸気機関車のナンバープレートが欲しかったのですが、なかなか「これだ!」というモノが無く、やっと「これなら」というのを見つけ、ネットオークションで落札しました。
本当は播但線・姫新線(姫路機関区)か、加古川線・北条線・高砂線(加古川機関区)を走っていた蒸気機関車のナンバープレートが欲しかったのですが、何せ無煙化となって50年以上。ほとんどの蒸気機関車は解体され、僅かに残っているナンバープレートもマニアの手に渡ってしまった状況。
それでも加古川線・北条線を走っていた、C12蒸気機関車のナンバープレートを何とか見つけたのですが、あまりに高額で諦めたところです。
で、今回入手したのは、画像のとおりD51 337号機のナンバープレート。この蒸気機関車の経歴です。(機関車データベース・デゴイチよく走る!のサイトから引用)
1939.12.27 日立製作所で製造 配属:広島鉄道管理局 配置:岡山機関区
1950.9.4 岡山機関区→島根・浜田機関区
1952.7.3 北海道・北見機関区
1952.9.6 北海道・名寄機関区
1952.1.9 北海道・苗穂工場でボイラーをD51 398号機のものと交換・耐寒工事施工
1953.4.8 北海道・名寄機関区
1959.3.2 北海道・苗穂工場で運転室整備
1964.4.1 北海道・名寄機関区
1970.3.31 北海道・名寄機関区 前照灯副灯取付・北海道仕様切り詰めデフ実施
1975.3.20 廃車 走行距離:2,294,956.8km
ところで鉄道マニアの方なら、「これって本物?」と思われたことでしょう。というのも、蒸気機関車のナンバープレートは、レプリカ品や記念品として作られたものが多く、実際に蒸気機関車に付いていた本物か判別が難しいのです。
※ここからマニアックな内容になります。興味のない方は一気にスクロールしてください。(^^)
それでも、何点かチェックポイントがあるので紹介しましょう。
①大きさが70cm×20cm程度で、厚みが1cm程度、重さが10kgぐらいあること。
※但し、例えば「D51 1」のような数字が少ない号機は50cm程度となり、重さも軽くなります。
②磁石に反応しないこと。
蒸気機関車のナンバープレートの材質は砲金(銅と錫との合金)です。ですから、磁石には反応しません。
※但し、例えばD51の戦時型(1000号番台)は一部を木製化するなど、戦争中の金属不足の時代に製造されたため、貴重な砲金ではなく、磁石に反応する鉄材で造られた可能性もあります。
③全体的に痛み・腐食・傷があり、煙突からの煙による煤(すす)が付いていること。
ほとんどの蒸気機関車は製造されて、20年以上用いられました。この間、風雨や煙突からの煙を受け、飛石で傷も入ることから、汚れも傷もないピカピカの状態はありえません。
④四隅に取り付け用のボルト穴があること。
ナンバープレートは一台の蒸気機関車に4枚付いていますが、全て四隅のボルトで車体に固定されています。このためボルト穴が無いのは、実際に付けられたことが無いナンバープレートです。
⑤保存されている蒸気機関車のナンバープレートでないこと。
静態動態にかかわらず、保存されている蒸気機関車にはナンバープレートが付いていますので、同じ車番のナンバープレートはレプリカ品と言えます。
※但し、蒸気機関車は長期間使用されたため、傷んだナンバープレートを交換することがあります。また何かのタイミング(例えば鉄道博物館への展示時や、赤・青ナンバープレートへの変更時)での交換もあります。このため、保存されている蒸気機関車と同じ車番のナンバープレートであっても、全てレプリカ品とは言えないところです。
⑥アルファベットと数字との間隔や、数字の形状種別。
同じ製造メーカーであれば、最初のアルファベットと機関車種別番号(CやDなど)や号機番号の間隔、さらに数字の形状が同じです。
※但し、前述のとおり配属された機関区や鉄道工場で交換されれば、当然変わってきます。ある同じ蒸気機関車のナンバープレートを現役時代の画像で見比べたところ、微妙に違っていたことがありました。
一例として、下記の動態保存されている蒸気機関車の、本物のナンバープレート画像をご覧になれば、D51同士でも違いますし、同じ 498号機であっても異なることがお分かりかと思います。
以上のことから、私が入手したD51 337号機のナンバープレートは本物か?ですが、上記の⑤⑥以外は大丈夫なところ。
