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高橋秀実『結論はまた来週』

2012-03-08 13:10:00 | ノンジャンル
 瀬川昌治監督の'67年作品『喜劇・急行列車』をスカパーの東映チャンネルで見ました。主役の車掌専務役を渥美清、マドンナ役を佐久間良子、妻役を楠トシエ、お調子者の車掌・鈴木やすしと仲のいいウエイトレス・大原麗子、それに心臓病の少年に車内での出産と、人情喜劇の王道を行く映画でした。渥美清の代表作の一本でしょう。

 さて、高橋秀実さんの'11年作品『結論はまた来週』を読みました。20代の男性をターゲットにしたフリーペーパー『R25』の連載エッセイ「結論はまた来週」を中心にまとめた本です。
 その時の時事ネタを取り上げて、それについてのコメントが述べられているものが多く、例えば、「自分らしく生きよう」「そばにいるから大丈夫」などとやたらに歌う若者たち、堀江貴文氏の「やればできる」という主張、恵方巻を食べる風習、春一番に象徴される「始まり」、電化製品の不具合、携帯のメールの文章、「出世する人」「しない人」の違い、グローバルスタンダード、女性がこだわる記念日、出生率の低下、「子供はほめて育てよう」という主張、「普通は」としょっちゅう言う若者、「大丈夫です」としょっちゅう言う若者、自己分析が好きな大学生、「私は」とやたらに発言する麻生首相、「自分らしく」という言葉の氾濫、スピリチュアルだの守護霊だのの喧伝、国民の「やる気」を強調する自民党の憲法改正案、「スッキリする」と言って覚醒剤に手を出す若者、若者の間での「やばい」感の欠落、喧伝される「日本人の誇り」、小泉首相の靖国参拝、中国での反日デモ、「勝ち組」と「負け組」をやたらに強調する風潮、オバマ氏の「Yes,we can」という決めゼリフ、裁判員制度、居酒屋タクシー、地球温暖化などなどです。
 大体が世間での常識がいかに非常識であるかを説いたもので、言葉がモノに先立つとか、行動が目的に先立つとか、構造主義を基調とした考え方が多いと感じました。なるほどと思う提言も多く、気軽に面白く読めるエッセイ集だと思います。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/