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ロベルト・ロッセリーニ監督『ロベレ将軍』

2013-06-02 05:29:00 | ノンジャンル
昨日の朝日新聞の特集記事「be」で、小津監督の『東京物語』が取り上げられ、今年が小津監督生誕110周年に当たることに気付きました。今年の12月12日には、何らかのイベントを考えねば、と思います。

 さて、ロベルト・ロッセリーニ監督の'59年作品『ロベレ将軍』をWOWOWシネマで見ました。
 “本バージョンがオリジナル版である”というの意味の字幕。
 街路を行進する兵隊。路上の壁には“徴兵忌避は死刑に処す”“武器の不法所持は、その場で銃殺に”などの告知文が所狭しと貼られています。ドイツ兵のバイクが走り去ります。灯火管制が解けて、どっと外に出てくる人々。「曇りだと爆撃がない」と話す老婆。壁には“勝利を!”の落書き。ドイツ秘密警察(ゲシュタポ)の将校が乗る車がパンクすると、1人の紳士(ヴィットリオ・デ・シーカ)が寄って来て、近くにある修理工の場所を教えます。紳士は自らをグリマルディ工学士と名乗り、秘密警察のミュラー大佐と親しくなります。2人の話す様子を窺う部下のゲシュタポ。
 紳士はマリアの部屋に戻ると、マリアはボルゲシオ弁護士から2度電話があったと伝えます。カンテッリの弟を釈放させるよう働きかけたことに対するお礼を貰った紳士は、それとは別に小包を受け取り、それには「父への差し入れの品です」のメッセージが添えられていました。小包を開け「またサラミか!」と言う紳士。紳士はヴァレリアの許を訪ね、「質草に出せるものがないか」と尋ね、ボルゲシオが息子の釈放のために用立てた10万リラを全て博打ですってしまったことを告白します。ボルゲシオからの電話に出た紳士は、今日中に解決すると言います。昼までに強欲なドイツ人のハーゲマンに約束の5万リラを渡さないと、ボルゲシオの息子はドイツ送りになると言って、紳士は最後ヴァレリアに懇願しますが、ヴァレリアは断ります。紳士はトリノでラジオの仕事を得ることに成功し、危険だが軍隊の慰問団を既に立ち上げていて、戦後になれば誰もが羨む寄席の一座を君に贈ると約束しますが、ヴァレリアは紳士の話を信用しようとはしません。彼女は「以前あなたがくれた偽物の指輪を持っていって」と言い、もらった時から偽物だと分かっていたと言います。フェイドアウト。
 フェイドイン。“ジェノヴァ ドイツ軍司令部”の看板。共産党員に間違われて逮捕された夫を釈放してほしいとハーゲマン軍曹に訴える、ファシオ中尉の夫人・カーラ(『シェルブールの雨傘』でドヌーヴの母親役をやった女優さんです)と中尉の母。その場に現れた紳士はカーラを慰めようとしますが、逆に怒られて去られてしまいます。紳士はハーゲマンに、ボルゲシオに会ったが、金を工面できないと言うので、要求されていた金額よりも高く売れる高価な品を持ってきたと言い、先程ヴァレリアに返された指輪を、プラチナ台のサファイアだとして渡そうとしますが、ハーゲマンは5万リラの現金でなくてはダメだと言い、その指輪を自分で5万リラ以上で売って、差額は手許に残せばいいと紳士に言います‥‥。

 全ての画面が遠近法を用いた、コントラストの効いた、画面構成も綿密に計算された見事な“ショット”なので、映画の長さと相殺しても、その素晴らしさには目を見張るものがありました。ロッセリーニの映画の素晴らしさを再認識することができ(ちなみに、私は大学生時代、「映画監督はロッセリーニさえいればいい」と発言して、高橋洋君の失笑を買ったことがあります)、この映画を見終わった現段階では、私のロッセリーニ作品ベストスリーは、1位が『イタリア旅行』、2位が『ヨーロッパ1951年』、そして『神の道化師、フランチェスコ』とこの『ロベレ将軍』が同率の3位といった感じになりました。(次点が『ドイツ零年』でしょうか?) いずれにしても、映画が好きな方で、この映画をまだ見ていない方がいらっしゃるようでしたら、なるべく早く見ることをお勧めします。なお、上記のあらすじの続きは私のサイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)の「Favorite Movies」の「ロベルト・ロッセリーニ」の場所にアップしておきますので、興味のある方は是非ご覧ください。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto