豊島ミホさんの最新刊「カウントダウン ノベルズ」を読みました。シングルチャートのベストテンに入っているミュージシャンたちを描いた短編集です。
「あたしはいい子」は、歌姫と呼ばれる主人公が同じ事務所の後輩にその座を譲らんとしていますが、新曲も1位になってスタッフから祝福を受け、泣いてしまう話。
「ぜんぶあげる、なんでもあげる」は、貧乏長屋に住んでいた幼馴染みの恋人に、自分の手に入れられるものはすべてあげようと思っている新進アイドルが、先輩の歌姫と呼ばれる人が力ない顔をしていたので、自分もこうなるのかと不安になりますが、恋人と一緒だと元気になれるという話。
「話があるよ」は、忙しすぎて精神的に不安定になっているバンドのメンバーが一時行方不明になりますが、無事に仕事先に現れる話。
「楽園が聞こえる」は、忙しすぎて頭の中の音楽が消えてしまったDJが、休養して音楽を取り戻す話。
「きらめくさだめ」は、アイドルユニットに入っている主人公が他のメンバーに辞めたいと相談され、次のシングルがベスト5に入らなかったら協力すると言い、無事にベスト5に入るという話。
「きたない涙」は、路上ライブからメジャーデビューした主人公が、自分を取り戻すため、路上ライブをしていた場所に行き、その頃を観客を探すという話。
「ピクニック」は、娘だけのために書いた子守唄なのに、やはり発表したくてしょうがなくなる自分を責めるが、夫に慰められるという話。
「永遠でなくもないだろう」は、昔ギターデュオを組んでいた女性に25年ぶりに会うと、その後の主人公の成功を恨んでいたと言われ、自分の気持ちを彼女に歌で届かそうとライブに臨むという話。
「ラストシングル」は、オーディションからデビューまでを追うラジオ企画でデビューした3人組が、売れなくなって会社から解散に追い込まれる話。
「絶望ソング第全集」は、いじめのうっぷんを嫌がらせのつもりで歌ったら、これが当たってしまい、メジャーデビューの話も来るが断り続けていた主人公が、他の人の演奏を聞いてメジャーデビューをしようと決意する話。
それぞれの話の中に、他の話の主人公の名前が出て来たりして、うまくできているなと思いました。どれも面白かったのですが、特に良かったのは「ピクニック」と「永遠に~」でしょうか。「絶望~」のいじめのシーンも身につまされました。豊島さんの小説は昔から色あいが変わりなく、安心して楽しめます。これからもスタンスを変えずにいい小説を書き続けてほしいと思いました。
なお、「Fovarite Novels」の「豊島ミホ」に詳しいあらすじを掲載しておきましたので、興味のある方はぜひご覧になってください。
「あたしはいい子」は、歌姫と呼ばれる主人公が同じ事務所の後輩にその座を譲らんとしていますが、新曲も1位になってスタッフから祝福を受け、泣いてしまう話。
「ぜんぶあげる、なんでもあげる」は、貧乏長屋に住んでいた幼馴染みの恋人に、自分の手に入れられるものはすべてあげようと思っている新進アイドルが、先輩の歌姫と呼ばれる人が力ない顔をしていたので、自分もこうなるのかと不安になりますが、恋人と一緒だと元気になれるという話。
「話があるよ」は、忙しすぎて精神的に不安定になっているバンドのメンバーが一時行方不明になりますが、無事に仕事先に現れる話。
「楽園が聞こえる」は、忙しすぎて頭の中の音楽が消えてしまったDJが、休養して音楽を取り戻す話。
「きらめくさだめ」は、アイドルユニットに入っている主人公が他のメンバーに辞めたいと相談され、次のシングルがベスト5に入らなかったら協力すると言い、無事にベスト5に入るという話。
「きたない涙」は、路上ライブからメジャーデビューした主人公が、自分を取り戻すため、路上ライブをしていた場所に行き、その頃を観客を探すという話。
「ピクニック」は、娘だけのために書いた子守唄なのに、やはり発表したくてしょうがなくなる自分を責めるが、夫に慰められるという話。
「永遠でなくもないだろう」は、昔ギターデュオを組んでいた女性に25年ぶりに会うと、その後の主人公の成功を恨んでいたと言われ、自分の気持ちを彼女に歌で届かそうとライブに臨むという話。
「ラストシングル」は、オーディションからデビューまでを追うラジオ企画でデビューした3人組が、売れなくなって会社から解散に追い込まれる話。
「絶望ソング第全集」は、いじめのうっぷんを嫌がらせのつもりで歌ったら、これが当たってしまい、メジャーデビューの話も来るが断り続けていた主人公が、他の人の演奏を聞いてメジャーデビューをしようと決意する話。
それぞれの話の中に、他の話の主人公の名前が出て来たりして、うまくできているなと思いました。どれも面白かったのですが、特に良かったのは「ピクニック」と「永遠に~」でしょうか。「絶望~」のいじめのシーンも身につまされました。豊島さんの小説は昔から色あいが変わりなく、安心して楽しめます。これからもスタンスを変えずにいい小説を書き続けてほしいと思いました。
なお、「Fovarite Novels」の「豊島ミホ」に詳しいあらすじを掲載しておきましたので、興味のある方はぜひご覧になってください。