昨日の続きです。
欽定憲法の策定を窺う伊藤博文に対抗して、自由党を一旦解散させようという自由党総理・板垣に反対する重井。自由党全国大会では、重井ら一派の命がけの説得にもかかわらず、各地で起こっている反政府の反乱の詰め腹を切らされるのを恐れる板垣は、自由党の解散を宣言し、重井と栄子らは自由党解散に反対しているのが自分たち5人だけだったことを知ります。
重井を栄子は励まし、重井も「正しく生きるのは苦しいものだ」と言うと、二人は体を寄せ、重井が愛の告白をし、二人は関係を持ちます。
ダンスパーティーで政府の要人に重井と栄子が秩父に向かったと密告する早瀬。製糸工場側が娘たちを人質に取ったと知り暴動を起こした秩父の労働者たちに対し、重井は非暴力を説き、栄子は彼らを代表して工場の様子を秘かに見に行くことになります。
工場内では労働者が拷問され、逃げようとした千代は強姦されますが、千代は火事を起こします。栄子は千代を助け出そうとしますが、官憲に捕まります。重井も逮捕され、それを冷ややかに見つめる早瀬。
早瀬は刑務所の栄子に面会しに来ます。小さい頃から友達で、婚約までした仲であることを持ち出し、女性は家庭を持ち、子供を育てるのが生き方の基本だと言う早瀬に、栄子は永遠の別れを告げます。同房のげびた女囚たちにからかわれる栄子。栄子に遅れて房に入ってきた千代は、自由党のメンバーとして処罰されたと言って、栄子を怒りの目で見て、背を向けます。
重労働をさせられる女囚たち。千代は労働の途中で倒れ、看守に鞭打たれますが、栄子は彼女が病気なのだと言ってかばいます。診察の結果、千代は妊娠していることが分かりますが、看守に犯されそうになって抵抗したため、暴力を振るわれ、結局流産してしまいます。千代は栄子に、人買いに春を奪われ、彼の子供を妊娠したこと、その男のことを恋しいと思い、工場を逃げ出そうとしたことを語り、泣き出しますが、栄子はこれからは私があなたのことを守ると言って、千代を励まします。
「明治二十二年 憲法発布され、国事犯に大赦の令下る」の字幕。大赦の書面を渡される栄子。釈放された重井は大群衆に迎えられ、その夜行われた祝賀会では、総選挙で憲法改正を勝ち取ろうと言って、皆が祝杯を上げます。家でかいがいしく重井の帰りを待つ栄子。帰ってきた重井に栄子は同居することになった千代を紹介します。
ある日、重井が新たに結成した立憲自由党に男がやってきて、重井に会わせろと騒ぎ出します。彼は千代を買った人買いで、千代と重井が一緒にいたところを見たと言い、千代を返せと言うのでした。栄子が家に帰ってみると、重井と千代はなれなれしく体を寄せていて、重井は悪びれる様子もなく、千代を妾にすると言い、千代はそれなりの女でしかないとまで言います。千代と栄子が二人になると、重井が幸せにしてくれると言ったので、これまでの不幸な自分の人生を取り戻したかったのだと言って千代は泣き、それを聞いた栄子はここが本当の始まりなのだと自分に言い聞かせます。
選挙に当選し胴上げされる重井。栄子は岡山に帰ると重井に告げ、個人の問題としてではなく、婦人の問題として重井と決別すると宣言し、郷里で女性の自立を助けるため女学校を始めるつもりだと言います。
帰郷する列車の中で、重井の立憲自由党が多くの当選者を出したという新聞記事を読む男たちの横で、凛として本を読む栄子。やがてそこへ千代が現れ、自分も目を覚ましたと言って、彼女に付いて行きたいと言うと、栄子は優しく千代の体を抱いてやるのでした。
徹底したワンシーン・ワンカットが多く採用され、ゆるやかな移動撮影とともに、映画の素晴らしさを際立たせていました。秩父事件の時の早瀬の顔に作られた陰影の見事さも、記しておきたいと思います。映画好きの方にはお勧めです。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
