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マキノ雅弘監督『離婚』

2008-09-27 13:37:38 | ノンジャンル
 スカパーの707チャンネル「日本映画専門チャンネル」で、マキノ雅弘監督の'52年作品「離婚」を見ました。
 吹雪の中の山小屋に武田ケンサク(田崎潤)とその従妹で白百合女学院の理事長の息子の嫁である相馬ミチコ、それに佐久間ダイスケ(佐分利信)がいます。眠って体が冷えていくミチコをどうすればいいかケンサクがダイスケに聞くと、裸になって抱いてやるしかないと言われ、ケンサクはその言葉に従います。ミチコたちは助かりますが、ケンサクがミチコを裸で抱いた話が相馬家に伝わり、ミチコは責められ、ケンサクとミチコと一緒に男がいた証拠を求められ、ミチコはその男を探すために家を出て、ケンサクの住む下宿屋にやっかいになります。ミチコが家を出たことがマスコミに騒がれたので、相馬家は無条件でミチコに帰ってくれと言いますが、相変わらず自分が疑われているのでミチコは断ると、相馬家は不貞を理由に離婚手続きを始めます。ミチコは偶然にダイスケに出会い、ダイスケは相馬家を批判しますが、山小屋で一緒にいたことは証言してくれません。ケンスケの元に相馬家に密告した女性が来ていたので、ミチコは下宿屋を出て兄(江川宇礼雄)のところへ行きます。するとケンサクからの手紙で、今回の一件の前から、学園に融資してもらうために相馬家はミチコを離婚し、密告した女性を嫁に迎えるつもりだったことを知ります。兄は知り合いのダイスケにミチコを託そうと、ミチコをダイスケの牧場に行かせますが、ダイスケは山へ行っていました。ミチコもその後を追い、山小屋でまた一緒になり、ダイスケはミチコの兄からの手紙を読み、二人は将来を誓いあうのでした。
 陳腐な脚本であり、ダイスケが山彦で「ダイスケだ」とか「山よ」とか叫ぶのはかなり見ていて恥ずかしいものでした。性的なモラルも今から見ると古めかしいもので、映画が古びてしまっているのは如何ともしがたいものがあります。しかし、ちょっとした女性の仕種などにマキノ節が感じられ、やはり作家主義は生きていると思いました。斉藤達雄や江川宇礼雄といった小津映画の常連が出ているのも見どころでしょう。マキノファンに見て損はない映画だと思います。