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ブライアン・ヘイズ『ベッドルームで群論を』

2011-02-10 08:46:00 | ノンジャンル
 フランシス・フォード・コッポラ監督の'92年作品『ドラキュラ』をWOWOWで見ました。影の使い方はドライヤー版、アイリスアウトなどの使い方はムルナウ版を思わせ、ゴシック・ホラーというよりはゴシック・ロマンといった感じの映画で、面白く見ました。

 さて、朝日新聞で紹介されていた、ブライアン・ヘイズの'08年作品『ベッドルームで群論を』を読みました。著者が数学のトピックについて科学雑誌に書いたエッセイを集めて作られた本です。
 扱われているトピックは、マットレスのひっくり返し方を考えた群論、ランダムさを作ること、富の分配のシュミレーティング、遺伝暗号の解読、戦争を統計的に処理して出て来る法則、分水嶺の求め方、歯車の歯についての時計職人たちの思考の軌跡、均等な力になるようなチーム分けの方法、名付ける作業、3進法、長く使える時計についての考察です。どれも読み始めはとっつき易いのですが、途中で論理の飛躍があって急に話が難しくなり、最後のエッセイ以外はどれも最後まで読み進めることができませんでした。その一方、フリーマッケットのモデルでは、一定の時間が過ぎると、富が一人に集中してしまうこと、戦争の分布には何ら法則的なものは見当たらないことは、知って得した気がしました。また、最後のエッセイで言及される楽観主義は、最近読んだマット・リドレーの『繁栄』と同じ考え方であったことに、偶然の一致を感じました。
 私の住む神奈川県厚木市の市立図書館では、予約が多数入っている人気の本でしたが、少なくとも私はあまり楽しめませんでした。数学的な素養がある人はオススメかも。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)