欽定憲法の策定を窺う伊藤博文に対抗して、自由党を一旦解散させようという自由党総理・板垣に反対する重井。自由党全国大会では、重井ら一派の命がけの説得にもかかわらず、各地で起こっている反政府の反乱の詰め腹を切らされるのを恐れる板垣は、自由党の解散を宣言し、重井と栄子らは自由党解散に反対しているのが自分たち5人だけだったことを知ります。
重井を栄子は励まし、重井も「正しく生きるのは苦しいものだ」と言うと、二人は体を寄せ、重井が愛の告白をし、二人は関係を持ちます。
ダンスパーティーで政府の要人に重井と栄子が秩父に向かったと密告する早瀬。製糸工場側が娘たちを人質に取ったと知り暴動を起こした秩父の労働者たちに対し、重井は非暴力を説き、栄子は彼らを代表して工場の様子を秘かに見に行くことになります。
工場内では労働者が拷問され、逃げようとした千代は強姦されますが、千代は火事を起こします。栄子は千代を助け出そうとしますが、官憲に捕まります。重井も逮捕され、それを冷ややかに見つめる早瀬。
早瀬は刑務所の栄子に面会しに来ます。小さい頃から友達で、婚約までした仲であることを持ち出し、女性は家庭を持ち、子供を育てるのが生き方の基本だと言う早瀬に、栄子は永遠の別れを告げます。同房のげびた女囚たちにからかわれる栄子。栄子に遅れて房に入ってきた千代は、自由党のメンバーとして処罰されたと言って、栄子を怒りの目で見て、背を向けます。
重労働をさせられる女囚たち。千代は労働の途中で倒れ、看守に鞭打たれますが、栄子は彼女が病気なのだと言ってかばいます。診察の結果、千代は妊娠していることが分かりますが、看守に犯されそうになって抵抗したため、暴力を振るわれ、結局流産してしまいます。千代は栄子に、人買いに春を奪われ、彼の子供を妊娠したこと、その男のことを恋しいと思い、工場を逃げ出そうとしたことを語り、泣き出しますが、栄子はこれからは私があなたのことを守ると言って、千代を励まします。
「明治二十二年 憲法発布され、国事犯に大赦の令下る」の字幕。大赦の書面を渡される栄子。釈放された重井は大群衆に迎えられ、その夜行われた祝賀会では、総選挙で憲法改正を勝ち取ろうと言って、皆が祝杯を上げます。家でかいがいしく重井の帰りを待つ栄子。帰ってきた重井に栄子は同居することになった千代を紹介します。
ある日、重井が新たに結成した立憲自由党に男がやってきて、重井に会わせろと騒ぎ出します。彼は千代を買った人買いで、千代と重井が一緒にいたところを見たと言い、千代を返せと言うのでした。栄子が家に帰ってみると、重井と千代はなれなれしく体を寄せていて、重井は悪びれる様子もなく、千代を妾にすると言い、千代はそれなりの女でしかないとまで言います。千代と栄子が二人になると、重井が幸せにしてくれると言ったので、これまでの不幸な自分の人生を取り戻したかったのだと言って千代は泣き、それを聞いた栄子はここが本当の始まりなのだと自分に言い聞かせます。
選挙に当選し胴上げされる重井。栄子は岡山に帰ると重井に告げ、個人の問題としてではなく、婦人の問題として重井と決別すると宣言し、郷里で女性の自立を助けるため女学校を始めるつもりだと言います。
帰郷する列車の中で、重井の立憲自由党が多くの当選者を出したという新聞記事を読む男たちの横で、凛として本を読む栄子。やがてそこへ千代が現れ、自分も目を覚ましたと言って、彼女に付いて行きたいと言うと、栄子は優しく千代の体を抱いてやるのでした。
徹底したワンシーン・ワンカットが多く採用され、ゆるやかな移動撮影とともに、映画の素晴らしさを際立たせていました。秩父事件の時の早瀬の顔に作られた陰影の見事さも、記しておきたいと思います。映画好きの方にはお勧めです。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)