このD51 337号機ですが、廃車後は北海道の和寒町郷土資料館で静態保存されているので、
それじゃ⑤のレプリカ品?⑥の保存されている実車のナンバープレートとはアルファベットや数字の間隔が微妙に違うけど?と思われるでしょうが、上記⑤⑥の「※但し、」かな?です。
このD51 337号機のナンバープレートについていろいろ調べると、ある時に全数(4枚)のナンバープレートが更新されたと思います。そして外された古いナンバープレートは保存され、更新され使用された新しいナンバープレートは、廃車後、国鉄から一般に放出されたのでしょう。D51 337号機が廃車となった1975年頃は、日本各地で国鉄が開催する鉄道部品のフリーマーケットがよく開催され、蒸気機関車のナンバープレートも出品されていたのを憶えています。
今回のナンバープレートは、その内の一枚がマニアの手に渡り、汚れを落とされて飾用スタンドを付けられたと思うところです。しかも今回のオークション出品者は、長く配属され廃車となった北海道・名寄機関区の地元の方。そんなところも、本物かなと思った次第。さらに指で強く擦ると、黒く煤(すす)のようなモノが付きました。それでも本物かレプリカ品かは、50:50でしょう。^^
以上、長々と解説しましたが、結局のところ本物でもレプリカ品でも、本人が満足すれば良いと考えるところです。あまりに本物を追求すると、とても高価な買物(30~50万円以上)となります。
最近、市場に流通する蒸気機関車のナンバープレートは少なく、明らかなレプリカ品や記念品でも高価取引となっています。今回の私のように、自身の予算内で欲しいナンバープレートが見つかれば、そこで納得しましょう。私はレプリカ品(記念品)だったとしても、満足しています。実際に見て手に取ると分かりますが、ド迫力の品物です。
PS.
ホームセンターで材料を買ってきて、キャスター付の置台を製作。テプラでの紹介文を貼り付けました。
また、関西人の方なら絶対に「いくらで買ったの?」と思われたでしょうから、安価な中古原付スクーター程度とお答えさせていただきます。^^
重さを測ると、梱包込みで11kg。^^
届いた荷物は、D51蒸気機関車のナンバープレートです。かなり以前から蒸気機関車のナンバープレートが欲しかったのですが、なかなか「これだ!」というモノが無く、やっと「これなら」というのを見つけ、ネットオークションで落札しました。
本当は播但線・姫新線(姫路機関区)か、加古川線・北条線・高砂線(加古川機関区)を走っていた蒸気機関車のナンバープレートが欲しかったのですが、何せ無煙化となって50年以上。ほとんどの蒸気機関車は解体され、僅かに残っているナンバープレートもマニアの手に渡ってしまった状況。
それでも加古川線・北条線を走っていた、C12蒸気機関車のナンバープレートを何とか見つけたのですが、あまりに高額で諦めたところです。
で、今回入手したのは、画像のとおりD51 337号機のナンバープレート。この蒸気機関車の経歴です。(機関車データベース・デゴイチよく走る!のサイトから引用)
1939.12.27 日立製作所で製造 配属:広島鉄道管理局 配置:岡山機関区
1950.9.4 岡山機関区→島根・浜田機関区
1952.7.3 北海道・北見機関区
1952.9.6 北海道・名寄機関区
1952.1.9 北海道・苗穂工場でボイラーをD51 398号機のものと交換・耐寒工事施工
1953.4.8 北海道・名寄機関区
1959.3.2 北海道・苗穂工場で運転室整備
1964.4.1 北海道・名寄機関区
1970.3.31 北海道・名寄機関区 前照灯副灯取付・北海道仕様切り詰めデフ実施
1975.3.20 廃車 走行距離:2,294,956.8km
ところで鉄道マニアの方なら、「これって本物?」と思われたことでしょう。というのも、蒸気機関車のナンバープレートは、レプリカ品や記念品として作られたものが多く、実際に蒸気機関車に付いていた本物か判別が難しいのです。
※ここからマニアックな内容になります。興味のない方は一気にスクロールしてください。(^^)
それでも、何点かチェックポイントがあるので紹介しましょう。
①大きさが70cm×20cm程度で、厚みが1cm程度、重さが10kgぐらいあること。
※但し、例えば「D51 1」のような数字が少ない号機は50cm程度となり、重さも軽くなります。
