gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

福岡伸一『遺伝子はダメなあなたを愛してる』その2

2013-06-08 05:16:00 | ノンジャンル
 山根貞男さんが絶賛していた、イ・ヒョンスン監督の'11年作品『青い塩』をWOWOWシネマで見ました。暴力団の権力争いに翻弄される男女を描いた映画でしたが、登場人物の関係が複雑で、叙情的な音楽が多用されていました。

 さて、昨日の続きです。
 私たち人間は、タンパク質を余分に貯めておくことができず、それは日々、たえまなく分解され、捨てられ、そして新たに合成されていていること、その量は1日におよそ60グラムであり、うんちやおしっこに、私たち自身の分解産物として捨てられていること、しかしその60グラムとは乾燥重量であり、食べ物はふつう、その倍の水を含んでいるので、湿重量としては120グラムほどのタンパク質が必要になること、したがって血の滴るような数百グラムものステーキを平らげるのはタンパク質の過剰摂取となり、過剰な分は体脂肪に変えられて蓄積されてしまい、貯めることのできない窒素は排泄されてしまうこと、タンパク質の摂取は何も動物性でなくても、植物性でもよく、光合成をつかさどる酵素はタンパク質なので、どんな葉っぱや野菜にもタンパク質は豊富に含まれていること、特に大豆などマメ類には、タンパク質のアミノ酸組成のバランスがいい、良質のタンパク質が含まれていること、アミノ酸のうち必須アミノ酸と呼ばれる9種類は体内で合成できないので、バランスよく食品から摂取しないといけないこと、そして植物からタンパク質を摂取する時に注意すべきは、単一の穀物だけに頼ると(たとえばトウモロコシだけ)アミノ酸組成に偏りがあるので、リジンやトリプトファンといった重要な必須アミノ酸が不足する危険性があること、私たちはストレスにさらされると副腎からコルチゾールというホルモンを血中に放出し、エネルギーの燃焼を促進し、闘争したり逃走したりする行動を助け、それがたくさん放出されるとその一部は脳の海馬に到達し、そこでグルココルチコイドレセプター(GR)という分子に結合して信号を発し、それは視床下部、脳下垂体を経て、別の信号に変換され、それが副腎に働いて、コルチゾールの放出を抑制する、つまりフィードバックがかかる仕組みになっていること、GRのレベルが高いと鋭敏にコルチゾールを検出できるので、すばやくフィードバックがかかり、ストレス反応を抑え、子供は温厚に育つこと、私たちの味覚の基本5味のうち、甘みは糖質、すなわち大事なエネルギー源である炭水化物のありかをさぐる重要な手がかりとなり、うまみはタンパク質の構成要素であるアミノ酸(グルタミン酸)に対して感じる味覚であり、おいしいものは身体にとってよいものであること、また塩味は、体内の浸透圧維持に適正な量の塩が必要な時に感じうる知覚であり、酸味、苦みはある意味で警戒の知覚であること(食べ物が傷むと腐敗が進み、酸っぱくなる一方、自然界の苦いものは身体にとって有害な成分であることが多い)、激辛のものを食べるとちょっと間をおいてから急に辛くなり、その後は急いで水を飲んでもなかなか辛さはとれないのは、辛みを感じるのが、舌の表面組織の内側にある神経末端であるからで、辛みの成分であるカプサイシンがそこへ到達するのにタイムラグがあり、一度、入り込むとなかなか洗い流せないからであること、カフェインの摂りすぎは感受性の高い人に不眠、頭痛、神経過敏、心悸亢進などをもたらし、妊婦や子供にはよくないこと、カナダ保険省は、健康な成人なら1日400~450ミリグラムまで、妊娠適齢女性は300ミリグラムまでのカフェイン摂取を推奨していること、人工的にカフェインを添加した飲料もたくさんあり、コカ・コーラやオロナミンCといった清涼飲料には1本あたり30~50ミリグラム入っていること、地球でいちばん収穫量が多いのはトウモロコシで、次いで多いのは小麦であること、ウナギの稚魚であるシラスウナギは川の河口で、夜、長いタモ網を持って、明かりを照らしながらすくい取って採取すること、トンボのオスは交尾のとき、しっぽの先でメスを捕まえなければならないので、あらかじめ自分のしっぽを自分の胸付近にある袋に突っ込んで精子をためておくこと、鳩のつがいは浮気をせず、夫婦協力して子育てをするが、鳩には「嚢(のう)」という袋が食道に附随して存在し、親が食べた餌はそこで唾液と混和されミルク状になって蓄えられ、これがヒナに口移しで与えられること‥‥(またまた明日へ続きます)

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto