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スティーヴン・キング『夜がはじまるとき』

2011-02-03 06:09:00 | ノンジャンル
 トニー・スコット監督の'87年作品『ビバリーヒルズ・コップ2』をWOWOWで見ました。エディ・マーフィーのあくの強い演技が目立つ中、他の映画の小ネタがいくつか仕込まれていて、それなりに楽しめました。

 さて、スティーヴン・キングの'08年に刊行された短編集『Just After Sunset』の後半の6つの短編を収録した『夜がはじまるとき』を読みました。
 『N』は、魔法の環状列石の中に生まれる闇の世界を目にした強迫性障害の男が自殺した後、彼のカウンセリングをしていた医師、その妹、その幼馴染みのニュースリポーターも次々に自殺に追い込まれていくという話。
 『魔性の猫』は、特効薬を発明するために1万5千匹もの猫を殺した製薬会社のオーナーの家に住みついた猫が、次々に家人を殺したことで、オーナーが殺し屋に猫の処分を依頼しますが、逆に猫に殺されてしまう話。
 『ニューヨーク・タイムズを特別割引価格で』は、飛行機事故で死んだ夫からかかって来た電話が、未来の災厄を予告する話。
 『聾唖者』は、ヒッチハイクで拾った聾唖者に、多額の公金を横領して愛人と使いまくった妻を罵りまくった後、その聾唖者が実は健常者で、妻とその愛人を殺してしまったということを男が神父に懺悔する話。
 『アヤーナ』は、わたしの父がガンで死にかけている時、突然現れた少女が父にキスをして父は治りますが、その後、わたしが同じことをするために3度に渡って連れ出されるという話。
 『どんづまりの窮地』は、土地の所有権をめぐって争っていた隣人に、倒れた仮説トイレの中に閉じ込められた男が何とかそこから脱出し、復讐を遂げるという話、です。

 面白かったのは、殺し屋の殺される様の残虐さが半端ではない『魔性の猫』と、これまた仮説トイレの中の描写の生々しさが半端ではない『どんづまりの窮地』でした。特に前者はゴシック的な怖さにあふれていて、長編で読み直したいと思いました。キング・ファンならずともオススメです。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)