②磁石に反応しないこと。
蒸気機関車のナンバープレートの材質は砲金(銅と錫との合金)です。ですから、磁石には反応しません。
※但し、例えばD51の戦時型(1000号番台)は一部を木製化するなど、戦争中の金属不足の時代に製造されたため、貴重な砲金ではなく、磁石に反応する鉄材で造られた可能性もあります。
③全体的に痛み・腐食・傷があり、煙突からの煙による煤(すす)が付いていること。
ほとんどの蒸気機関車は製造されて、20年以上用いられました。この間、風雨や煙突からの煙を受け、飛石で傷も入ることから、汚れも傷もないピカピカの状態はありえません。
④四隅に取り付け用のボルト穴があること。
ナンバープレートは一台の蒸気機関車に4枚付いていますが、全て四隅のボルトで車体に固定されています。このためボルト穴が無いのは、実際に付けられたことが無いナンバープレートです。
⑤保存されている蒸気機関車のナンバープレートでないこと。
静態動態にかかわらず、保存されている蒸気機関車にはナンバープレートが付いていますので、同じ車番のナンバープレートはレプリカ品と言えます。
※但し、蒸気機関車は長期間使用されたため、傷んだナンバープレートを交換することがあります。また何かのタイミング(例えば鉄道博物館への展示時や、赤・青ナンバープレートへの変更時)での交換もあります。このため、保存されている蒸気機関車と同じ車番のナンバープレートであっても、全てレプリカ品とは言えないところです。
⑥アルファベットと数字との間隔や、数字の形状種別。
同じ製造メーカーであれば、最初のアルファベットと機関車種別番号(CやDなど)や号機番号の間隔、さらに数字の形状が同じです。
※但し、前述のとおり配属された機関区や鉄道工場で交換されれば、当然変わってきます。ある同じ蒸気機関車のナンバープレートを現役時代の画像で見比べたところ、微妙に違っていたことがありました。
一例として、下記の動態保存されている蒸気機関車の、本物のナンバープレート画像をご覧になれば、D51同士でも違いますし、同じ 498号機であっても異なることがお分かりかと思います。
以上のことから、私が入手したD51 337号機のナンバープレートは本物か?ですが、上記の⑤⑥以外は大丈夫なところ。
このD51 337号機ですが、廃車後は北海道の和寒町郷土資料館で静態保存されているので、
それじゃ⑤のレプリカ品?⑥の保存されている実車のナンバープレートとはアルファベットや数字の間隔が微妙に違うけど?と思われるでしょうが、上記⑤⑥の「※但し、」かな?です。
このD51 337号機のナンバープレートについていろいろ調べると、ある時に全数(4枚)のナンバープレートが更新されたと思います。そして外された古いナンバープレートは保存され、更新され使用された新しいナンバープレートは、廃車後、国鉄から一般に放出されたのでしょう。D51 337号機が廃車となった1975年頃は、日本各地で国鉄が開催する鉄道部品のフリーマーケットがよく開催され、蒸気機関車のナンバープレートも出品されていたのを憶えています。
今回のナンバープレートは、その内の一枚がマニアの手に渡り、汚れを落とされて飾用スタンドを付けられたと思うところです。しかも今回のオークション出品者は、長く配属され廃車となった北海道・名寄機関区の地元の方。そんなところも、本物かなと思った次第。さらに指で強く擦ると、黒く煤(すす)のようなモノが付きました。それでも本物かレプリカ品かは、50:50でしょう。^^
以上、長々と解説しましたが、結局のところ本物でもレプリカ品でも、本人が満足すれば良いと考えるところです。あまりに本物を追求すると、とても高価な買物(30~50万円以上)となります。
最近、市場に流通する蒸気機関車のナンバープレートは少なく、明らかなレプリカ品や記念品でも高価取引となっています。今回の私のように、自身の予算内で欲しいナンバープレートが見つかれば、そこで納得しましょう。私はレプリカ品(記念品)だったとしても、満足しています。実際に見て手に取ると分かりますが、ド迫力の品物です。
PS.
ホームセンターで材料を買ってきて、キャスター付の置台を製作。テプラでの紹介文を貼り付けました。
また、関西人の方なら絶対に「いくらで買ったの?」と思われたでしょうから、安価な中古原付スクーター程度とお答えさせていただきます。^^